平和行進十五日目:静岡県の三島市役所から裾野市役所
今日は雨の中で行進が始まりました。伊豆での開会式はみんなレインコートを着ていました。フィリピンでは雨は天の恵みと考えられていて、今朝はとってもラッキーだという事を私は皆さんに伝えました。
今日は本当にラッキーだったと思います。というのも、行進参加者は三島市長と副市長さんの計らいで市役所の中に入れてもらえたからです。三島市は平和のイベントにも力を入れており、特に8月は活発な活動が行われているそうです。たくさんの高校生を毎年8月6日には広島に送っているそうです。三島市は1959年にはすでに核兵器廃絶平和都市宣言を採択しました。日本全国のなかで二番目の早さだったそうです。
行進参加者の集まりが市庁舎の中でさせてもらえたのはこれが初めてだと思います。雨の日だったので本当にラッキ-でした。市の職員の方が市長からのメッセージを伝え、ペナントとカンパを下さいました。また、市の平和都市宣言が印刷された可愛いお手拭きパックも下さいました。三島市原水協の代表のきゅうじさんもおられ、毎年平和行進者は市庁舎の中で部屋を使わせてもらえると言っていました。これって本当にとっても親切なもてなしだと思います。
市庁舎の中で労働組合事務所があり、そちらで昼食を頂きました。行政がこんなに立派な部屋を組合に使わせてくれていることに驚きました。フィリピンでは余りないことじゃないかと思います。
たか子さんが私にいしいまさひろさんを紹介してくれました。まさひろさんはたか子さんが仕事をしている今日の午後と明日は彼女の代わりに私の通訳をしてくれます。また80代の男性にもお会いしました。彼はみんなからとても尊敬されているようでした。彼は若い頃この市で平和都市宣言が採択されるために精力的に活動された方でした。すごい!私たちは彼とも一緒に写真を撮りました。
それが上の写真です。
昨日と同様に私たちはシャッター通りに沿って歩きました。このシャッター通りの物悲しさを払拭してくれたのは小さな公園に集まっておられたお年寄りの皆さんでした。彼らはにっこり笑って手を振ってくれました。今日は実際に沿道からのカンパがどのように集められるのかを見る事ができました。私たちが通過しようとすると家の扉が開いて、女性が出てこられました。彼女はカンパの入った小さい封筒を行進者に手渡してくれました。行進者は彼女に「ありがとうございます!」と言っていました。素敵!
今日の午後の休憩はコープで取らせてもらいました。ある男性が私に手品を披露してくれました。ゴムを使って彼の人差し指から小さいロボットの人形が飛び出したりひっこんだりする手品でした。はははッ!
裾野市役所の近くの公園で今日の行進は終了しました。多くの被爆者の方が参加され,何人かの方が私に富士山の写真を下さいました。まさひろさんの大学の教授にも紹介してもらい、彼が私たちを閉会式の後で富士山の裾野にある軍事演習場に連れて行ってくれました。
この見学ツアーではまず自衛隊の駒門駐屯地に立ち寄りました。近くに自動車の教習所があり、富士山のふもとの軍事演習場まではそこから特別な道になっていました。この自動車教習場も戦車の運転免許を取るためのコースもあるとの事です。
次にさらに富士山に向かって車で進みました。教授は私たちを勾配のある広大な場所へと連れて行ってくれました。ここで日本の自衛隊と米軍が共同演習を行うそうです。そこから富士山のビジターセンター樹空の森に連れて行ってもらいましたが、その時間には閉まっていました。この辺の施設は午前中に私たちが通り過ぎたシャッター通りに比べるととても新しく思えました。樹空の森には温泉、ミニゴルフ場、アクティビティーセンターにヘリコプターの飛行場もありました。
帰る時に私たちは富士の米軍基地の近くを通りました。明日の朝この基地に沿って行進する予定です。教授の車と平和行進のバンはしばらくその場所に停車しました。フェンスには大きな看板があり、私は写真を撮る事ができました。それが以下の写真です。
最後に私たちは広大な庭のある大きなお家の建ち並ぶ一画を通りました。教授からこの一画が軍事演習場に土地を貸している地主さんたちの土地だと聞くまで私はその光景を楽しんでいました。日本の自衛隊と米軍は富士山の裾野の土地を個人所有者から共同演習場として借りているそうです。これはとても興味深い状況です。教授によれば、それによって利益を得ている民間の人々がいるために反対運動はさらに難しくなっているそうです。
見学ツアーの後は明日の行進に備えて御殿場市にあるビジネスホテルにチェックインしました。夕食は美味しいお寿司でした。一人あたり12貫以上あったと思います。お腹が減りすぎて写真を撮るのを忘れました。富士山は今日は曇っていて見えなかったけど、お寿司はすばらしく美味しかったです!
教授は富士山ツアーの前に事前に説明をしてくれたのですが、その時に富士山のパンフレットをくれました。残念ながらそのパンフレットは日本語でしたがまさひろさんが私に伝えてくれたメモからいくつか紹介します。
1)このキャンプ富士は日本で3番目に大きな米軍基地であり8.915ヘクタールの面積を有しています。
2)日本の自衛隊と米軍が共同演習の為に使用しており、これらの演習は日米地位協定と呼ばれる協定の下で行われています。フィリピンにも同様の協定が存在しています。
3)教授からは白リン弾や爆弾が演習中に爆発している写真も見せてもらいました。
4)また教授は富士の頂上付近の氷が溶け出した天然水もあると教えてくれました。これは日本版エビアンですね!
5)彼は簡単にオスプレイについても説明してくれました。この軍用機はこの地域の上空も飛んでいるそうです。
眠る前に私はコインランドリーが終わるのを待ちながら前日の行進についてブログを書きました。たくやくんも洗濯をしています。このところコインランドリーが使えています!
(日本語訳=三宅朋子)