日本原水協国連要請代表団に共同代表の一人として参加した山本淑子さん(全日本民主医療機関連合会事務局次長)の感想を紹介します。
国連要請行動に参加する機会をいただいたことに感謝申し上げます。
今回の要請行動を通して、改めて市民レベルの草の根の運動が、確実に国連レベルの議論を核兵器廃絶に向かわせる大きな力になっていることを実感しました。アンゲラ・ケイン上級代表からは、「210万筆を超える署名はすばらしい。署名で声をあげ続けることが大切。引き続き努力を続けてほしい」と励ましの言葉もいただきました。
各国政府代表からは、核兵器全面禁止条約の交渉開始は困難を伴うけれども、核兵器全面禁止を一致して決議することについては、「同意する」「トライする意義がある」と非常に前向きな受け止めを聞くことができました。
一方で、日本政府代表は、唯一の被爆国の政府でありながら、核廃絶を究極的課題と言い切りました。他の政府代表の中にも、「日本政府は全面禁止の立場に立っていない」と指摘する声がありました。帰国してみたら、共同通信発の「スイスやノルウェーなど16カ国の提案する『核兵器を非合法化する努力の強化』を促す声明案への署名を、日本が拒否」との報道が飛び込んできて、日本政府が被爆国としての責務を果たすよう、日本で運動している私たちが、本気で日本政府を変えていかないといけないと痛感しました。
参加するに当たり、せっかくのチャンスなので、民医連の広島共立病院の2年目職員が毎年とりくんでいる、被爆者の聞き取りをまとめた『ピカに灼かれて』(英訳付き)の冊子を持って行きました。前上級代表のドゥアルテ氏にも差し上げて、こうしたとりくみをしている日本の青年に一言をとお願いしたら、”Never forget, keep fighting.”というメッセージをくださいました。
こつこつ署名を集めることも、被爆体験の聞き取りや原爆パネル展にとりくむことも、そして、自治体首長や地方議会議長の賛同署名を集めることも、日本政府に核兵器全面禁止の立場に立つよう迫ることにつながります。国際政治の流れも、道理も私たちの運動の側にあることを確信して、まさに”Never forget, keep fighting.”でたたかい続けたいと思います。