埼玉県原水協は1月21日、「核兵器全面禁止のアピール」署名の大飛躍めざす1.21「学習・交流集会」を開きました。
朝からみぞれ交じりの冷たい雨が降り、王子駅前の飲食店街の火災による送電線切断、信号故障で高崎線、宇都宮線、京浜東北線などの運休・遅延も重なりましたが、全県の8団体、11地域原水協から43人が参加。プロジェクターを駆使した日本原水協・安井正和事務局長の講演に聞き入りました。
安井事務局長は、「2011年の行動で、『核兵器全面禁止が世界のゆるぎない流れ』となっていると確信した」と強調。国連総会や国連第1委員会での各国の活動、NATO加盟国内での動き、中南米カリブ海首脳会議・ASEAN外相会議などの動向を紹介しました。
安井氏はつづいて「核兵器廃絶の目標は政府と市民社会の共同の努力でこそ実る」と述べ、セルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題担当上級代表の第1委員会開会演説や潘基文国連事務総長の東西研究所での講演で、原水協がNPT再検討会議に提出した700万筆の署名が紹介されたこと、昨年3月、原水協の署名が国連本部の常設展示にされたことなどを紹介しました。
安井氏はまた核兵器禁止に背を向ける日本政府を「『核兵器廃絶』を口にするが、それを実行する努力は拒否」と厳しく批判。「核の傘」では日本の安全は守れないこと、国民は「非核3原則」を支持し、非核自治体宣が86.9%に拡がっていること、普天間基地の無条件撤去を求める運動や原発ゼロ、エネルギー政策の転換を求める声の高まり、TPP反対、年金・社会保障改悪への怒りなど、「国民世論はアメリカ言いなり、財界言いなりの政治に批判を強めている」として、「日本を非核の方向に変える大きなチャンスを迎えている」と強調しました。
安井氏は最後に「核兵器のない世界の扉を開くために、新アピール署名の飛躍を」と呼びかけ、全日本仏教会との懇談、北海道七飯町の経験、新春の各地の署名行動などを紹介。3・1ビキニデー、4月末のNPT準備委員会に向けて署名の大波をと訴えました。
質疑応答では、たくさんの質問が寄せられ、一つひとつ丁寧に回答がありました。
参加者の感想
原水協の署名が国連本部に常設展示されていること、国連の事務総長やドゥアルテ上級代表が演説で原水協の署名に言及していることなど、草の根の運動が世界を動かしているんだと実感できました。その一方で、日本政府の態度には本当に腹が立ちます。(春日部市議 卯月武彦)
昨年秋の国連総会で新アジェンダ連合の提案に169カ国、核兵器禁止条約の交渉開始を求めるマレーシア提案には130カ国が賛成(中国やNPT参加外のインド、パキスタン、北朝鮮も)するなど、私たちの新アピール署名に託される「世界から核兵器をなくしたい」思いは、確実に国際政治に届き、次回のNPT再検討会議にむけて核兵器廃絶の流れが広がっていることが確信できました。(新婦人浦和支部 関原雅子)
(2012年2月6日付「原水協通信」埼玉版第133号より)