嘆くな、組織せよ!:安倍内閣の集団的自衛権容認閣議決定に際して、ジョゼフ・ガーソン(アメリカフレンズ奉仕委員会)さんからの連帯メッセージ

ジョゼフ・ガーソン

安倍自民党・公明党内閣が7月1日、国民多数の反対の声を踏みにじり、集団的自衛権行使容認のための解釈改憲の「閣議決定」を強行したことに対して、アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソンさんから連帯メッセージが届きました。

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日本は今、政治クーデターに見舞われています。黒はいまや、公式には白なのです。明確に、永遠に、戦争と戦争準備を禁止した憲法は、日本の軍隊がアメリカの戦争に参加できる、ということを意味することになりました。アメリカが中東での石油確保のために起こす戦争に、アメリカとともに、あるいはフィリピンと一緒に、石油と天然ガスの経路の確保を守るという口実で、または東アジアでの先制攻撃戦略に、日本が参加することを意味するのです。

日本がもはや立憲民主主義国ではなくなったと言わねばならないのは悲劇的なことです。「解釈改憲」は、憲法を真っ向から否定することであり、日本国民の大多数の反対にもかかわらず、強行されようとしています。

共犯者はいるもので、この解釈改憲は、日米両国の政治、財界、軍事エリート層の数十年にわたる共謀の結果です。私が原水爆禁止世界大会に初めて参加したとき、日米両政府はいわゆる「サラミ」戦略を進めている、と言われていたことを思い出します(ひと塊の肉を一気に切るのではなく、サラミソーセージを一枚一枚切り取るようなやり方です)。その目標は、国是である戦争放棄と平和擁護という憲法上の誓約を覆すことでした。それから30年を経て、A級戦犯容疑者の孫でCIAに育てられた日本の首相は、戦争時の秩序を復活させる方向へと大きな一歩を踏み出したのです。

みなさんをはじめ日本の多くの人々がどんなに失望し、懸念を深めているか、想像に難くありません。しかし、アメリカの著名な労働運動家のジョー・ヒルは、「嘆くな、組織せよ!」という言葉を残しています。私は、日本中の草の根の活動家のみなさんが、日本国憲法の真の、そして明確な誓約を守るために、民主主義を取り戻すために、破局的な戦争を防ぐために、そして私たちと力を合わせて核兵器の廃絶を勝ち取るために、今後どのような行動を広げていくかに注目しています。これからその機会が増えると思いますが、私は日本国民の宝である平和憲法を守るために、みなさんとともにいっそう力を尽くします。

友情と懸念と決意を込めて

ジョゼフ・ガーソン

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