核兵器禁止条約第2 回締約国会議
原水爆禁止日本協議会の声明
日本の原水爆禁止運動を代表して、核兵器の禁止、廃絶のために献身するみなさまのご努力に心からの敬意と連帯を表明する。
私たちの運動は、1954 年3 月、太平洋ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験でマーシャル諸島島民とともに日本の多数の漁船が被害を受けたとき、これに抗議して行動した日本国民により1955 年に結成された。その目標は、最初の瞬間から原水爆の禁止であった。
日本の有権者の半数を超える3 千2 百万の署名の上に、1955 年第一回世界大会を開催したとき私たちが決意したことは、「被爆者の真の救済は原水爆を禁止してこそ実現できる」のであり、「被爆の実相を伝えることにより核兵器の廃絶を達成する」ことであった。それは核兵器の非人道性の共通の理解の上に核兵器の廃絶をすすめる現在の努力と共通のものであり、私たちは核兵器禁止条約の発効と前進を心からの喜びとし、支持している。
核兵器禁止条約(TPNW)の発効から間もなく3 年、この間の国際情勢の展開は、核兵器が戦争を防止し、侵略を抑止するどころか、逆に戦争や侵略を助長し、一般市民をも標的にした殺りくや破壊を長引かせ、武力の行使と威嚇を排し紛争の平和的手段による解決を義務付けた国連憲章の平和のルールに逆行するする手段であることを証明している。同時に、TPNW の発効は、この情勢の中でも世界の大勢が、国連憲章と原子兵器・大量破壊兵器の廃絶を方向付けた国連第一号決議、「核兵器のない世界の平和と安全」の達成を誓ったNPT 再検討会議の合意の履行へと進んでいることを示し、人類に希望を与え続けている。
私たちは、第二回締約国会議がすべての条項の履行、運用と条約普遍化をすべて面で前進させる会議として成功することを願っている。
同時に、私たちは締約国を増やし、条約を普遍的ルールとする上で市民社会、とりわけ核保有国や「核の傘」の幻想に依存する国での禁止条約を支持する運動と世論の役割の重要性を特別に強調したい。広島、長崎の被爆以後の核軍備競争の現実は、核対核、力対力の政策が決して平和や安全をもたらさないこと、真の安全はその悪循環から離脱することにあることを証明しているからだ。私たちは、その道を国民が選択するようこの会議に向けて、全国の草の根で市民とそれぞれの自治体に日本の核兵器禁止条約参加を求める署名や決議をよびかけた。署名数はこれまで141 万筆余りにとどまったが、その主旨を決議した自治体は、自治体総数のほぼ40%、(671)に達した。
私たちは、この運動を継続し、強化するとともに、この機会を借りて、ほかの核保有国、核依存国で活動する市民社会の運動に、自国の政府に条約参加を求める運動を連帯して強めることをよびかけたい。
核兵器の非人道性を証言する被爆者や核実験被害者の声が、人々の心をとらえ、その運動の力となることはすでに実証されている。世界の市民社会と政府のみなさんがこの機会に、核兵器の廃絶を願うヒバクシャたちを招き、証言を伝える機会を作られるよう合わせてよびかけたい。