原水爆禁止2014年世界大会への各国政府からのメッセージ

2014年7月10日現在、原水爆禁止世界大会実行委員会に寄せられている各国政府からのメッセージを紹介します。

ルイス・アルベルト・フィゲイレド・マシャード

ブラジル連邦共和国外務大臣

原水爆禁止世界大会にご挨拶を送ることができて光栄です。広島と長崎を破壊した核兵器の犠牲となった数万の男女、子供たちを哀悼するとき、私たちは核爆発の引き起こした恐るべき非人道的な被害を想い起こします。

広島と長崎を思うとき頭に浮かぶのは、「もう二度と」という言葉です。人間がこのような残酷な兵器の犠牲になることを二度と許してはなりません。ブラジルは、世界から核兵器をなくすことが、その目標を達成する唯一の道であると信じています。

来年、核不拡散条約の締約国が、条約の第9回再検討会議に集まります。ブラジルは、NPT締約国が、条約そのものとこれまでの再検討会議のもとで、特に核軍縮・廃絶に関しておこなった約束を全面的に履行するよう要求します。

ブラジルは、NPTの発効から40年が過ぎたにもかかわらず、核兵器の廃絶に関して明らかな「順守違反」が続いていることを遺憾とするものです。冷戦終結から20年以上になりますが、今も17,300発の核弾頭(うち4,300発は配備済み)が、NPT締約国および非締約国の管理下に置かれています。これらの国々は核兵器の維持と近代化のために、毎年1000億ドル以上を支出しています。この金額の半分があれば、2015年ミレニアム開発目標を含め、社会経済的目標である貧困の削減が十分達成できるとされています。この問題は、国際社会がポスト2015年開発目標について討論を開始している現在、ますます重要になっています。

しかし、核軍縮・廃絶は、法的義務や経済的に合理的な措置であるという以上に、緊急に果たされるべき道義的な課題です。

核兵器は、無差別で過大な破壊を引き起こす力を持っています。広島と長崎で証明されたように、核兵器の使用は必然的に、人道的懸念を起こさせるような深刻で広範な被害をもたらします。核兵器は、例えば軍事目標と民間施設、あるいは戦闘員と非戦闘員を区別することができません。紛争と無関係の近隣諸国の国民も、核爆発により拡散する放射性降下物の影響で被害を受けることになるのです。被災者の大多数が民間人となる事は避けられません。

これらの理由から、核兵器の使用は国際人道法と相容れないのです。核爆発が起こった時に十分な人道的対応をすることは不可能です。これを完全に有効に防ぐ唯一の方法は、核兵器の完全で不可逆的な禁止です。この人道的な観点は、核軍縮の議論においてその重要性を顕著に増しており、ブラジルはこの流れを強く支持するものです。これに関連してわれわれは、既存の多国間討論の場において、核兵器保有国の参加も得て、核兵器を禁止するための法的拘束力ある条約について交渉を開始することを支持します。

核兵器は、存在する限り、人類にとって脅威であることを、われわれ全員が認識せねばなりません。一握りの国々が、自分たちには核兵器を保有する資格があると考えている限り、他の国や非国家主体を、核兵器の入手あるいは開発に駆りたてる危険があるのです。

今日、再び広島、長崎の犠牲者たちを哀悼するにあたって、ブラジル政府と国民は、核保有国に対し、核兵器のない世界という目標を達成するために、真の政治的決意を示し、努力を強化するよう呼びかけるものです。

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サーメハ・シュクリ

エジプト・アラブ共和国外務大臣

エジプト・アラブ共和国アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領に代わり、皆さんからいただいた原水爆禁止2014年世界大会についてのお手紙に感謝申し上げます。この機会をお借りして、日本国民のみなさんに対するエジプトの支持をお送りするとともに、核兵器の完全廃絶こそが、核兵器の使用と威嚇を防ぐ唯一の方法であることを確認いたします。

この点で、核兵器国が、核不拡散条約第6条の下での義務を全面的に履行することが極めて重要です。しかし、核兵器廃絶のために大きな努力がなされているにもかかわらず、今なお核爆発の暗い影が人類の生存を脅かしているのは残念なことです。

エジプトは常に、核不拡散体制のために重要な手段を作り出すために積極的な役割を果たして来ました。これからもNPTの普遍化達成のために努力を続けます。私たちが目指すものの中心課題は、中東非核兵器地帯の設立であり、この目標実現のために日本がおこなう努力は最も重要であると考えています。

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デスラ・ペルチャヤ

インドネシア国連大使

世界各国政府に2010年NPT再検討会議の合意を履行する行動をよびかける世界大会に参加するよう招かれたことを名誉に思います。実際、世界大会は、草の根レベルも含め、関係する人たちを結集し、核兵器のない世界への地球的努力を高めるためのまたとない機会です。

核兵器廃絶の確固とした提唱者として、インドネシアは非同盟運動の開発途上国の中で一貫して指導的役割を担い、その目標を実現するためにあらゆる道筋を追求してきました。そのため私たちは、すべての核兵器を禁止する包括的な条約をつくるよう求める世界大会のよびかけを全面的に支持するものです。

2015年NPT再検討会議の準備のなかで核兵器のない世界をとの地球的熱望と連帯するこの世界大会の重要性にかんがみ、私はあたたかい招待を心からの喜びを持って受け入れるものです。敬意をこめて。

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