マラヤ・ファブロスさんの行進日誌12日目

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平和行進十二日目:平塚市中央図書館ー大磯町役場ー二宮町役場

 

今日の行進はとても大きな一団になりました。神奈川県での行進の中では一番参加者が多かったのではないかと思います。平塚市の方が市長の賛同メッセージを読み上げてくれました。

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一人の被爆者の方が被爆体験を集会で語ってくれました。19歳で被爆されたそうです。明日は彼のお友達の命日とのこと。彼の年代の方々が高齢化し、多くが亡くなっていっているという事をお話しされていたのだと思います。

今日はうたごえのグループの皆さんが参加してくれていました。一緒に「青い空は」を歌いました。こういう集まりに音楽が加わるととてもいい感じです。なので今日はいつものコールの練習に加えてコーラスも練習しました。

お昼前には大磯町役場に到着しました。副町長が町長の賛同メッセージを代読してくれました。この町役場に着く前にチラッと海の見える場所を通りました。今日のお昼はお弁当だったので、村田さんが私たちを町役場のすぐ裏にある海岸に連れて行ってくれ、そこで食べました。日本語では「ウミ」と言うのですね。やべさんも一緒に来ておにぎりをちょっとだけ食べました。

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これは太平洋だということを教えてもらって知りました!私は太平洋を見るのは生まれて初めてだし、見ながらお昼を食べるのも初めてでした。道の近くの海岸沿いには写真のような形のテトラポットがありました。この形状は景観に配慮した物であるだけでなく構造面、安全面も考慮されているみたいです。

お昼の後は二宮駅まで歩きました。途中で大磯自然歩道の入口があり、バードウォッチングをする人やハイキングをする人がいました。ここでちょっとした交流ができました。彼女たちは「こんにちは」と手を振ってくれ、平和行進がどこへ向かっているのかと聞いてくれました。誰かが「東京から広島まで」と答えると一人の女性が「ええぇ!」とビックリしていました。彼女があんまり驚いたので彼女も私たちも笑ってしまいました。それから彼女たちは何回も「頑張ってください」と言ってくれました。

二宮駅ではガラスのうさぎ像を抱いた女性の彫刻の前に集まりました。ガラスのうさぎのお話は私はよく分かりませんでしたが、どうもこの地域の人々の平和への願いと深い関わりがあるようでした。

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それから二宮町役場まで歩きました。町長さんが8月6日は広島の原爆慰霊の集会がガラスのウサギ像の前で行われると説明してくれました。多くの千羽鶴を真の平和を願って飾るそうです。

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ほかにも森さんという方がご挨拶されました。彼は3歳の時に長崎で被爆した方です。私たち通し行進者も紹介され短い挨拶をさせてもらいました。集会の最後には町役場で行われている平和展示の紹介もありました。ビキニ環礁での核実験や広島・長崎での核兵器の投下とその影響、被爆者の方々の現状など、何枚かのパネルが展示されていました。

二宮町役場まではかなりしんどい上り坂でしたが、役場からは街が一望できてこの場所はとても素敵でした。町長さんが私たちと一緒にマイクで歌ってくれたから余計にここが好きになったのかも。とっても良い声でした!

今夜は私たち3人(村田さん、けいこさん、私)にとっては特別な夜になりました。と、いうのも箱根にある山田さんという方のお宅に泊めてもらったからです。大磯から車で30分程のところでした。気温はバギオ市くらい、もしくはドバイの冬といった感じで少し涼しかったです。箱根は特別な木目細工で有名な地域です。山田さんは曲がりくねった山道を運転しながら毎年その道で行われる箱根駅伝の事を教えてくれました。普通の駅伝よりも長い距離だそうです。ワオ!

彼らはとても素敵で居心地よくリフォームされたお家にお住まいでした。元々の家は築100年以上の古民家です。彼は日本では自分でリフォームするなら古民家は無料で手に入ると教えてくれました。ただしこういう古いお家をリフォームするのは新築を買うよりもかなり高くなるそうです。古民家再生をおこなうJMRIという団体のパンフレットを見せてもらいました。山田さんは他の再生された古民家のパンフレットも見せてくれました。築200年のおうちまでありました。ワァオ!!

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山田さん邸は古い建物と新しい建物が混在した設計でした。大工さんは家の元々の構造を生かしてリフォームします。古い木枠はそのままに、補強部分にだけ新しい木材を使用します。家は二階建てで一階は昔ながらのいろりがある広い入口のお部屋、和室に台所、ダイニングにトイレとお風呂です。二階は2部屋とトイレ、山田さんの書斎、そして入口部分とダイニングを見通せるリビングとダイニングがあります。私たちは二階のお部屋に泊めてもらいました。

さらにこのお家が素敵なのは大量の本と可愛いおもちゃがたくさんあったことです。小さなおもちゃたちはまるで自分たちの居場所が分かっているみたいにぴったりの場所に、くつろいだ感じで置かれていました。彼らのご挨拶で毎日笑顔になっちゃいます。

夕食の前に近所を散策しました。近くに小学校があり、ある家族が校庭で野球をしていました。とても良いチームワークでした。

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山の向こうから白い煙が出ているのが見えました。それは温泉みたいでした。またある山の頂上部分は更地になっている所もありました。山並みをみている時、山田さんがある山を指差してそこが米軍と日本の自衛隊の共同演習場所だと教えてくれました。そこは山田さんのおうちから約50キロくらいの場所でした。時々訓練中の砲弾の音が聞こえてくるそうです。

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ところで山田さんは英語の先生です。彼は翌日は私の通訳として一緒に歩いてくれる予定です。奥さんは市会議員をされています。もう何期も議員をされているそうです。

山田さんのお家を私はとっても気に入りました。美味しい空気に美しい景色。街の中心部まで30分程かかりますが、こんな場所に住めるならその甲斐もあると思います。ドバイでは通勤に自宅から地下鉄かプライベートシャトルで45分かかりました。フィリピンでは家からマカティのビジネス街まで1時間かかっていました(交通渋滞がなければ30分で到着できますが、それはキリスト教のホーリーウィーク<聖週>か、フィリピンのボクシングチャンピオンのマニー・パッキャオが生放送のテレビで試合をしている時くらいです)。

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(日本語訳=三宅朋子)

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