原水爆禁止2014年世界大会に参加する海外代表を紹介します。
ロシアからはソ連初の原水爆が製造された場所でもあるマヤーク核工場が周辺の川に現在も放射性廃棄物が排出している問題を告発したドキュメンタリー映画「不毛の地」に出演しているミーリャ・カビロワさん、ロシア当局の激しい妨害に遭いながらも同作品の脚本と製作を担当したオレグ・ボドロフさんが参加します。
核保有9か国をNPT(核不拡散条約)第6条(核保有国の核軍縮義務)違反として国際司法裁判所に提訴した話題のマーシャル諸島共和国からはアバッカ・アンジャイン・マディソンさんが参加します。
その他に韓国原爆被害者協会、ベトナム枯葉剤被害者協会からも代表が参加します。
被害者は国際会議で被害の非人道性について縦横に語るとともに、8月6、9日の全体会で発言します。また、8月5日の分科会6「被ばく体験の継承と実相普及」に出席し世界大会代表と交流します。ミーリャさんとオレグさんは分科会12「映像のひろば」で「不毛の地」上映後に被害を語ります。
ミーリャ・カビロワ(チェリャビンスク核被害者組織「アイグル」 議長)
ロシアには軍需・核燃料施設が15ある。中でもチェリャビンスク地方にある3つの施設のうち、最も老朽化し、ソ連初の原水爆が製造された場所でもあるマヤーク工場の操業、事故による被ばくの補償と被害者救済を求め活動している。
ミーリャは、広範な被ばくが明らかになった以降も住民が残ったムスルモボ村の出身。また、外国の使用済み核燃料の貯蔵・プルトニウムへの再処理を引き受ける施設建設の政府決定にも反対している。
原水爆禁止世界大会には2001年以来参加し、旧ソ連の核開発の被害を世界に訴え続けている。ドキュメンタリー映画「不毛の地」に夫のゴスマン・カビロフさんとともに登場。
オレグ・ボドロフ(グリーン・ワールド〔環境NGO〕議長)
原水爆禁止2012年世界大会に参加。物理エンジニア、環境保護主義者。大学卒業後は、原子力潜水艦の原子炉について研究・実験に従事していたが、ある事故をきっかけに核施設の安全性と環境への影響について研究を始める。
1986年にチェルノブイリ汚染地域を視察で訪れ、原子力安全に対する政府の情報制限や環境への影響を目の当たりにし、研究所を離れ環境運動に加わる。国民参加による核のない未来、原子力と環境の安全性、再生可能エネルギーと省エネの促進を活動の中心としている。
チェリャビンスクの核被害の実態を描いたドキュメンタリー映画「不毛の地」を制作。
アバッカ・アンジャイン・マディソン(元上院議員、ロンゲラップ島民代表)
ロンゲラップ環礁選出のマーシャル諸島共和国元上院議員。ロンゲラップ島は第五福竜丸と共に死の灰を浴びた島で、被ばくしたロンゲラップ島の島民のたたかいを率いてきた故ジェトン・アンジャイン上院議員の娘。父と兄弟にあたるネルソンやジョンの意思を受け継いで、被ばく者の正義と補償のための支援を訴えてきた。
現在、ロンゲラップへの帰島が大きな問題となっている中、島民の安全と将来のために、国内外で精力的に活動している。最近は2005年、2008-2010年の3・1ビキニデー、2010年NPTニューヨーク行動に参加。原水爆禁止世界大会には、2006年、2010年、2011年、2013年に参加している。