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反核平和運動・原水爆禁止世界大会

日程よびかけ国際会議宣言 広島特別決議
広島決議
長崎決議ニュース

 

原水爆禁止2006年世界大会

国際会議宣言

「ヒロシマ・ナガサキをくりかえすな!」—原爆投下から60年余、この被爆者の声は人々の心を動かし、世界中で反核・平和の行動がくりひろげられてきた。草の根からの運動と世論の力はいくたびも核兵器使用の手をおさえ、さらにいま自治体、諸国政府の努力とあいまって、核兵器廃絶をもとめる大きな流れを創りだしている。この力をさらに強め、核兵器のない世界を実現しよう。

いまもなお世界には、27,000発もの核兵器が蓄積・配備されている。核兵器はどの国が保有するものであれ、人類の生存を脅かす。その廃絶は依然として緊急課題であり、次の世代に安全で平和な世界を受け渡すための前提である。

世界の軍事費の半分近くを占め、世界中に軍事基地を置き、イラク戦争で先制攻撃政策を実行したアメリカは、「テロや拡散の阻止」を口実に「長期戦争」を戦うことを打ちだした。その重要な柱として、核兵器の使用を公式の方針とし、新たな核兵器の開発や「ミサイル防衛」計画を推進している。昨年のNPT再検討会議や国連サミットでは、核軍縮をとりあげることにさえ反対し、核兵器廃絶を拒否しつづけている。核兵器使用のたくらみをはばみ、核兵器廃絶への確かな道をきりひらくため、逆流を打ち破り、さらに前進しなければならない。

 新たな核保有・拡散は、もちろん認めることはできない。しかし、自らの核保有を正当化し、特定の国々への拡散を容認しながら、武力や核脅迫によって「テロや拡散」に対抗しようとする核兵器国の欺瞞と危険は明白である。核兵器の廃絶こそが、「核拡散の危険」にたいする根本的な代案である。

我々は、核兵器全面禁止条約の締結と、そのための交渉のすみやかな開始を強く要求する。核兵器の使用も選択肢にした先制攻撃や、そのための外国軍事基地の再編・強化などを許さず、国連憲章にもとづく平和の秩序を擁護・確立することも急務である。

我々は、自治体、諸国政府と共同し、核兵器廃絶のために、国際社会とりわけ国連が実効ある一歩を踏み出すことを強くよびかける。

国連第1号決議は、各国の軍備から核兵器を一掃することを決意した。2000年5月、核保有5カ国は、「自国の核兵器の完全廃絶」を明確な約束として受け入れた。「将来の世代を戦争の惨害から救う」ために設立された国連は、これらの決意と合意をただちに実現するために、その任務をはたすべきである。

我々は、すべての政府に、国連総会での核兵器全面禁止条約締結をもとめる決議の採択をよびかける。また、第4回国連軍縮特別総会の開催や「国連核廃絶の10年」の提唱など核兵器廃絶につながるイニシャティブを歓迎する。

草の根からの運動と国連をむすぶ「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名をはじめ、世界各地で多様な活動をくりひろげよう。各国で、自国政府への働きかけを強めよう。

 強大な軍事力によって世界を支配しようとするやり方は、もはや通用しない。大国の横暴を許さない諸国民の多様な運動が大きく発展している。

核兵器廃絶の声が、新たな広がりを見せている。イラク占領のゆきづまりのもとで、米国内でも戦争政策への批判が高まっている。深刻さを増す中東・西アジアの状況に、イラク占領の終結、イラン問題の話し合いによる解決、レバノンでの即時停戦など紛争の平和解決をもとめる声が強まっている。「新自由主義」政策の矛盾が深まるなかで、大国の経済的支配に反対する動きも拡大している。

「核兵器のない平和で公正な世界」は圧倒的多数の人々の共通の願いである。反戦、基地撤去、核実験被害の救済、劣化ウラン兵器の使用禁止、枯葉剤など戦争被害の救済、経済的公正、軍事費削減と社会保障の充実、社会的平等、女性の権利、環境保全などをもとめる多様な運動と連帯し、核兵器廃絶をせまる世論と運動を築きあげよう。

日本の運動は被爆者とともに、核兵器廃絶を国民の声として、ねばり強く行動を組織し、若い世代に継承してきた。そしていま、戦争放棄と戦力不保持をうたった日本国憲法第9条をまもろうとする運動が、日本全国で急速に発展している。9条への国際的な共感も広がっている。我々は、アメリカとともに海外で戦争のできる国にする動きに反対し、「核の傘」からの離脱をめざす日本国民の運動と堅く連帯する。

被爆者は「自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意」(日本被団協結成宣言)にたって、核の惨禍の危険を人類に警告するために、その苦痛に満ちた人生を捧げてきた。

この被爆者のねがいと決意を受け継ぐ多くの若者の姿は、明日への希望である。被爆者とともに、そして若い世代とともに、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざす世界的な運動をさらに大きく前進させよう。

ノーモア・ヒロシマ!ノーモア・ナガサキ!ノーモア・ヒバクシャ!

2006年8月4日
原水爆禁止2006年世界大会国際会議

原水爆禁止2006年世界大会−広島 特別決議

政府に被爆者政策の抜本的転換を要求する

原爆症認定集団訴訟広島地裁勝利判決をうけて

 61年目の原爆投下の日を前に、被爆地広島でたたかわれてきた原爆症認定集団訴訟で、原告41人全員勝利の判決を手にすることができた。病気や傷害が原爆のせいであることを認めてほしいという申請が却下され、苦難をかかえながら裁判に立ちあがった被爆者の、「国の認定却下は不当」という訴えが認められた。広島をはじめ全国の原告のみなさんとともに、この勝利の喜びを力に、被爆者政策の抜本的転換を要求する国民的な運動をまきおこそう。

 大阪地裁での9人の原告全員勝利につぐ今回の判決は、国の認定却下の不当性を重ねて明らかにした。判決は、残留放射線の影響を考慮していない現在の認定基準は、「一応の単なる判断の目安」にすぎないとし、その機械的な適用を厳しくいましめた。

 認定裁判で9回も敗北を重ねた政府は、今度こそ非を認めるべきである。判決を受け入れ控訴しないこと、大阪地裁判決についても控訴をとり下げることを強く要求する。そして、これまでの判決がくりかえし指摘したように、被爆状況や健康状況などを全体的・総合的に判断するよう、原爆症認定行政の抜本的見直しをすみやかに行うべきである。

 いまなお原爆投下を正当化するアメリカの戦争と核兵器使用政策を容認し、それに協力する日本政府の姿勢こそ、原爆被害を直視しない根本的な要因である。原水爆禁止世界大会は、「ふたたび被爆者をつくるな」の願いを原点に、核戦争阻止、核兵器廃絶、そして原爆被害への国家補償を求め、世論と運動を広げてきた。この願いの実現にむけ、被爆者とともに、さらに大きく前進しよう。

2006年8月6日
原水爆禁止2006年世界大会−広島

 

 

 

原水爆禁止2006年世界大会−広島決議

広島からのよびかけ

ヒロシマーそれは、人びとの祈りと行動が交差する街。
ヒロシマーそれは、人類生存への決意と希望、そして平和の象徴。

 1945年8月6日、アメリカの投下した原爆の巨大な火の玉は、瞬時にして街と人を焼きつくし、数ヶ月のうちに10数万の生命を奪った。その地獄を生きのびた人びとの身にも、目に見えぬ放射線は容赦なく襲いかかり、60余年を経たいまも、苦しみが消えることはない。あの地獄を誰の上にもくり返えすな—被爆者の叫びは、人びとの心を動かし、「核兵器なくせ!」の世論と運動は全世界に広がって、核兵器廃絶を求める大きな流れをつくりだしている。

 核兵器の脅威は、いまも消え去ってはいない。アメリカは、「テロや拡散の阻止」を口実とした先制攻撃と核使用の計画を推進し、被爆国日本をその出撃拠点にしようとしている。在日米軍の再編・強化、憲法9条の改悪がたくらまれ、日本をアメリカとともに海外で「戦争のできる国」にしようとする動きが強まっている。

いまこそ長年にわたる原水爆禁止運動の経験を活かし、被爆国であり、憲法9条をもつ日本が、アジアと世界の平和に貢献する道を進むよう全力をつくそう。原水爆禁止2006年世界大会−広島に集った私たちは、「核兵器のない平和で公正な世界」「憲法9条の輝く非核・平和の日本」をめざし、草の根からの運動と共同を広げるようよびかける。

◇国連とすべての国の政府が核兵器全面禁止条約締結のための協議をすみやかに開始すること、日本政府がアメリカの「核の傘」から離脱して、被爆国にふさわしいイニシアチブを発揮することを要求しよう。草の根からの世論を10月の国連総会をはじめ国際政治へとつなぐ「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名を全国の地域・職場・学園で旺盛に取りくみ、さらに世界に広げよう。非核三原則の厳守・法制化、非核自治体宣言を求める運動を強めよう。

◇「憲法9条を守れ」の運動をいっそう大きく発展させ、全国津々浦々から国民的共同を広げよう。横須賀・座間・岩国・沖縄など、自治体・住民ぐるみで発展する米軍基地再編・強化反対のたたかいをさらに強め、全国的連帯を広げよう。

◇被爆者の願いと決意を受け継ぐ若い世代とともに、被爆証言活動、「聞きとり、語り伝え」運動、原爆展や原爆パネルの普及、文化的活動やインターネットの活用など、創意工夫して被爆の実相を広げよう。これまでの勝利を確信に原爆症認定集団訴訟への支援をいっそう強めよう。「世界遺産・原爆ドーム」を守り、原爆遺跡を保存しよう。

 私たちはいま、日本の平和をめぐる歴史的な岐路に立っている。日本の反核・平和運動の果たす国際的役割を胸に、被爆者とともに、新鮮な感性に満ちた若い世代と経験豊かな世代が堅くスクラムを組んで、さらに大きく前進しよう。

2006年8月6日
原水爆禁止2006年世界大会−広島

 

原水爆禁止2006年世界大会−長崎決議

核兵器全面禁止条約締結へ
すみやかな交渉開始を

ー国連とすべての加盟国政府への手紙ー

 人類がはじめて核兵器の地獄を体験した広島と長崎に集った我々は、国連とすべての加盟国政府が「核兵器のない平和で公正な世界」の実現のために行動するよう強く要望する。

 きょうもなお、国家の理不尽な武力と暴力による応酬が、市民の命を奪っている。誰もが戦火の拡大と新たな衝突に不安を募らせている。国連は、「言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救う」決意(国連憲章)を想起し、紛争の平和的解決のために全力をつくすべきである。

 広島と長崎への原爆投下から61年、深刻な放射線障害をはじめ、被爆者の苦しみは消えることはない。あの惨劇を決してくり返してはならない。核兵器の使用は、人類に対する犯罪である。

 一部の大国が、「テロや拡散の阻止」を口実に核兵器すら使うことを検討し、新型核兵器を開発しようとしていることを、我々は強く懸念する。いかなる理由であれ、新たな核保有の試みも受けいれることはできない。人類の生存を保障し、諸国民の安全を確保する唯一の道は、核兵器を全面禁止し、廃絶することである。

 国連が「原子兵器の各国の軍備からの廃絶」(国連第1号決議)を誓い合って、すでに60年が経った。我々は半世紀にわたり、核兵器廃絶を訴えてきた。この声は、同じ目標をめざす諸国政府の努力ともあいまって、いまや世界の大きな流れとなっている。国連総会は、いくたびも圧倒的多数の支持のもと、核兵器廃絶の目標を確認してきた。その実現は、核兵器国の決断と、諸国政府の行動にかかっている。

 我々は、来るべき国連総会が、核兵器全面禁止条約の締結を主題とした決議を採択し、交渉をすみやかに開始すること、そのためにあなた方が尽力することを強く要請する。第4回国連軍縮特別総会の開催など、核兵器廃絶につながる様々なイニシアチブを歓迎する。

 我々は被爆者とともに、あなた方が核兵器廃絶への実効ある一歩を踏みだすことを強く訴える。市民の運動、自治体、諸国政府がともに力をつくすならば、国連憲章がめざす平和で公正な世界秩序への展望は必ず切りひらかれる。貴国政府の勇気ある行動を要請するものである。

2006年8月9日
原水爆禁止2006年世界大会−長崎

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