島根県議会は9月29日の本会議で、37全議員提案による「非核平和宣言」を全会一致で決議しました。2月の定例議会で姿勢を問われた溝口善兵衛知事は「非核三原則が国会で決議されている」として県として宣言をしない考えを示しており、議会が決議することになったもの。中四国、九州の17県で宣言をしていないのは島根だけでした。決議には、郷土の歴史と文化、豊かな自然を守る決意とともに、「世界唯一の核被爆国として、ヒロシマ・ナガサキの悲劇を繰り返さないために、核兵器の廃絶と軍縮を世界に強く訴えていかなければならない」と訴えています。
「島根県非核平和宣言」に関する決議(全文)
平和な世界の実現は、島根県民全ての願いであり、人類共通の悲願である。
しかしながら、第二次世界大戦後60年以上を経た今日なお、民族・宗教・経済的利害の対立などにより、世界の各地で武力行使が行われ、子どもたちや女性をはじめ、多くの人々がその惨禍に苦しんでいる。
また一方で、核兵器廃絶の願いもむなしく、アジア諸国における核開発疑惑など核兵器の拡散が懸念されている。
このような状況の中、私たちは世界唯一の核被爆国として、ヒロシマ・ナガサキの悲劇を繰り返さないために、核兵器の廃絶と軍縮を世界に強く訴えていかなければならない。
とりわけ島根には、ラムサール条約登録の宍道湖、世界遺産の石見銀山など豊かな歴史と文化、そして自然がたくさんある。この美しい郷土を守り、豊かな歴史と暮らしを未来へ伝えるために、戦争のない平和な世界を構築していかなければならない。
私たち島根県民は、戦争も核兵器もない平和な世界を実現するために全力を尽くし、平和で豊かな暮らしを次の世代に引き継ぐことをここに宣言する。
以上、決議する。
平成20年9月29日 島根県議会