「核兵器廃絶2013年国連要請代表団」の団長を務める安井正和日本原水協事務局長からの現地リポートです。
【国連総会第一委員会初日】討論終了直後、日本原水協の声明配布
10月7日、午前10時(現地時間)から国連第一委員会の一般討論が開始されました。
冒頭にアンゲラ・ケイン国連軍縮問題担当上級代表が演説。続いてインドネシア(非同盟を代表)⇒ジャマイカ(カリブ共同体を代表)⇒欧州連合⇒アラブ連盟⇒ナイジェリア(アフリカグループを代表)⇒メキシコ⇒日本⇒リビア⇒スイスの順番で発言しました。最後の6分の時点で北朝鮮の代表が日本に質問する場面もありました。
インドネシアは「核軍縮に関するハイレベル会合」でのイランのロウハニ大統領の提案をフォローアップする決議を提案することを表明し、ジャマイカとナイジェリアの代表が演説の冒頭部分でそれへの支持を表明しました。
日本政府の代表は、核軍縮に関するハイレベル会合での安倍首相と岸田外相の演説内容に沿った演説をし、核保有国と非核兵器国とのギャップを埋めることが日本の役割と言い、核兵器禁止には一言も触れませんでした。
日本原水協の声明は、議事が終了した直後に129部配布しました。参加者の約半数には手渡したと思います。
【国連第一委員会二日目】ニュージーランド、マレーシア代表部要請、6・9行動
10月8日の午前中は第一委員会2日目を傍聴。12時半からニュージーランド代表部への要請、14時からハマーショルド広場で40分間署名行動、15時半からマレーシア代表部へ要請をおこないました。
第一委員会2日目の審議の特徴については、川田忠明さんから簡単な報告を受けました。
・キューバとエジプトは非同盟諸国(NAM)の提案を支持。
・アイルランドは化学兵器が禁止されているのに核兵器はなぜ禁止されていないのかと問題提起。非人道的側面の意義を2010年再検討会議の最終文書を引用して強調。核兵器の人間への影響を考えた場合、誰も手をつけられない。救援もできない。壊滅的影響を与える。問題は政治的意思の欠落にある。
・マレーシアは、この間の停滞に失望を表明。前進面はハイレベル会合。廃絶側の動きがハイレベルな一方、核保有国はローレベルと厳しく批判。核兵器の人道的側面の意識の高まりを評価。国際司法裁判所(ICJ)の後追い決議を提出することを表明し、支持をよびかけた。
・ロシアは、自らは核兵器の削減などいろいろ努力してきたと主張し、非核兵器国にも義務はあること、人道的側面を問題にしているが、世界のリアリティは戦略的な安定が課題。人道的側面は大衆外交であり、これ以上議論すべきでないと主張した。
ニュージーランドとマレーシアはいずれも大使が応対し、代表団の訪問を歓迎してくれました。マレーシアは世界大会に参加したこともあるフセイン・ハニフ大使が応対してくれました。
国連本部近くの広場でベンチに座っている2人に1人が署名
ハマーショルド広場での署名行動は、40分で35筆。公園のベンチに座っている人の2人に1人が署名してくれました。
被爆写真を見た3人組の若い女性は、「私たちを説得する必要はありません」とすぐペンを取りました。ブルガリア人の男性は「核兵器は危険なので、こういう署名は大事」と署名。「ヨーロッパはイギリス、フランス、ロシアの核兵器があり、危険」と署名する 人など、反響がありました。
(日本原水協事務局長・安井正和)