9月24日にオバマ米大統領主宰で開かれた国連安全保障理事会首脳級会合で「核兵器のない世界」をめざす決議が全会一致で採択されたことについて高草木博事務局長は26日、談話を発表しました。
安保理決議についての談話
安保理事会が、「核兵器のない世界の条件をつくる」と決議したことで、核兵器の廃絶にいま一歩、道が開かれました。今年の世界大会でも、来春のNPT再検討会議に先立って国連総会や安保理事会が役割を果たすべきだと強調し、オバマ大統領にも、そのことを求める手紙をおくった直後のことでした。
決議は、核軍縮・廃絶に関わる措置や全面完全軍縮条約についての交渉も呼びかけました。核保有国がこれまでNPT6条の義務を履行しなかったことが拡散の原因にもなってきたわけで、決議がその履行を呼びかけたことは歓迎です。
しかし、いまの世界の流れは、核兵器を他の兵器から切り離しても、優先課題として禁止し、廃絶することを求めています。その具体的なステップを求めて、次回NPT再検討会議に向けさらに世論を強めたいです。
もうひとつ、鳩山首相が、核兵器を使われた側の道義的責任として非核の道を選んだと述べ、核兵器廃絶の先頭に立つことや非核三原則を堅持することを明言したことも、評価したいです。これらの点も、まさに原水協として鳩山内閣成立の翌日、外務省経由で要請していた点です。
核兵器の拡散はもちろん危険ですが、核兵器の廃絶は、持っている側が無くすことを決断しなければ実現しません。日本は、実際に核の惨禍を体験した国として、しっかりとものを言う権利も義務も持っている。それを国際政治でも国民的な運動でもしっかりと実行していかねばならないと思います。
2009年9月26日 原水爆禁止日本協議会事務局長 高草木博