日本原水協は10月3日、外務省を訪れ、10月7日からはじまる国連総会第1委員会の審議の開催を前に、日本政府への申し入れをおこないました。
申し入れには、日本原水協から安井正和事務局長、前川史郎担当常任理事、全労連の高橋信一副議長、新婦人の西川香子中央常任委員、全商連の今井誠常任理事、平和委員会の布施祐仁常任理事、東京原水協の石村和弘事務局長の7人が参加しました。外務省からは軍備管理軍縮課の野口泰課長と渡邉卓弘課員が応対しました。
安井事務局長は、申し入れ書(別掲)にもとづいて、日本政府が第68回国連総会において、1)核兵器使用の非人道性に焦点を当て、ただちに核兵器廃絶の行動をとるよう求める共同声明の運動に賛同し、これに加わるとともに、その解決の方途として核兵器の全面禁止を積極的に提唱すること、2)国民が唯一、戦争による核の惨禍を体験した国として、核兵器の全面禁止を率先して提唱し、核兵器禁止条約の交渉開始を求める提案に加わること、そして、東アジアの緊張をなくすために「核抑止力」ドクトリンや「核の傘」ドクトリンの克服を掲げるよう主張し申し入れ書を手渡しました。
野口課長は、核兵器使用の非人道性に焦点を当てた共同声明に賛同しなかったことについて「厳しい批判をいただいた」と述べ、次回には賛同する道を真剣に探るよう指示されており、取りまとめ国のニュージーランドと協議中であることを明らかにしました。核兵器禁止条約については、「核保有国が乗ってこない。今すぐに禁止条約を始めるのは難しい」とし、軍縮不拡散イニシアチブ(NPDI)を中心に、核兵器国と核軍縮をめざす国との橋渡しをすることに役割があると述べました。
参加者からは、「2015年は被爆70年。被爆者は次々に亡くなり、高齢になって証言できなくなってきている。だからこそ、共同声明への賛同の拒否には驚いた。『いかなる状況でも』という文言を外したり、内容を薄めて合意しても、私たち国民はしっかり見ている」、「7月6日に山口仙二さんが亡くなった。仙二さんは1982年の第2回国連軍縮特別総会で核兵器の禁止を最優先させる計画の策定を訴えた。それから31年が経っている。核保有国の姿勢がどうであれ、被爆国として核兵器全面禁止を主張すべきだ」、「橋渡しではなく、被爆国として直接核兵器の廃絶を働きかけていくべきだ」など、被爆国にふさわしい役割の発揮を求めました。