日本原水協の高草木博事務局長ら7人の代表は9月16日、アメリカ大使館を訪れ、原水爆禁止2009年世界大会で採択された「核兵器のない世界のために―長崎から各国政府への手紙」の申し入れを行いました。応対したのは、ジェローメ・ライアン政治部担当二等書記官。
高草木事務局長は、「手紙」はオバマ大統領の「核兵器のない世界の平和と安全を追求する」との表明を歓迎し、この機会を「核兵器の完全廃絶に結実」させるようよびかけていること、そのため、2010年5月のNPT再検討会議を核兵器全面禁止廃絶条約実現のための具体的一歩を踏み出す場にするよう求めていることを説明しました。
さらに、高草木氏は、オバマ大統領のエジプト・カイロでの演説への共感を表明し、「既存の核保有国が自らの核兵器を正当化する限り、拡散も防ぐことはできない」ことを強調。「核兵器は諸国民の合意の上に、法によって等しく禁止すべきである」と述べ、国連安保理の常任理事国でもある核保有5カ国が、当面する安保理会合および国連総会でイニシアチブを発揮することを求めました。
申し入れに応え、ライアン書記官は、「手紙」とオバマ大統領宛の「2010年NPT再検討会議にむかって核兵器全面禁止の合意追求と協議開始を」の手紙を、本国に送付することを約束しました。また、長年核不拡散・軍縮に携わっている自らの経験から、「オバマ大統領のプラハ演説で本当に状況が変わった」と述べ、最近の核兵器をめぐる活発な動きを歓迎し、今後の進展についても期待を表明しました。
同席した新日本婦人の会の玉田恵副会長は、日本各地で姉妹都市協定を結んでいるアメリカの都市にも被爆組写真を送り、ハワイのホノルル市長からも礼状が届くなど、活発な草の根の平和活動を紹介しました。全労連の中山益則常任幹事は、2010年NPTに向けて、日本、インド、アメリカの労働組合の共同が広がっていることを伝えました。
申し入れには、その他、石村和弘(東京原水協事務局長)、内田文子(国分寺原水協事務局長)、土田弥生(日本原水協事務局次長)の各氏が同席しました。
申し入れ書(PDF)
090916_Obama_request_paper.pdf