核兵器全面禁止・廃絶条約交渉の速やかな開始を
21世紀最初の原水爆禁止世界大会に、世界20ヶ国と日本全国から参加した私たちは、核兵器のない世界を速やかに実現するために、国連とすべての加盟国政府にこの手紙を送ります。
20世紀最後の年に開催された核不拡散条約再検討会議は、核兵器国を含む参加国が一致して「核兵器廃絶を達成する明確な約束」を確認、その後の国連ミレニアム総会も、この「明確な約束」を支持し、核兵器の廃絶を求める決議を採択しました。これは、「20世紀の過ちを21世紀に繰り返すな」という被爆者の叫びが、国際社会において真摯に受けとめられつつあることを示しています。
しかし、いまだに一部の核兵器国は核戦力を維持・強化する動きを見せています。核抑止力を強化する「ミサイル防衛」計画や宇宙の軍事化の推進、包括的核実験禁止条約の発効を妨げることは、核兵器廃絶の公約にそむくものです。自国の「国益」のみを優先し、圧倒的な核戦力で世界を威嚇する態度は、国連憲章に基づく公正で平和な国際秩序と相容れるものではありません。
私たちは、国連とすべての加盟国政府が、国連第一号決議に表明された「原子兵器の各国の軍備からの廃絶」という原点をあらためて想起し、「核兵器廃絶を達成する明確な約束」の速やかな実行のために積極的に行動することを切望します。そのための具体的行動として、核兵器廃絶・全面禁止条約の協議・交渉を速やかに開始すること、そのために、きたるべき国連総会などにおいて、その開始を決議することを強く要望するものです。
2001年8月9日
原水爆禁止2001年世界大会・長崎