2023年世界大会「国際会議宣言」を力に
核兵器のない世界、非核平和の日本の実現に全力をつくそう
はじめに(会議の目的)
猛暑と台風6号の影響のなか、原水爆禁止2023年世界大会の成功のために奮闘された各中央団体、全国の原水協、すべての代表の皆さんに心から敬意を表する。
ことしの世界大会には、リアル参加を中心に、オンライン参加を含めて国際会議300人、ヒロシマデー集会1500人、世界大会-長崎・開会総会3800人、閉会総会(ナガサキデー集会)4300人、のべ9900人が参加し、大きな成功をおさめた。
人類が直面している新たな核使用の危機を打開する重要な場となる秋の国連総会が始まった。日本では、戦争準備の大軍拡をすすめる岸田政権の強権政治に国民の批判が広がるもとで、年内にも総選挙がおこなわれる情勢にある。
情勢を切り拓くカギは、世論と運動にある。2023年世界大会「国際会議宣言」を力に、国際的にも国内でも日本原水協がその役割を果たすことが強く求められている。
常任理事会は、2023年世界大会の成果と教訓を明らかにし、この秋のたたかいの課題と方針、当面の行動計画を決定する。
Ⅰ、2023年世界大会の成果と教訓
1,危機的状況を打開し、世界と日本の未来をひらく展望示す
ことしの世界大会は、ウクライナでの戦争と核兵器使用の現実の危険が高まる重大な情勢に直面するもとでひらかれた。大会は、被爆者とともに「核兵器は、いかなる状況においても、決して使用されてはならず、そのすべてを一刻も早く完全に廃絶すべき」と強く訴えた。
大会は、核脅迫を繰り返すロシアに対して、アメリカやNATOの同盟国が「核抑止力」で対抗し、人類の生存を脅かしているもとで、核兵器禁止条約が「希望の光」、危機を打開するカギであることをはっきり示した。
核兵器禁止条約第1回締約国会議で議長を務めたアレクサンダー・クメント大使は、8月7日の開会総会で、核問題におけるほとんどの進展が核軍縮とは反対の方向に向かい、核保有国のこの問題についてのリーダーシップがほぼない非常に暗い状況のなかでも核兵器禁止条約は「欠くことのできない希望の光」であると述べ、核兵器禁止条約の誕生に決定的な役割を果たした被爆者の声と警告をひろげることが「かつてなく重要」であると強調した。
中満泉国連上級代表は8月8日のナガサキデー集会で、第1回締約国会議で条約実施のための現実的な行動計画が採択されたことを歓迎し、次回会議が同様に包括的で革新的かつ前向きなものとなるよう期待をのべ、現在の危険な傾向を逆転させ、核兵器廃絶のために世界が一丸となってとりくむ努力を倍増させるようよびかけた。
そして、第2回締約国会議議長国メキシコのサウル・サンブラーノ臨時代理駐日大使は、会議議長国として条約の普遍性を追求する決意を述べ、第1回締約国会議後、科学諮問グループが立ち上げられ、議長をはじめとするチームが非公式の作業グループと調整して、次回会議で具体的結果をだすために活動していることを紹介し、市民社会の非常に貴重な支援を頼りにしていると期待を述べた。
非同盟運動のリーダー国、マレーシアのアハマド・ファイサル・ムハマド国連常駐代表は、マレーシアが核兵器禁止条約の普遍化を促進する非公式な作業グループの共同議長の役割を担っていることを紹介し、第1回締約国会議で被爆者と核実験被害者の証言を高く評価し、次回会議で変化をつくる大きな力となると述べた。
国際法として機能しはじめている核兵器禁止条約の普遍化のために、各国政府に核兵器禁止条約への参加を迫る運動を強化し、第2回締約国会議の国際共同行動を成功させるために被爆国の運動として役割を果たすことが強く求められている。
大会には、国連と政府代表とともに、国際組織からは、IPB(国際平和ビューロー)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)、国際民主婦人連盟の代表、各国から、アメリカ、ロシア、イギリス、フランスの核保有国、韓国、フィリピン、ベトナム、ネパールなどアジア・太平洋諸国、NATO加盟国であるドイツ、フィンランドの代表と、戦争がつづくウクライナの代表など、16か国から43人の広範な代表が参加し、世界大会の成功に大きく貢献した。
2,「核抑止力」論を厳しく批判し、すみやかな廃絶を求める
ことしの世界大会は、核兵器の使用、威嚇を絶対に許してはならず、核兵器は廃絶しなければならないという明確なメッセージを発信する場となった。G7広島サミットが「核抑止力」論を公然と主張したことに対して、被爆者とともに厳しく批判し、被爆地からの真のメッセージとして、核兵器のすみやかな廃絶を強く訴えた。
世界大会全体を通じて、“被ばく者の声を世界に”を中心にすえ、広島被爆者のサーロー節子さん、児玉三智子さん、濱住治郎さん、箕牧智之さん、矢野美耶古さん、長崎被爆者の田中煕巳さん、田中重光さん、横山照子さんが渾身の訴えをおこない、核兵器の非人道性を告発し、「核抑止力」論の誤りを浮き彫りにした。広島、長崎両市長による「平和宣言」も、G7サミットの「広島ビジョン」を批判し、「核抑止力」論からの脱却、核兵器禁止条約への署名・批准を訴えた。
3,岸田大軍拡を阻止し、非核平和、禁止条約に参加する日本の実現へ決意
ことしの大会は、岸田政権による「敵基地攻撃能力」の保有、戦争国家づくりのための自衛隊基地の強靭化(核・化学兵器対応)計画がすすめられ、沖縄・南西諸島へのミサイル配備と軍事要塞化、佐賀空港のオスプレイ配備のための基地建設強行など、九州・沖縄全県で基地強化が図られるなかで開催され、戦争国家への暴走を阻止し、紛争の平和解決と軍縮、核兵器廃絶の先頭に立つ日本、核兵器禁止条約に参加する日本への決意を示す大会として成功をおさめた。
ナガサキデー集会でのオール沖縄1区代表の赤嶺政賢衆議院議員の報告と九州・沖縄全県の代表による、軍事基地化反対の決意表明は、各地のたたかいを励ました。
また、野党共闘が崩れているなかで、核兵器禁止条約への日本の参加を求めて、核兵器禁止条約署名に賛同する立憲民主党、日本共産党、「沖縄の風」の衆参24人の国会議員が連帯メッセージを世界大会に寄せた。核兵器禁止条約への日本の参加の一点での共同を発展させるために、国会議員との共同・協力を前進させる重要な場となった。
4,若い世代、次世代の参加者が大会の主人公に
ことしの世界大会には、被爆者・核被害者との連帯・交流を求めて全国各地から高校生、学生、青年ら若い世代、次世代700人以上が参加した。「非核による平和というトーチを受け継ぐ、より若く、強い手」(サーロー節子さん)となるよう、新たな行動が期待されている。
※世界大会の成果と教訓の詳細は「原水爆禁止2023年世界大会のとりくみの経過」参照
Ⅱ、「国際会議宣言」が明らかにした情勢と運動方向
ことしの世界大会は、4年ぶりに国際会議に国際会議宣言起草委員会が設けられ、今後の国際的な運動方向をさし示す「国際会議宣言」を採択した。8月8日のナガサキデー集会は、この「国際会議宣言」を支持し、行動をよびかける「長崎からのよびかけ」を採択した。
「宣言」の起草にあたって一部の海外代表から「即時停戦を求めるべき」「一方的なロシア非難は受け入れることはできない」との態度表明がおこなわれた。日本側起草委員は、ウクライナ戦争の原因と解決をめぐる意見が違っていても、核兵器廃絶のために団結することはできること、世界大会の目的で大きな意見の違いはないことを確認し、「宣言」採択に臨んだ。
「宣言」が明らかにした情勢と運動方向の中心点は以下の通り。
1) 宣言はまずなによりも、核大国が核軍縮に背を向けるなかでも、核兵器禁止条約を力にした世界の流れは引きつづき発展しており、「このゆるぎない流れは『核兵器のない世界』をめざす、大きな希望」であること、そして核兵器禁止条約は、国際社会が一致し、市民社会と共同するならば、世界を動かす大きな力を発揮しうることを示しており、この国際的共同をさらに発展させるとともに、各国政府に条約参加を迫る運動を強化することが、「『核兵器のない公正で平和な世界』を実現する道である」と訴えた。
9月19日にバハマが核兵器禁止条約に署名し署名国は93か国、スリランカが批准し批准国は69か国となった。核兵器廃絶国際デーを前にさらに増えようとしている。
2) 宣言は、今日の危機をつくりだしているロシアのプーチン政権に対して、侵略と核兵器による威嚇を直ちにやめ、すべての軍隊の撤退を求め、国際社会が「国連憲章の擁護で団結し、国連総会決議に基づく解決」を要求した。宣言は、核兵器への固執をつづけるアメリカ、イギリス、フランス、中国などの他の核保有国の責任の重大さを指摘し、核兵器の使用と威嚇は、紛争の平和的解決を定めた国連憲章の原則を正面から踏みにじるものであり、核兵器の廃絶こそが国連総会第1号決議に沿った責務であることを厳しく指摘した。また、NATOの拡大やアジア・太平洋地域での軍事連携強化など、アメリカを中心とした軍事ブロックの強化は、世界を分断し、軍事対軍事、核対核の危険な悪循環をつくりだし、事態を一層悪化させることを明らかにした。
3) こうした分析にたって「国際会議宣言」は、①核兵器の使用と威嚇の禁止、「核抑止力」論からの脱却、②第2回核兵器禁止条約締約国会議へのすべての政府の支持と参加、③次回NPT再検討会議(2026年)にむけて、すべての締約国、とりわけ核兵器国が第6条の義務と「明確な約束」をはじめとするこれまでの合意の誠実な履行、④非核地帯の強化と拡大、⑤ロシアはウクライナ侵略を直ちに中止しロシア軍を全面撤退させること。国際社会が世界の分断に抗して国連憲章の擁護で団結し、国連総会決議に基づく解決を求めること。軍事ブロックの強化ではなく、地域紛争を国際法に基づいて平和的に解決すること―を要求。被爆の実相普及はじめ核兵器廃絶を共通の要求とする国際共同行動、核兵器禁止条約の非締約国、とりわけ核保有国や「核抑止力」に依存する国々で条約への支持・参加を求める運動を強め、第2回締約国会議に呼応した国際共同行動の成功を呼びかけた。
4) 大会は、「国際会議宣言」の提起を踏まえて、8月6日のヒロシマデー集会において、すべての国の指導者に、核兵器廃絶の緊急の行動を訴える「広島からすべての国の政府への手紙」を採択した。「手紙」は、現実にウクライナでの戦争が進行し、軍事的緊張が高まっているからこそ、軍縮、とりわけ核軍縮の前進が強く求められていると指摘し、ウィーンで開催されている第11回核不拡散条約再検討会議(2026年)の第1回準備委員会が、NPT第6条の義務と2000年、2010年の合意を実行する実質的な成果をあげるよう強く求めた。
5) 「国際会議宣言」は、岸田政権がアメリカの「核の傘」への依存をいっそう深めるとともに、「抑止力」の強化を口実に、憲法違反の大軍拡と「敵基地攻撃能力」の保有に進もうとしていること、沖縄をはじめ南西諸島の軍事化など、日本がアメリカの対中戦略の最前線基地にされ、さらにはアジアとNATOを結びつける中心的役割をはたそうとしていること、その根本には日米軍事同盟を絶対視する政治があることを明らかにし、日本政府が唯一の戦争被爆国として、また戦争放棄の憲法を持つ国として、それにふさわしい行動をとることを求める日本の運動への連帯を表明した。
Ⅲ、当面の活動計画
【運動をすすめる基本】
人類が直面している危機を打開し、「核兵器のない世界」実現の展望と運動方向を明らかにした「国際会議宣言」の学習を中心に据え、確信をつちかい、秋の行動にふみだそう。
大会参加者の報告会の開催とあわせて、「国際会議宣言」を学び、ひろげる。世界大会報告集(『原水爆禁止2023年世界大会の記録』)の普及、「原水協通信」9月号の活用を重視しよう。
1、「国際会議宣言」を行動へ―核兵器廃絶の合意の履行、核兵器禁止条約の促進、国連憲章と平和のための国際共同行動「国際会議宣言」の提起した国際共同行動の具体化として、以下の行動にとりくむ。
1)核保有国(P5)と日本政府への申し入れ
核兵器廃絶国際デー(9月26日)、第78回国連総会、国連軍縮週間(10月24日~30日)に合わせて、「国際会議宣言」が要求した、核兵器の使用と威嚇の禁止、「核抑止力」論からの脱却、国連憲章の擁護、ウクライナ問題の国連総会決議に基づく解決、核兵器禁止条約第2回締約国会議へのすべての政府の支持と参加を求める国際共同行動として、核保有国(P5)と日本政府への申し入れをおこなう。この行動は8月11日に閉会した次回NPT再検討会議の第1回準備委員会の結果からもいっそう重要である。
申し入れにあたっては、著名人、自治体関係者をはじめ世界大会にさまざまな形で賛同を寄せた個人、団体との協力を重視する。
※「日本政府への申し入れ」、「核保有5か国政府への申し入れ」参照。
2)核兵器禁止条約第2回締約国会議(ニューヨーク)に代表団を派遣する
核兵器禁止条約第2回締約国会議は、11月27日から12月1日までニューヨークの国連本部で開催される。日本原水協として代表団を派遣し、被爆国の運動として締約会議に呼応した国際共同行動の成功のために奮闘する。
代表団の目的は、①締約国会議に向けた運動と代表団の参加によって、核保有国や「核の傘」の国でも、多数の国民が核兵器禁止・廃絶を要求していることを示す。
そのために、日本で政府を禁止条約に参加させる署名や行動を飛躍させ、国民の世論を盛り上げる。締約国会議への一番の貢献は、核兵器禁止条約に参加する日本へ変化と前進を作ることにある。②核兵器禁止条約を力に奮闘する国連、締約国政府、世界の市民社会と交流・激励し、協力・連帯を強める。被爆者を先頭に市民社会の一員として核兵器禁止条約を実現させた被爆国の運動として、条約の普遍化と国際法としての機能の強化のために奮闘する締約国の政府を全力で応援する。③禁止条約の被害者への支援の履行・促進のために、「被爆者の声を世界に」キャンペーンを発展させ、核兵器廃絶と救済・補償を求める被爆者や核実験被害者の声を広め、支援・連帯を強化する。④世界大会に参加した青年を含め日本政府の条約参加を求める署名活動や被爆証言の聞き取りなどに青年を組織し、ニューヨーク行動への参加を通じて成長できるとりくみにする。
※代表団派遣の案内参照。
3)日本と韓国の運動の連帯・共同を強化する
日米韓の軍事協力拡大・連携強化により、東アジアにおける緊張と戦争、核戦争の危険までも高まっている。2019年に韓国ソウルで韓国の市民団体13団体とともに共同でおこなった「非核平和のための日韓国際フォーラム」が共同発表文で、日韓両政府に核兵器禁止条約への署名、批准を要求したことを基礎に、日韓両政府に対する禁止条約参加のキャンペーンを再度よびかけ、この運動の共同を強化する。
2、核兵器禁止条約の署名・批准を日本政府に迫る世論と共同を大きく発展させる
岸田政権による大軍拡と「敵基地攻撃能力」の保有、沖縄をはじめ南西諸島の軍事化など、アメリカの対中戦略の最前線基地化の重大な動きが加速している。世界大会後、バイデン大統領が主導して8月18日に米日韓首脳会談が開かれ、「(3か国)の防衛協力を前例のないレベルに引き上げる」として、核兵器を含む米国の「強固な拡大抑止のコミットメント」のもとで、3か国首脳会談の毎年開催、共同軍事訓練の毎年実施などを確認した。日米軍事同盟絶対視の政治の転換が強く求められている。
年内にも総選挙の可能性が予想されている。今度の選挙は、日本の命運とともに核兵器のない世界の実現、非核平和のアジアにとって極めて重要な意義をもっている。
前回の総選挙(2021年)で野党4党(立憲民主、共産、社民、れいわ)は、共通政策に基づく諸政策で「核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する」ことを掲げてたたかった。総選挙後、野党共闘つぶしが強められ、国政レベルでの共闘が崩されてきたが、最近の岩手県知事選挙の結果に示されるように、市民と野党の共闘にこそ未来がある。
草の根から市民と野党の共同を発展させるとともに、禁止条約の参加を求める政治勢力を前進させることが、禁止条約に参加する道である。そのために全力で奮闘する。
署名、平和行進、意見書採択など世界大会に向けての活動や世論調査にも示されるように、多くの国民が核兵器禁止条約への日本の参加を求めている。思想・信条・党派を超えて、核兵器禁止条約への日本の参加を求める圧倒的な世論を、署名運動を土台に築く。
以下の行動にとりくむ。
* 核兵器廃絶国際デー(9月26日)、第79回国連総会、国連軍縮週間、第2回締約国会議を節目に、署名を大きく飛躍させる。
署名の到達は日本原水協集約で136万7792人分(8月22日現在)、日本被団協集約で110万358人分(9月11日現在)、高校生と学生の署名など合わせて約250万。2020年に広範な共同よびかけ人で署名をスタートした出発点に立ち返り、共同よびかけ人の協力も得ながら、広範な団体、個人に署名をひろげる。
11月7日に日本政府への署名の共同提出(第3次、衆議院第1議員会館大会議室)にとりくむ。「核兵器廃絶のために世界が一丸となってとりくむ努力を倍増させる」構えで、少なくとも500万の署名(累計)の提出をめざそう。
世界大会参加者、TPNW第2回締約国会議への参加代表を先頭に、毎月の6・9行動を軸に、群馬県安中原水協のとりくみにも学び、地域への全戸訪問署名にとりくもう。署名ポスター、カラー署名用紙、署名リーフレットをおおいに活用しよう。
* 被爆者と市民、国会議員(野党)による街頭宣伝行動、対話集会などにとりくむ。宣伝スポット、宣伝チラシを作成する。
* 署名の推進とともに、禁止条約の調印、批准を求める自治体意見書決議を9月議会から12月議会にかけて過半数をめざす。幅広い市民運動で意見書採択を実現した山梨県甲府市の経験に学び、市民世論で採択を迫ろう。666(9月22日現在)にひろがった日本政府に禁止条約への署名・批准を求める意見書採択自治体で、その成果を活かして署名の幅広い共同をつくり、住民ぐるみの署名運動にとりくもう。
3、岸田大軍拡阻止など、国民のたたかいとの連帯を強化する
* 専守防衛を投げ捨てた違憲の大軍拡(南西諸島の長距離ミサイル配備などの軍事基地化、護衛艦の空母化、F35ステルス戦闘機の大量購入、巡航ミサイル配備など)を阻止するたたかい、辺野古の新基地建設中止、普天間基地撤去、地位協定改定のたたかいに連帯する。2023年日本平和大会㏌鹿児島(11月11~12日)を成功させる。
* 憲法共同センターに結集し、「戦争する国づくり、『9条改憲阻止』」の一致点で、総がかりの行動に参加する。「憲法改悪に反対する全国署名」にとりくむ。「大軍拡反対!憲法改悪を止めよう 10・5大集会」(主催:九条の会大集会実行委員会)に賛同する。
* 日米核密約破棄、日本への核持ち込みを許さないたたかいをつよめる。非核「神戸方式」の普及、米原子力艦船の横須賀母港化の撤回(10月1日横須賀集会)、米艦船の民間港湾への寄港に反対する。
* 東京電力福島第1原発の「ALPS処理水」(汚染水)の放出中止、原発の再稼働をやめ、原発ゼロ(廃炉)、再生可能エネルギーへの転換を求める。福島第1原発事故被害者への補償打ち切りなど、国と東電の責任放棄を許さず、被災者への支援をつよめる。
* 気候危機の打開、貧困と格差の克服、ジェンダー平等を求める運動との協力・連帯など、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざし、こうした社会運動との連帯と共同を築く。
4、“被ばく者の声を世界に”キャンペーン、被爆者援護・連帯活動の推進
「核抑止ではなく核兵器廃絶を」「ふたたび被爆者をつくるな」と決意を新たに奮闘する被爆者と力を合わせ、核兵器の使用を許さず、その完全廃絶を求める運動を発展させる。核兵器禁止条約に背を向ける日本政府の態度の根底にある「核の傘」依存をうちやぶるためにも、被爆の実相を改めて内外でひろく知らせることが重要である。
* 「国際会議宣言」がよびかけた、ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相をはじめ、核兵器使用と核実験の非人道的な結末を普及し、核兵器廃絶を共通の要求とする国際的な共同行動にとりくむ。核兵器禁止条約第2回締約国会議に向けて“被ばく者の声を世界に”キャンペーンをひろげる(第2次集約10月末)。世界大会(8月8日)の「青年のひろば」に参加した青年・学生にキャンペーンへの参加をよびかける。キャンペーン推進動画の作成を検討する。被爆組写真を贈る運動にとりくむ。(IPBなどに要請)
* 被爆者援護・連帯活動の課題、原水協の果たす今日的役割について明らかにし、活動の前進をはかる。被爆80年に向けて日本被団協が「新たな運動と組織の在り方」について支援者、諸団体との懇談、協議を重ね2024年度の総会で決定するとしている。各県原水協が県被爆者団体の組織と活動の相談に乗り、全国のネットワークづくりに協力する。「黒い雨」第2次訴訟、長崎の被爆体験者のたたかいを支援する。原爆症認定の医療特別手当の3年ごとの更新の際に求められる「要医療性」の基準が厳しくなり、医療特別手当の手当額が3分の1程度に切り替えられる事例が増大している。原爆症認定集団訴訟が勝ち取った認定制度の改善、認定者の拡大などの成果を後退させず、被爆者行政の抜本的改善を求める。
* 高知のビキニ被災船員訴訟(損失補償と船員保険の適用)は、日米両政府による被害の隠ぺいと被害者切り捨ての国家犯罪を明らかにし、全国の被害者救済への道をひらく重要な意義をもっている。訴訟勝利のために全国的支援を強化する。
* 被爆者援護・連帯2000万円募金、年末お見舞金活動を成功させる。
5、日本原水協の組織強化
* 会則に基づく機関運営を重視し、学習と情勢討議を力に、知恵を出し合い、活動計画を具体化し実践しよう。8月の世界大会を運動と組織の最大の結集点に、3・1ビキニデー、国民平和大行進から世界大会へ、日常的な結びつきを強化し活動を発展させよう。
* 原水協組織を支えているのは、原水協加盟団体とともに、地域原水協の存在がある。すべての地域原水協(2023年1月現在、43都道府県520)で、この秋「国際会議宣言」学習会を開き、方針の具体化と実践に踏み出すよう援助を強めよう。世界大会参加者の協力を得て、原水協が未確立でも活動している地域(147)で新たな結成(準備会含む)をめざそう。
* 世界大会に参加した青年学生、次世代のつながりを重視し、世界大会の感想交流会などを通じて、来年の世界大会にむけた青年実行委員会(準備会)を発足させよう。
* 世界大会参加者を対象に、都道府県原水協・団体との日常的なつながりをつくることと合わせ、日本原水協からも国内外の運動を知らせる情報の共有と、Zoomを使った学習や全国をつないだ交流の場ができるよう、日本原水協と相互にむすびつくネットワーク(メーリングリスト)を築く。メールマガジンを発行する。
6、被災70年3・1ビキニデー、原水爆禁止2024年世界大会にむけて
【ビキニ被災70年3・1ビキニデー】
「被災70年3・1ビキニデー集会」および「2024年3・1ビキニデー日本原水協全国集会」の開催について、日程、持ち方、規模などについて検討を開始する。(日程案:2月28日/国際交流会議、29日/日本原水協全国集会、3月1日/被災70年3・1ビキニデー集会)
被災70年に向けて、被害の実相究明、被害者支援のために被災船員の証言の掘り起こし、マーシャル諸島への代表団派遣など、日本原水協としてのとりくみを検討する。
【原水爆禁止2024年世界大会】
2023年世界大会の成果と教訓を踏まえ、被爆79年にふさわしい大会として成功させる。広島を主会場とし全国的代表結集をはかるよう、世界大会実行委員会に提案する。
7、年末財政の成功、ちひろカレンダーの完全普及を
年末までの活動とともに、2024年・被爆79年のたたかいをささえる財政づくりとして、ちひろカレンダー9万6000本の完全普及、被災地へのカレンダー贈呈運動(要綱参照)、年末財政を必ず成功させる。
以上