ビキニ水爆被災70年から被爆80年へ
― 非核の日本をめざす全国キャンペーン
(略称:非核日本キャンペーン)
実施要項

2024年2月4日 原水爆禁止日本協議会

 1954年3月1日、中部太平洋ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験の犠牲を悼み、原水爆禁止の国民的運動の誕生と発展を記念し、日本原水協は、「ビキニ水爆被災70年から被爆80年へ ―非核の日本をめざす全国キャンペーン」(略称:非核日本キャンペーン)を開始します。キャンペーンは、広島・長崎の被爆80年にあたる2025年8月末日まで続けます。

 ウクライナやガザで戦争と核兵器使用の威嚇が繰り返され、他の核大国も軍事ブロックの強化と軍拡の対応を繰り返す一方で、世界の世論はいま、国際紛争における武力行使・威嚇を禁じ、平和解決を義務付けた国連憲章のルールの尊重と人類絶滅に通じる残虐兵器=核兵器の廃絶へと大きく動いています。

 2021年1月22日、国際法として発効した核兵器禁止条約の批准国は70、署名国は93に達し、間もなく国連加盟国の半数(97)を超えようとしています。非核兵器地帯は中南米・カリブ海、南太平洋、東南アジア、中央アジア、アフリカへと広がり、中東でもイスラエルを除くすべての国々が非核地帯への動きを進めています。

 これらの発展の源流となったのは、1954年、あの無法な核実験の被害に抗議し、3200万の人々が署名し、すべての自治体が決議をあげた「原水爆禁止」の国民的運動です。

 私たちは、ビキニ水爆被災から70年、来年8月には広島、長崎の被爆から80年の節目を迎えるいま、歴史の教訓に学び、もう一度日本から声を上げ、核兵器の使用や威嚇を許さず、核兵器廃絶の合意を履行することを求めます。

同時に、日本は唯一の被爆国として、アメリカやロシアにも、中国や北朝鮮にも堂々と核兵器の全面禁止・廃絶と平和を求めて外交を行うべきであり、そのためにも率先して核兵器禁止条約に署名、批准すべきです。平和と国民の安全は、大軍拡や「核の傘」でなく、核兵器の禁止、核兵器のない世界の実現によって守るべきです。

 「非核日本キャンペーン」は、「核兵器のない世界」の実現、日本の核兵器禁止条約への参加ために、人類の生存と相容れない核兵器の非人道性についての国民的な理解と合意をめざしています。

【キャンペーンの具体的行動】

  1. 広島、長崎の原爆被害、ビキニ・太平洋の核実験被害の実相を写真パネルなど活きた資材を通じて伝える。
  2. 広島、長崎の被爆者、ビキニなど水爆実験の被害者や関係者の証言を伝え、被害の実態と被害者への救援を進める。
  3. ビキニ事件の署名のように、全国のすべての地域、学園、職場から日本の核兵器禁止条約参加を求める署名にとりくむ。

➣ キャンペーンには、趣旨に賛同するすべての団体、事業体、個人などだれもが主催、共催などの形を通じて参加することができます。

  都道府県、市区町村の原水協は、それぞれの対応する被爆者団体と協議し、また、自治体や教育委員会、地元の新聞社、様々な団体から共催、協賛、協力を申し入れてください。「ビキニ署名のように」が合言葉です。

➣ 宣伝資材は、既存の写真パネル(『原爆と人間』、基町高校の絵、原水協の『被爆展示組写真』など)の他、ビキニ水爆被災の写真パネルを別途制作します。

➣ 一緒によびかける署名は、「核兵器禁止条約への日本の参加を求める」ことが一致点で、これまで使用している署名簿の外、高校生など様々の工夫してください。規模は小さくともたくさんの学校、クラス、職場、地域での取り組みを復活させましょう。

➣ キャンペーンのスタート行事として、3月1日、ビキニデー集会の会場(静岡市民文化会館大ホールロビー)で、1954年~55年に集めた署名の一部を展示します。多くの署名が、自治体単位、町内会単位で綴られており、これまで保管されてきた貴重な資料です。自治体などで保存が保証できる場合、該当するところには署名を贈呈することも可能です。これについては、準備ができた段階でお知らせします。

以上