【反核平和運動・原水協の声明と決議】
アメリカのオバマ政権発足に当たって日本原水協は1月22日、高草木博事務局長談話を発表しました。
オバマ政権発足に当たっての談話
1、1月20日、バラク・オバマ氏が、44代目の米国大統領に就任した。厳寒の中を集まった200万の米国市民や海外の関心の強さに見られるように、オバマ政権には、米国初のアフリカ系アメリカ人大統領としても、ブッシュ政権の単独行動主義を批判し、「変革」を掲げて選挙戦を勝利した大統領としても内外の大きな期待がかけられている。我々は、オバマ氏の政権がその積極的公約を誠実に実行していくことを強く求めていく。
2、核問題についてもオバマ氏は、「アメリカは核兵器のない世界を追求する」と公約した。核保有5カ国はすでに、2000年5月、NPT再検討会議で核兵器廃絶の達成を「明確な約束」として受け入れていた。ブッシュ政権は、事実上この約束を反故にし、米国の軍事的優位の上に「不拡散」を追求して、逆に世界的な混乱をつくりだした。「核兵器のない世界」の実現は、いまや世界の圧倒的な人びとと政府が求めている目標である。
我々は、オバマ政権がその公約を実行し、とりわけ2010年4、5月のNPT再検討会議にむけて核兵器を禁止・廃絶するための具体的な行動を起こすことを強くよびかける。我々もまた、核兵器の廃絶をめざすすべての政府と協力し、内外の世論を強めるために全力を挙げる。
3、オバマ政権のもとでの今後の日米関係も重要な問題である。ブッシュ政権の8年、日本は世界世論に挑戦して強行されたイラク攻撃を支持し、アフガニスタンの軍事作戦への支援、米軍の自由出撃や在日米軍基地の再編強化に加担し、また、北朝鮮の核実験に際して、当時外相であった麻生首相は日本の「核保有論議」を勢いづける発言さえおこなった。
日本政府は、この間の日米軍事同盟最優先の姿勢を批判的に見直し、被爆国として、また、憲法9条と非核三原則を持つ国として、核兵器のない世界、平和でより公正な国際関係の実現のために努力すべきである。
以上
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