8月3日から4日にかけておこなわれた原水爆禁止2026年世界大会の国際会議は150名が参加しました。


以下の国際会議宣言が採択されました。
(画像等は後ほどアップします)

原水爆禁止2026年世界大会国際会議

国際会議宣言

世界はいま戦争か平和か、核破局か核兵器廃絶かの重大な岐路にある。

国連憲章違反の武力行使は断じて許されない。アメリカのイラン攻撃、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザでのジェノサイドとヨルダン川西岸などへの侵攻は、ただちに終結させなければならない。米英仏ロ中をはじめとする核保有国とNATOや日本など同盟国は、核兵器への依存をさらにつよめ、核軍拡競争を激化させつつある。核保有国印パの紛争、北朝鮮の核武装も深刻である。核保有国とその同盟国による武力行使は、核戦争の現実の危険を高めるものとなる。

核兵器が使われれば、破滅的な非人道的結末がもたらされることは、被爆者や核実験被害者の証言からも明らかである。広島と長崎に米軍が投下した原子爆弾は、一瞬にして二つの都市を焼き尽くし、その年のうちに21万人以上の命を奪った。その圧倒的多数は、女性と子どもを含む民間人であった。そこには強制連行された人々をはじめ多くの朝鮮半島出身者が含まれていた。生きのびることができた被爆者も、深刻な後遺症と差別に苦しめられた。核兵器の使用は、道義的にも、人道法上も決して許されない。

世界には、いまなお1万2000発をこえる核弾頭が存在し、米ロだけでその9割以上を占める。ごく一部が使用されただけでも、地球的規模の気候変動をもたらし、人類全体を滅亡の危機にさらすと言われる。まさに人類は核破局の瀬戸際にある。核兵器廃絶は人類の死活にかかわる緊急課題である。

「核兵器と人類は共存できない」―被爆者の訴えに真摯に耳を傾け、人類を核破局から救うために緊急に行動しなければならない。「核兵器のない平和で公正な世界」の実現のために力をあわせることを、あらためて世界の人々と為政者たちによびかける。

非核平和の願いにたいする逆流は重大だが、それをのりこえることは可能である。軍事力や核の威嚇で「平和」を実現することはできない。イラン、ウクライナ、ガザにおける非人道的な現実は、それを明白に示している。一方、戦争に反対し、国連憲章の擁護を求める声、戦争被害者との連帯は、世界に広がっている。この道にこそ未来があると確信する。

核兵器禁止条約(TPNW)の締約国は75か国、署名国を含めれば100か国に達し、世界の本流として着実に前進している。この条約を生み出した原動力は、諸国政府と市民社会の共同である。禁止条約を力に、この共同を発展させるならば、「核兵器のない世界」への展望をきりひらくことができる。

成果文書の発出には至らなかったが、核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、その可能性は示された。7割の締約国が、核軍備縮小撤廃の交渉を義務づけた第6条の履行を求めた。被爆者をはじめ市民社会の奮闘がこの世界の流れを後押しした。核兵器廃絶の「明確な約束」はじめ、NPT再検討会議のこれまでの合意はすみやかに履行されなければならない。

2026年11月には禁止条約の第1回再検討会議がひらかれる。核兵器廃絶の流れを飛躍的に発展させる機会としなければならない。会議に招請される私たち市民社会もそのために力を尽くす。

「核兵器のない世界」への最大の障害が、核保有国と核依存国の「核抑止力」への固執であることはますます明らかとなっている。「核抑止」とは、他国に対するヒロシマ・ナガサキの再現を想定したものである。無差別で、残虐な武力の行使を否定する国際人道法と相いれない立場である。しかも「抑止」が失敗して、核兵器が使用されれば、その結末はすべての国にとって破滅的である。「核抑止力」への依存は、永続的な人類破滅のリスクをもたらすだけである。その克服のために、諸国政府とも共同して、「核抑止力」論をのりこえる国際世論を築こう。

国際的な包囲と同時に、核保有国とその「核の傘」に依存する国での運動が重要になる。ノーベル平和賞を受賞した日本被団協をはじめ、被爆者と核実験被害者の証言は、アメリカやその同盟国でも、大きな反響をひろげ、運動の新たな発展の力となっている。その国の世論と運動が、核固執の政策を変える決め手である。

いま求められているのは、軍事ブロックなどによる対抗と分断ではなく、すべての国を包摂する平和の枠組みを基礎にすえた安全保障、平和構築である。NATOの拡大、大軍拡と核態勢の強化に反対する。東アジアにおけるあらゆる軍事同盟強化の動きに反対し、対話と外交による南シナ海を含む東アジアの平和構築を求める。

日本政府は唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、アメリカの「核の傘」への依存を深め、禁止条約への参加を拒否している。さらには「非核三原則」見直しまでもくわだてている。日本が核使用に加担することなど、決して許すことはできない。

現政権が大軍拡と戦争準備をすすめるもとで、反戦平和、改憲阻止、憲法9条を守りいかす運動、民主主義と人権の擁護、生活防衛など、国民的な運動が発展しつつある。米軍基地が集中し、戦争の拠点とされている沖縄のたたかいは、その焦点の一つである。日本の運動への連帯を表明する。

国連憲章を基礎に、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざす世界の運動の連帯、諸国政府・国連機関との共同をよびかける。

―ヒロシマ・ナガサキ、核実験被害など、あらゆる核兵器の使用がもたらす非人道的な結末を広げることを軸に運動を発展させよう。被爆者国際遊説の招聘、原爆展の開催など被爆の実相を広げるとりくみをすすめよう。自国政府を禁止条約に参加させる運動を中心にすえ、核兵器廃絶を共通課題にした多様な行動にとりくもう。被爆の実相、被爆体験の次世代への継承をすすめよう。

―被害者支援と環境修復をすすめるために、当該国の責任にもとづく施策の実現と国際的支援の確立をめざそう。

―核兵器禁止条約第1回再検討会議、国連総会を節目に世論と行動を発展させ、諸国政府、国連との共同をすすめよう。

―核兵器の非核国への不使用と威嚇の禁止、核兵器先制不使用、中東非核兵器地帯など非核地帯の創設・拡大・強化、朝鮮半島の非核化と平和体制構築の一体的追求、包括的核実験禁止条約の発効、核戦略をはじめAIの軍事利用禁止などを求めよう。

―反戦平和、軍事費削減と生活・生存への支出の拡充、外国軍事基地撤去、軍事同盟強化反対、枯葉剤など戦争被害者への支援、民主主義、人権、ジェンダー平等、原発ゼロ、気候危機をはじめとする環境保護などの運動との連帯をすすめよう。

これらの活動のあらゆる側面で、ジェンダー視点を貫こう。若い世代とともに、被爆者とともに、未来への希望を胸にきざみ、その実現のために力をあわせよう。

2026年8月4日

原水爆禁止2026年世界大会-国際会議