
被災71年3・1ビキニデー集会アピール
1954年3月1日、アメリカが中部太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁で行った水爆実験により、多くの日本漁船やマーシャル島民が被災し、深刻な放射能汚染が引き起こされてから71年が経ちました。私たちは、被災船「第五福竜丸」の帰属する焼津に集まり、核兵器廃絶への決意と被害への救済と補償を求めるすべての被害者と家族のみなさんへの連帯の思いを新たにしています。
ビキニ被災事件を機に生まれた原水爆禁止運動の中で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が結成され、被爆者とともに核兵器の全面禁止・廃絶を求め続けてきた運動は、いま世界を大きく動かしています。
2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効し、核兵器に関するあらゆる活動が禁止・違法化されました。現在、同条約の署名国数は94、批准国数は73と着実に前進しています。2024年12月10日には、核兵器の非人道性を訴え続けてきた日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。この受賞はロシアがウクライナ侵略戦争で核兵器使用の威嚇を繰り返すなど、「核破局」の危険な瀬戸際ともいわれる現状に鋭く警鐘を鳴らしています。
すべての当事国は、軍事ブロックと軍拡、核の威嚇の危険な対応をやめ、国連憲章を遵守し、国際法に基づく紛争の平和的な解決をめざすべきです。また、これまでのNPT(核不拡散条約)再検討会議で達成された核兵器廃絶の合意を誠実に履行すべきです。
こうした中で、日本政府がアメリカの「核の傘」にしがみつき、「敵基地攻撃能力」(反撃能力)保有の大軍拡を推しすすめ、核兵器禁止条約第3回締約国会議へのオブザーバー参加も拒否し、核兵器禁止条約に背を向けていることは日本国憲法の平和理念に反し、唯一の戦争被爆国にあるまじきものです。
日本政府は、アメリカの核戦略への依存をやめ、核兵器禁止条約に署名・批准すべきです。
被爆者とともに「日本も核兵器禁止条約に参加を」の声を大きくひろげ、様々な分野でたたかう人々との連帯と共同を豊かに発展させましょう。
被災71年3・1ビキニデーを出発点に、草の根の行動に踏み出し、被爆80年の広島、長崎の日を運動の前進の中で迎えよう。
◇核兵器の非人道性を知らせ、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める「ビキニ被災70年から被爆80年へ―非核の日本をめざす全国キャンペーン」を成功させよう。
◇日本被団協のノーベル平和賞受賞を力に、日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める署名を広範な人びとにひろげよう。
◇国連憲章の原則に基づくウクライナにおける戦争の外交的解決と終結を。
◇イスラエルとハマスの恒久的な停戦、パレスチナ問題の公正な解決を。
◇国連憲章にもとづく紛争の平和的解決、核兵器全面禁止を要求する世論をひろげよう。
◇日本政府に、「安保3文書」の撤回、戦争準備の大軍拡と大増税をやめ、憲法にもとづく平和外交を求めよう。
◇日本政府にビキニ事件の被災の全容解明を求め、被災者に対する速やかな救済と補償を求めよう。
◇日本政府に「黒い雨」被害に遭ったすべての被害者を被爆者として認定させ、救済させよう。
◇被爆者の証言活動、原爆写真展を開催し、被爆の実相をひろめよう。
◇原発再稼働の中止、原発新増設の中止、浜岡原発などすべての原発の廃炉、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求めよう。
◇気候危機打開、ジェンダー平等、格差の是正、生活を守る運動と連帯し、行動しよう。
◇原水爆禁止平和行進をすべての自治体につなごう。原水爆禁止2025年世界大会を成功させよう。
ノーモア・ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、フクシマ、
ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ウォー
2025年3月1日 被災71年3・1ビキニデー集会