赤十字社および赤新月協会国際連盟は11月26日、スイス・ジュネーヴで開催した運動代表者会議で、核兵器廃絶を呼びかけ、傘下全組織に対し、人類の破滅に至る核戦争の結末について、啓蒙活動を行うよう要求する決議を採択しました。
これは昨年4月20日、赤十字国際委員会(ICRC・本部ジュネーブ)のヤコブ・ケレンベルガー総裁が各国の駐ジュネーブ外交官に向けて、二度と核兵器が使用されることのないように訴えた演説に続くもの。さらに今回の決議には日本赤十字社が共同提案に加わっていることも意義深いです。
決議は、核兵器廃絶が「国境や政党の垣根をのり越えるべき課題であり、まさに私たち人類の存続を保証するために、この惑星のすべての市民にとっての、共同スローガンであるべきだ」と訴えています。また、「危機に際し、最も救助を必要とする人々の健康維持、救済に携わってきた医療関係者として、核兵器爆発に対する妥当な医療対処は誰にもできない。唯一の処置は、未然の防止である」と指摘しています。
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★ICRCとは
戦時救護を目的として1863年に設立された、最初の赤十字機関です。ICRCはスイスも含めた全ての国から独立しています。2009年現在、全世界で12,000人以上のICRC職員が活躍しています。主な任務は次のとおりです。
・ 紛争時に、中立機関として犠牲者の保護と救済にあたること
・ 赤十字の基本原則が守られるようにすること
・ 新しい赤十字社・赤新月社の承認を行うこと
・ 国際人道法の研究と普及を推進し、人道法が守られるようにすること
2009年2月3日、ICRC駐日事務所が日本に60年ぶりに設立されました。「紛争の犠牲になっている人々に寄り添い、人間の尊厳と生活を守る。」という理念のもと、紛争下で苦しんでいる人々を救う国際人道法及びICRCの活動の重要性を、日本に広く普及するべく尽力しています。