第352回常任理事会(2025年9月20日~21日)決定
核戦争阻止、核兵器廃絶を求める壮大な行動を
「国際会議宣言」を力に核抑止を打ち破る先頭に
はじめに
被爆80年・原水爆禁止2025年世界大会の成功のために、猛暑の中で奮闘された各中央団体、全国の原水協、すべての大会参加者のみなさんに心から敬意を表する。
広島と長崎を主会場とした今年の世界大会には、国際会議(8/3~4)280名、被爆80年広島のつどい(8/4)2600名、ヒロシマデー集会(8/6)3550名、被爆80年長崎のつどい(8/7)2600名、ナガサキデー集会(8/9)3900名、のべ1万2000名以上(オンラインを含む)が参加し、大きな成功をおさめた。
全国各地で大会報告会がなされ、「核使用の危険が迫っていることを自覚しなければならないことを改めて感じた」「被爆者の訴えが心にささった。何かしなければと強く思った」「欧州左翼の国会議員の参加など、世界とつながり希望がもてた」「意見書決議採択へ、請願署名をいますぐはじめる」など、大会の感動や決意が次々と語られ、秋の行動への意欲がひろがっている。
世界大会から1か月半。国連総会がはじまり、国連憲章に基づく国際秩序の再建と強化、2026年4月の次回NPT再検討会議を前に、核兵器の不使用や核兵器廃絶を求める議論も高まっている。日本では、参議院選挙後の新たな情勢のもとで、“反動ブロック”の危険な動きと対決し、平和・民主主義を守り発展させる新しい国民的・民主的共同がはじまろうとしている。
「国際会議宣言」を力に、国連憲章擁護と核兵器廃絶を実現する国際的共同の前進、核兵器禁止条約の日本の参加をめざし、「非核日本キャンペーン」の国民運動など日本原水協の役割はますます重要となっている。創立70年の歴史と伝統に立ち新たな前進をきりひらこう。
常任理事会は、2025年世界大会の成果をふまえて、2026年をたたかう展望と課題を明らかにし、当面の行動計画を決定する。
2025年世界大会の特徴と成果(詳細は別紙参照)
今年の大会はなによりも、さまざまな逆流もある複雑な内外情勢のもとで、「核兵器のない平和で公正な世界」への希望と展望を示す大会となった。その内容は、国際会議で採択された宣言「被爆80年―いまこそ決断と⾏動を」に凝縮されている。とりわけ、核兵器禁止条約とそれを力にした世界の流れとともに、国連憲章にもとづく平和秩序を求める動きの二点で、「危機を乗りこえ、前進する確かな展望」(「国際会議宣言」)を、新たに明らかにした点が重要である。ガザやウクライナなどにみられる無法な侵略と戦争、武力行使に対し、力による自国の利益追求ではなく、国連憲章にもとづく秩序の再興こそが世界の平和と安全を実現する道であること、核兵器廃絶をめざす運動は、その重要な一環であることの位置づけが明確にされたことも重要である。
被爆80年と日本被団協のノーベル平和賞受賞のもとで、世界の反核運動の中で、国連、各国政府、国会議員、核保有国と核依存国をはじめとする各国の運動(労働組合、女性団体、青年など)、そして全国の草の根からの代表がひろく結集し、こうした方向を一致して確認したことは大きな意義がある。
大会は、被爆80年のいまこそ世界は核兵器の廃絶を決断し行動すべきであるとし、核戦争阻止と核兵器廃絶を求める壮大な行動を展開するよう世界によびかけた。「国際会議宣言」はその具体的行動として、「ヒロシマ・ナガサキの被爆の体験と実相を受け継ぎ、ひろげることを運動の中心にすえて、核兵器廃絶を共通課題とする行動を世界各地で多様にくりひろげる」こと、核兵器禁止条約への参加を求める世論の喚起、とりわけ核保有国と同盟国での運動の発展を強調し、2026年の核不拡散条約(NPT)再検討会議にあたって、国際共同行動をおこなうことをよびかけた。これは、世界の反核平和運動の結集と諸国政府との共同を発展させ、逆流を乗りこえ前進する重要な意義をもっている。被爆国の運動として先頭にたって推進しなければならない。
大会は、市民社会と政府・国会議員との共同の新しい展望を示した。国連、政府代表のスピーチは、核兵器廃絶への強い決意と、大会への力強い連帯メッセージとなった。中満泉国連軍縮問題担当上級代表は、大会参加者に「皆様の核兵器のない世界へのゆるぎない献身は、この時代に必要な希望、勇気、良心の灯火」であると称え、深い感動を与えた。欧州の左翼政党から国会議員、欧州議会議員がはじめて参加し、核兵器廃絶、国連憲章の平和構築、大軍拡反対、排外主義反対などでの国際連帯がひろい視野と知見をもって縦横に議論されたことで、大会議論の幅が大きくひろがった。
大会は、核兵器禁止条約第3回締約国会議の議論も受けて、「核抑止力」論批判について新たな解明をおこなった。「国際会議宣言」は、これまで通り「核抑止」が、「ヒロシマ・ナガサキの再現を前提にした政策であり、人道的、道義的に決して許されない」ことを強調し、そのうえで、「『核抑止』政策の『失敗』『誤作動』は、国境をこえた破滅的結末をもたらす」と述べ、「『核抑止』で安全を保障される国はない」と、安全保障の観点からも「核抑止」論を批判した。この新しい提起は、核保有国と核依存国でのたたかいにとって、また「安全保障環境の悪化」を理由に「核抑止力」強化を図る日本政府の欺瞞を打ち破る重要な提起である。
大会は、被爆80年にあたって被爆の実相と被爆者運動の歴史を学びひろげることを特別に重視する、特別プログラムを設けた。「被爆体験の継承と未来」(広島8月4日、長崎8月7日)は、被爆の実相を証言や映像で明らかにするとともに、日米両政府が被害を隠蔽した終戦後10年間から禁止条約成立までの被爆者運動の歴史が紹介され、海外代表を含めて大会参加者に大きな感動を与えた。被爆の実相と被爆者のたたかいの歴史を知ることが、決意と行動を促す大きな力であることを示した。
- 大会成功をささえた原水協の活動
日本原水協は、核大国の横暴を許さず、核兵器のない世界を実現するために、核保有国と核依存国でのたたかいが焦点となるもとで、国際活動においても、国内の運動でもたたかいの先頭に立って奮闘した。これらの活動は被爆80年の世界大会成功の土台となった。
国際活動においては、被爆者の声をひろげ、核兵器廃絶と核兵器禁止条約の参加の世論を高めることを目的にして、1月にノーベル平和賞を受賞した日本被団協の田中重光代表委員をスペインとフランスに、5月に広島県被団協の佐久間邦彦理事長をドイツ、フィンランドに派遣した。3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議には、日本原水協代表団を派遣した。核抑止力批判、市民社会の役割、核被害者への支援、国際的な行動を提起した日本原水協の声明は、政治宣言のすべてにかみあい、会議の成功に貢献した。また、4月の核不拡散条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会に代表を派遣し、準備委員会が次回再検討会議に対し、NPT第6条と核兵器廃絶につながるこれまでの合意を履行するよう一致して勧告し、あわせて核兵器禁止条約の普遍化を促すことを求める日本原水協の声明を届け、NGOセッションで発言した。
世界大会後、9月に「非核平和の東アジアへ日韓連帯代表団」を派遣し、現在朝鮮半島と東アジアが直面する問題で、朝鮮半島非核化、非核平和の東アジアの実現しか解決策がないことを訴え、そのためにも、紛争の平和的解決、日韓政府の核兵器禁止条約参加、被爆の実相普及、被爆者の援護・連帯で日韓共同を交流し、前進させることができた。
国内のたたかいでは、アメリカのトランプ政権いいなりの石破自公政権による大軍拡路線を阻止し、憲法9条に基づく平和外交、「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准する政治を求めて全力を尽くし、大会成功に大きく貢献した。
とりわけ、世界大会にむけた中心行動としてとりくんだ「非核日本キャンペーン」のとりくみは、「核抑止力」論への批判、核兵器禁止条約への参加を参議院選挙の争点に押し上げ、政権与党を追い詰める重要なとりくみとなった。
日本被団協のノーベル平和賞受賞で変化した情勢をとらえ、街頭では被爆者とともに「核共有ではなく核兵器禁止を」「日本政府は核兵器禁止条約に参加を」と積極的に宣伝・署名行動を展開した。被爆者の証言、原爆展・「高校生の絵」展の開催、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める自治体意見書決議は全自治体の41%、726自治体へと前進させた。被爆者でノーベル平和賞の受賞スピーチをおこなったサーロー節子さんと田中煕巳さんのメッセージを掲載した新聞意見広告キャンペーンには8000人以上が参加し、核兵器禁止条約採択8周年記念日(7月7日)に発行部数334万の「朝日新聞」に掲載した。
2025年国民平和大行進は、全国の原水協(実行委員会)が被爆80年にふさわしい行進にと奮闘し、過去最高のペナントに示される支持・賛同のひろがり、沿道での共感をひろげ、被爆者の証言、原爆展の開催や被爆の実相を伝え、署名を集め、自治体との協力・共同を前進させて、広島、長崎の世界大会に結集し成功に貢献した。
- 大会後の情勢の特徴点
1)アメリカ、ロシアなど核保有国による国連憲章も国際法も踏みにじる、力による支配への暴走が世界の危機をいっそう深刻にしている。一方で今年の世界大会に示されるように、この危機を乗りこえる新たな国際連帯がひろがろうとしている。核兵器禁止条約への参加を求める世論の喚起、とりわけ核保有国と同盟国のもとにある国民の運動の発展こそ、いまの危機を打ち破るカギを握っている。アメリカでも、イギリス、フランス、ベルギー、ドイツでも、この日本でも、核兵器禁止条約を支持する世論は多数となっている。この世論をさらに発展させ、核保有国に迫るために、「国際会議宣言」がよびかけた「核戦争阻止と核兵器廃絶を求める壮大な行動」に、被爆国日本の運動が先頭に立って奮闘することが求められている。
2)イスラエル政府によるパレスチナ自治区ガザにおけるジェノサイド(大量虐殺)の一刻も早い停止と恒久的な停戦、パレスチナ国家の創設を含め、国際法と国連決議にもとづくパレスチナ問題の公正で平和的な解決が強く求められている。国連総会は9月12日、パレスチナの国家承認とイスラエルとの2国家共存を支持する「ニューヨーク宣言」を国連加盟国の7割を超える142か国の賛成多数で採択した。国連人権理事会は9月16日、イスラエルがガザ地区で「ジェノサイド」をおこなったと認定する報告書を発表した。イギリス政府はG7では初めてパレスチナの国家承認をするなど、承認国は150か国になろうとしている。日本原水協として、イスラエルによるジェノサイドを糾弾し、即時停止を求めるとともに、日本政府がパレスチナの国家承認を表明するよう強く要求する。
8月28日、北大西洋条約機構(NATO)は加盟32か国すべてが2025年以内にGDP比2%以上の防衛費目標を初めて達成する見通しであると発表した。総額は1兆5900億ドル(約234兆円)規模に達する見込み。米トランプ政権の圧力に屈して石破政権は2027年でGDP比2%(約11兆円)の大軍拡をすすめようとしている。「膨大な軍事費の増大をくい止めることは、平和とくらしを守る重要な課題」(「国際会議宣言」)となっている。
3)7月20日の参議院選挙で、石破自公政権に国民の厳しい審判が下され、昨年12月の総選挙で30年ぶりに過半数割れを喫した与党が、参議院でも過半数を割り、戦後はじめて与党が衆参両院で少数に転落した。この根底には、裏金問題や物価高に対する無策などに対する批判とともに、日米同盟第一や核兵器禁止条約に背を向ける被爆国にあるまじき姿勢、憲法9条を敵視する軍事優先など、長年にわたる自民党政治への国民の不信がある。2月の全国理事会が明らかにしたように、国民が新しい政治を探求し模索する「新しい政治プロセス」がはじまっており、それは「戦争国家」路線を阻止し、憲法9条に基づく平和外交、「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准する政治に転換する可能性を開いている。
同時に、一方で自民・公明の与党とその補完勢力によるブロックが形成され、国民生活破壊、大軍拡の暴走、憲法と民主主義のじゅうりん、ジェンダー平等への逆流など、日本の政治に深刻な逆行をもたらす危険も生まれている。参議院選挙の結果、極右・排外主義を主張する勢力が議席を得ることにもなった。
4)この間、石破自公政権は、米国トランプ政権の中国包囲の戦略に協力・加担し、日米両政府による「拡大抑止協議」で核使用を想定した訓練の実施を否定せず、「抑止力たりうるためにいろいろな想定がなされるのは当然」(8月5日、同)として、米国による核兵器使用態勢づくりをはかっている。
重大なことは、米国の「拡大抑止」を強化するために大軍拡がすすめられていることにある。8月7日、宮崎県の航空自衛隊新田原基地に米国製のF35Bステルス戦闘機3機が配備され、8月29日には、射程1000キロ以上の国産の長射程ミサイルを熊本の陸上自衛隊健軍駐屯地をはじめ6県の基地に配備することを防衛省が発表した。9月11日から米海兵隊と陸上自衛隊による最大規模の共同訓練が開始され、長距離巡行ミサイル・トマホークを搭載する発射システム「タイフォン」を初めて展開する対艦戦闘訓練もおこなわれる。これら「敵基地攻撃」能力の増強は、米軍の核攻撃態勢と一体のものである。「国際会議宣言」が明らかにしているように、「核抑止」政策の「失敗」「誤作動」は、国境をこえた破滅的結末をもたらし、「核抑止」で安全を保障される国はない。
逆流を打ち破って前進するカギは、世論と運動、国民的共同の発展にある。その条件は大きく存在している。核兵器禁止条約への支持は世論調査で7割を超え、アメリカからの自立外交を68%が求めている。核兵器禁止条約の署名・批准を求める自治体決議は全自治体の4割を超えて727にひろがっている。核兵器の非人道性を国民的にひろげ、日本政府がふりまく「核抑止力」論を払しょくし、署名を通じて主権者である国民一人ひとりの意思を結集する「非核日本キャンペーン」の運動と、日本被団協、原水禁、原水協三者で発表した共同アピールを力に国民的共同を発展させ、被爆国にふさわしい政治を切り拓こう。
4、 当面の行動計画
世界大会後の情勢は、世界と日本での運動の重要性を示している。情勢の前進的な打開にとって日本原水協の役割は決定的である。「核兵器のない世界」実現の確かな展望と運動方向を示した世界大会の成果をトータルに学び、活動の生きた力となる「国際会議宣言」の学習を中心にすえ、確信をつちかい、秋の行動にふみだそう。
大会参加者の報告会の開催とあわせて「国際会議宣言」を学びひろげる。世界大会報告集「原水爆禁止2025年世界大会の記録」の普及、「原水協通信」9月号の活用を重視する。
(1)核戦争準備の手を縛り、核兵器廃絶、外交による平和を促進する国際的共同の推進
①2026年NPT再検討会議(4月27日―5月22日、ニューヨーク)にむけて、核兵器廃絶の合意実行、「核抑止力」論の打破、核兵器のない世界の達成のために、世界的な共同行動をよびかけ促進する。
*P5(NPT上の5つの核兵器国)に対し、「核軍備撤廃」の明確な約束実行、核兵器使用と威嚇の放棄、6条に基づく核軍備撤廃の交渉の開始を求める世界諸国民の運動の共同要求をよびかける(具体的に検討する)
*各国、とりわけ核保有国や核依存国での、国際的に連携した世論喚起の行動、被爆者遊説に共同でとりくむ。秋のとりくみとして、フランス平和運動の要請を受け、日本被団協と共同で南仏被爆者遊説ツアー(11月20日~30日予定)をおこなう。今年1月に続き、フランス平和運動は、被爆証言をひろげ、フランス政府に核兵器禁止条約参加を迫るキャンペーンを計画、国際連帯行動としてとりくむ。また、オンラインでの「『核抑止力』論批判:核抑止政策の危険な実態と違法性を告発する」などの国際セミナーの開催、NPTニューヨーク行動についての協議を開始する。
②NPT、核兵器禁止条約の第1回再検討会議(2026年11月)に向けたとりくみ
核兵器禁止条約の世界的促進、核保有国や依存国での共同のとりくみ、政府と市民社会との共同、被爆者・核被害者救済などの行動を提起する。
③朝鮮半島非核化や非核平和の東アジアの実現に向けた「日韓連帯代表団」(9/9~13)は、韓国最大の運動団体、120万人の組合員を擁する民主労総主催の日韓被爆者証言集会の開催、13のNGOや社会団体が集まり日韓運動交流会をおこない、この課題について新たな段階の共同の契機にすることができた。原水協代表団は、現在の危機を解決するためには、朝鮮半島非核化、非核平和の東アジアの実現しかないことを強調。そのために、被爆の実相普及、紛争の平和的解決、「核抑止力」論の打破、日韓政府の核兵器禁止条約参加を通じて、国民世論を高めようとよびかけた。これに応え、「非核日本キャンペーン」に学び、「『非核朝鮮半島キャンペーン』をやる」との意見も出て、核兵器禁止条約への理解と支持をひろげ、共同を前進させ、韓国の被爆者の援護・連帯に貢献できた。これらの成果をふまえて、さらに共同・連帯を発展させる。
(2)核兵器禁止条約に参加する日本を-「非核日本キャンペーン」を国民運動へ
核兵器の非人道性を国民的にひろげ、日本政府がふりまく「核抑止力」論を払しょくし、署名を通じて主権者である国民一人ひとりの意思を結集する「非核日本キャンペーン」のとりくみがいっそう重要になっている。
被爆の実相をひろげることは、「核抑止力」論を打破する大きな力を発揮し、日本政府を追いつめることになる。「非核日本キャンペーン」を文字通り国民運動に発展させるため、これまでの運動をバージョンアップし全国的行動としてとりくもう。
【すべての原水協で「被爆体験を語る集い」の開催を】
被爆体験の普及を原水協自体のとりくみとしてひろげる。
この秋から来年4月のNPT再検討会議までの半年間、すべての原水協で「被爆体験を語る集い」の開催をめざす。「集い」の内容は、8月4日広島、7日長崎の特別集会「被爆体験の継承と未来」を参考に、被爆の実相と被爆者のたたかいの歴史に焦点をあてる。そのとりくみをさらにすべての自治体、地域・職場・学園にひろげよう。
同時に、被爆の実相をひろげる「原爆展」「原爆の絵展」のとりくみを地域・職場・学園の草の根で6の日、9の日、禁止条約発効日(22日)など、日常的なとりくみにひろげよう。
【署名のとりくみを強めよう】
上記のとりくみと並行して、日本被団協の署名、高校生署名などとの協力、階層ごと、市民運動と協力した署名運動に発展させよう。
また、4割を超えた日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める自治体意見書採択自治体に、庁舎・公民館などへの署名コーナーの設置、町内会、自治会を通じての住民ぐるみ・市民ぐるみの署名を働きかけよう。
核兵器廃絶国際デー(9月26日)、国連軍縮週間(10月24日~30日)、新年行動、核兵器禁止条約発効5周年(1月22日)を節目に、当面500万を目標に署名にとりくもう。
【自治体意見書のとりくみ】
全自治体の意見書採択、当面12月議会での過半数突破(あと168)をめざし、意見書採択をめざす自治体を明確にして、市民の共同(住民の声を伝える陳情、請願署名など)、首長、議会議長、議員への働きかけをおこなおう。その際、「核抑止力」論への批判を重視し、世界大会「国際会議宣言」、世界大会記録集、「原水協通信」9月号、湯崎広島県知事のあいさつ(8月6日)などを活用しよう。
(3)国民的共同を前進させよう
核兵器使用の破滅的結末、核兵器の非人道性を訴え、核兵器禁止・廃絶の世論をひろげることは、原水爆禁止運動と被爆者の重要な役割であり、今年の世界大会はその役割を果たす重要な機会となった。
その成果をさらに発展させるために、日本被団協、原水禁、原水協三者で発表した共同アピールに応えた行動にとりくもう。
共同アピール「被爆80年を迎えるにあたって―ヒロシマ・ナガサキを受け継ぎ、ひろげる国民的なとりくみをよびかける」は、被爆80年を迎えるにあたって、広島と長崎の被爆者の根本要求である核兵器廃絶と原爆被害への国家補償の実現を、改めて日本国民すべての課題として提起し、思想、信条、あらゆる立場の違いをこえて、被爆の実相を受け継ぎ、核兵器の非人道性を日本と世界に訴えていくことをよびかけた。
広範な国民にささえられ、運動を前進させてきた原水爆禁止運動の原点に立って、共同アピールにもとづく国民運動を草の根からひろげよう。被爆者を運動の真ん中にして、被爆の実相をひろげる行動をすすめよう。
共同アピールにもとづく具体的行動として、11月下旬(日程調整中)にとりくまれる日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名の共同提出と議員会館前集会を、すべての中央団体、都道府県・地域原水協の力を結集し、国民共同のとりくみとして大成功させる。
(4)被爆者援護・連帯活動の強化
① 原爆被害への国家補償(死没者を含む被害者への償い)は、すべての戦争被害者と日本国民の課題であり、国家補償を求める被爆者のたたかいを支援する。
被爆者の実情、要望を聞き、支援のためのネットワークをつくる。被爆者援護・連帯募金のとりくみを成功させる。
被爆者健康手帳の取得、原爆症認定、広島「黒い雨」の被害者と長崎「被爆体験者」への全面救済を求めるたたかいを支援する。高知県のビキニ被災船員のたたかいを支援する。
被爆・戦後80年企画「核兵器も戦争もない世界を求めて~記憶を受け継ぎ未来へ~」(10月11日)を共同のとりくみとして成功させる。
日本の戦争・植民地支配、被爆により二重、三重の苦しみを経験してきた韓国人被爆者への支援・連帯が、緊急に求められている。韓国人被爆者の被害の実態の解明、実相普及が、被爆者への正義・補償のためにも、朝鮮半島非核化・非核平和の東アジアの実現へ役割を果たす。
10月5~6日、広島で開催される「世界核被害者フォーラム」(「核兵器廃絶をめざす広島の会」HANWA/マンハッタンプロジェクト共催)に協力してとりくむ。
(5)大軍拡・戦争国家ストップ、9条改憲阻止、原発ゼロ、日本平和大会の成功を
大軍拡阻止、「戦争法」の廃止、憲法を生かした平和外交、オール沖縄のたたかいに連帯し、沖縄・南西諸島や本土への長射程ミサイル配備、辺野古新基地建設など米軍基地と自衛隊基地強化に反対する。「2025年日本平和大会㏌愛知(10/25~26)」を大軍拡阻止、核兵器禁止条約への日本の参加、憲法にもとづく平和外交、核兵器のない、国連憲章に基づく平和なアジアと世界の実現をめざす全国集会として成功させる。
緊張と分断を深刻化させ、対立を煽る排外主義に反対し、平和と民主主義を守る共同を内外で発展させる。
日米両政府による非核「神戸方式」への攻撃を許さず、守り伝え、港湾、空港の軍事化と核持ち込みを許さない市民世論をひろげる。
原発事故被災者への支援を続ける。プルトニウムや原発技術を日本の核保有と結びつける原発擁護論が繰り返されている。政府の原発推進、エネルギー政策に反対するたたかいを強める。
(6)原水協組織の確立・強化
①核兵器をめぐる情勢、「核抑止力」論批判など焦点となる問題について学習・討論を重視する。
②会則にもとづく機関運営を重視する。世界大会の代表と結びつきを強め、賛助会員・個人会員、ボランティア・協力者を組織しよう。事務局体制の確立をはかる。
機関紙である「原水協通信」の魅力ある紙面づくりとともに、発行を維持するために、日常的な読者拡大にとりくむ。SNSを活用した情報発信を強化する。
③世界大会でつながった青年・次世代との結びつきを維持するために、Zoomを活用したオンライン交流会を開催する。青年・学生・高校生のおかれている現状、つながりなど出し合い、何ができるか機関会議で検討しよう。高校生平和ゼミナール活動、高校生の自主的なとりくみを支援する。
④全国の原水協活動の結集点として2026年3・1ビキニデー日本原水協全国集会を位置づけ、市区町村・地域原水協の結成、活性化をはかる。
(7)被災72年3・1ビキニデー、原水爆禁止2026年世界大会にむけて
①被災72年3・1ビキニデーの日程、持ち方、規模などについて検討をはじめる。予定される日程は、2月27日(金)国際交流会議、28日(土)日本原水協全国集会、3月1日(日)被災72周年3・1ビキニデー集会(会場:大井川文化会館)。
②原水爆禁止2026年世界大会を成功させる。広島を主会場として全国的結集をはかる。
【想定される日程】
国際会議(8/3~4)、世界大会-広島・開会総会(8/4)、フォーラム・分科会・動く分科会(8/5)、閉会総会・ヒロシマデー集会(8/6)、世界大会-長崎・交流フォーラム(8/8)、ナガサキデー集会(8/9)
(8)年末財政、2026年版ちひろカレンダーの完全普及を
2026年の運動と活動をささえるために、ちひろカレンダー9万2000本の完全普及、被災地へのカレンダー贈呈運動、年末財政を成功させる。
以上