国家元首からのメッセージ

アイルランド共和国
マイケル・D・ヒギンス大統領からのメッセージ

アイルランド大統領

マイケル・D・ヒギンズ

原水禁世界大会に私の支持を表明する機会を頂き光栄に存じます。

広島と長崎にあの恐ろしい原爆投下が行われて79年が経ちましたが、核兵器のない世界を求める呼びかけを繰り返す重要性はよりいっそう高まっています。

 1945年、世界の国々は将来の世代を戦争の惨禍から救い、一つの民族、一つの世界としてとして団結して、平和に生きることを誓いました。そして今、私たちの未来はこの約束一つだけで保障されてきたことがわかりました。この約束を履行して、過去の誤りが繰り返されるのを確実になくすることが、私たちの義務であり、集団的責任なのです。

それにも関わらず、私たちは今軍国主義が外交に取って代わる時代に生きています。核リスクの高まり、核のレトリックに依存する危険が高まっています。その間にも危機は拡散し、想像できないほどの人的被害が生まれています。とても悲しい事態です。

 2017年にノーベル賞を受賞したICAN (核兵器廃絶国際キャンペーン)によると、核兵器関連の支出は最近5年間合わせて107億ドル増え914億ドルに膨れ上がっています。この間、核兵器には3870億ドル支出されています。これほどのお金が戦争準備に使われていなければ、どれほど多くのことが達成できたことでしょう。

私はアイルランド国民が長年にわたり貫いてきた立場について、ここで再び述べたいと思います。核兵器はわれわれに安全も平和ももたらしません。核兵器から安全を守る唯一の保証は、核兵器を完全になくすことである。

私は特に被爆体験を語り続けている被爆者の方々に敬意を表します。彼らは、軍縮をすすめる明確で説得力のある理由を示し、現世代と将来の世代を核兵器の惨禍から救おうとしているのです。被爆者の証言は核兵器使用の壊滅的、長期的影響を示す説得力ある直接の証拠です。核兵器使用は壊滅的な人道的結末をもたらし、それは世界的に影響を与え、どんなに資源を投入してもこのような兵器の使用に対しては、十分な人道的対応をすることはできません。

私たちは核兵器のない世界という目標に向かい、具体的な段階を踏んでいかなければなりません。核兵器禁止条約は国際社会が核兵器を拒否していることを明確に示すものであり、私たちの集団的義務を履行するための不可欠なステップです。わが国は、この条約で表明された大志を掲げ、国連総会第一委員会、核兵器禁止条約第3回締約国会議を含め、すべての軍縮プロセスにとりくむ決意です。この大会の精神に基づき、私たちは、ヒバクシャや核被害者を中心に置き、包摂的で協力的な環境をつくることを約束します。

世界大会と被爆者の力強さは、私たちが、核兵器のない世界の実現へ集団的努力を行う決意を新たにしなければならないことを教えています。いまこそ、世界大会の役割、草の根の運動、そして国際社会の活動は、将来の世代のために安全な世界をつくるうえで、決定的に重要です。皆さん、安心してください。アイルランドはこれからも核兵器のない世界の実現という約束を守り続けます。

世界大会が、その重要で緊急に求められている活動で成功を収められることを願っています。


ベトナム社会主義共和国
トー・ラム国家主席からのメッセージ

原水爆禁止2024年世界大会へ
連帯のメッセージ

ベトナム社会主義共和国
国家主席トー・ラム

日本原水協が2024年8月2日から9日まで広島と長崎で開催する原水爆禁止2024年世界大会の開催をお祝い申し上げます。ベトナム国家と人民を代表し、私自身の名において、大会参加のすべての皆様に敬意と心からのご挨拶を送ります。

1945年の原爆投下という悲劇から80年近くが経ちました。原水爆禁止世界大会や日本と世界の平和運動による絶え間ない努力は、1968年の核不拡散条約(NPT)と2017年の核兵器禁止条約(TPNW)の普及に大きく貢献してきました。これらの条約は、平和な世界と核兵器廃絶のためのたたかいに対する国際社会の認識と責任を高めることに寄与してきました。

しかし、世界と地域における現在の複雑で予測不能な進展、大国間の戦略的競争、軍事化と軍拡競争、一方的な武力行使と武力による威嚇、特にホットスポットにおける緊張の高まりは、数々のリスク、特に核兵器使用のリスクをもたらしています。

この点で私は、各国、特に核保有国によるTPNWの署名・批准を促進し、国際平和と安全保障、人類のための安全な環境を維持する義務を果たすよう核保有国に求め、国際法と国連憲章を遵守し、相互理解と尊重を基礎として、核兵器と大量破壊兵器のない平和な世界を築くための連帯と努力を再確認するのに、今年の原水爆禁止世界大会が大きく貢献することを期待します。

独立、自立、平和、友好、協力、発展、多国間主義、国際関係の多様化を謳い、包括的で完全な核軍縮を一貫して訴えるベトナム国家と人民は、日本と世界の平和運動に連帯し、核兵器廃絶の努力に賛同・参加し続けることを誓います。地域と世界に、平和で安定した、共同と繁栄の未来を共に築いていくことを固く信じています。

ベトナム国家と人民を代表して、原爆被害者、枯葉剤被害者とすべての戦争被害者に、改めて連帯と支持を表明します。独立と統一のための過去のたたかい、国家建設と防衛のための現在の努力において、ベトナムを支援して下さった日本と世界の諸組織、平和運動、平和を愛する人々に、心からお礼を申し上げます。

広島と長崎の皆さん、日本の皆さんに、私の心からの友情とご挨拶を送ります。大会参加の皆さんのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

大会の大きな成功を願っています。


ラオス人民民主共和国
トンルン・シースリット国家主席からのメッセージ

国家主席
トンルン・シースリット

ラオス人民民主共和国政府およびラオスの全民族の国民を代表し、2024年8月3日~9日に広島・長崎で開催される原水爆禁止 2024 年世界大会実行委員会および参加者の皆様に、心からのご挨拶とお祝いを申し上げます。

私は、2023年11月に開催された核兵器禁止条約(TPNW)第2回締約国会議が成功裏に終わったことを喜ばしく思います。特に、核兵器を禁止し、その壊滅的な結末を防止するための締約国の努力と誓約、ならびに条約と関連する国際文書を効果的に履行する決意を再確認する、いくつかの重要な文書が採択されたことをうれしく思います。

私は、原水爆禁止2024年世界大会が、核兵器のない世界の実現を目指して昨年の会議で採択した広島宣言に基づき、この問題に取り組む国際社会の努力と誓約を促進し、特に紛争において核兵器の使用の危険が高まっているもとで、対話と紛争の解決を求め、すべての参加者が率直かつ建設的な意見交換を行う重要な場としての役割を引き続き果たすと確信しています。

ラオス人民民主共和国政府および国民を代表し、原水爆禁止2024年世界大会が「核兵器のない世界」に向けて大きな成功を収めることを祈念いたします。

パトゥーサイ戦勝記念碑または戦勝門 ラオスのビエンチャン市の魅力的なランドマークのひとつ。