国連軍縮週間の10月25日、26日に日本原水協が実施した各国大使館訪問、外務省・厚労省、軍縮議連国会議員への要請行動のなかで、私は、26日のニカラグア大使館要請行動に参加しました。ニカラグア大使自らが、私たちの要請を受けてくれました。
要請代表団から、核兵器禁止条約締結のための交渉開始を求める署名活動を紹介しながら、国連や国際政治の場で活動してほしいと要請しました。
ニカラグアは非同盟諸国の一員として、核兵器廃絶のために積極的に活動している国のひとつです。要請団一人ひとりからも、各県の活動を紹介しながら、要請を行いました。
私は、長野県のとりくみを紹介し、非同盟諸国はじめ国際社会の核兵器廃絶への積極的な活動に勇気づけられていること、核兵器はなくすことができると確信していることを伝えました。大使は私たちの話を、メモを取りながら熱心に聴いてくれて、時間を大幅に超えて、次のように熱く語りました。
「正義・人道・大義のために活動しているあなた方に敬意を表する。破壊をもたらす核兵器は廃棄することが必要だ。私たちはいま大きな複雑な課題に挑戦している。資源も宇宙も科学の力もいま、一握りの国が権力を持ち独占している。これをどう解決するかが課題だ。ニカラグアは小さくて農業中心の国、でも核も破壊兵器も持たない。貧困と悲惨な生活から抜け出して、名誉と尊厳を持ってすすみたいと願う。水・土地の豊かな国で火山や川もある。自然エネルギーを生み出せる国、原発も必要ない。しかも国民は若い世代が多い。アメリカの介入に抵抗し、独裁政権を倒し、平等な国を作った。それ以来、政府は非核の政策を掲げている。みなさんの要請には100%賛成する。これまでもこれからもみなさんの活動を応援していく。153すべての市町村が世界平和市長会議に参加し、今度ニカラグアがその国際事務局を引き受けることになった。広島・長崎の市長とも懇意にしていて兄弟だと思っている。私も来年は原水爆禁止世界大会に参加したい。大統領にも広島・長崎・福島を訪れるよう進言したい。いま広がりつつある思いや意志を結集して、共同戦線を作り上げる時だ」
アメリカ大使館を訪問した要請代表団に対して入り口で事務官が15分だけ対応したという実態と対比して、核兵器廃絶で奮闘する非同盟諸国の歓迎ぶりは際立っています。要請団は、大使の誇り高い語り口に大いに励まされ、ともに活動する仲間という連帯感を感じ、深く感動しました。
(2011年11月6日付『原水協長野』通巻300号より)