ゲディミナス・リムデイカさんから活動が掲載されたリトアニア語新聞記事が送られてきました

2004年にトラカイ・ロータリー会長をつとめ、リトアニア国内のウクライナ人支援プロジェクトのコーディネーターとしてウクライナ市民と子どもたちのための緊急人道支援募金「ひまわり募金」を活用してくれたゲディミナス・リムデイカさんから、活動が掲載されたリトアニア語新聞記事が送られてきました。日本語訳を紹介します。

トラカイで2000年にロータリー・クラブが活動を開始したのは、ごく最近のことのように思われます。この間、地域社会の生活の質を向上させ、他の人びとの職業活動を支援し、国際的なロータリーの会員として世界的な規模で活動し、世界平和を推進するために、多くの意義ある慈善活動がおこなわれてきました。トラカイのロータリアンは毎年、さまざまなプログラムを実施しています。学校、幼稚園、図書館、職業上の高みを目指して努力する若者たちを後援しています。クラブの活動は、海外のパートナーとの交流にもつながっています:デンマーク、ポーランド、ウクライナ、そして日本です。日本の代表団も何度かトラカイ・ロータリークラブを訪れています。

2022年、ロシアがウクライナを攻撃した際、日本の原水協(日本の原水爆禁止運動団体)が、ウクライナ難民支援のために当クラブに協力を申し出てくれました。そのために、私たちは多額の資金を提供されました。日本の憲法第9条は、いかなる軍事活動にも参加すること、武器を持って支援すること、またはこれらの活動に直接関連するその他の仕事をすることを認めていません。

そこで、トラカイ市とエレクトレナイ市に住むウクライナ難民を支援することになりました。市町村の協力を得て、私たちは難民を登録し、彼らが最も必要としているものを突き止めました。彼らは、住む場所、衣服、靴、ナイフ、フォーク、日用品、食料、小さな子ども用のおしめなど、あらゆるものを必要としていました。子どもたちが母国語で遠隔教育を受けられるように、パソコン、タブレット、電話などの通信手段を緊急に提供しなければなりませんでした。障害児のいる家庭は多くの問題を抱えていました。リトアニア赤十字社は、こうした家族を見つける手助けをしてくれ、私たちは特別な車椅子や医薬品、その他の物資を購入することで彼らを支援しました。

また、数年前にリトアニアの学校、図書館、文化センター、リトアニア共和国議会、政府庁舎で開催された一連の写真展についても触れたいと思います。これは、ヒロシマとナガサキの悲劇に関する30枚の写真を展示したもので、特に学校での教材として高い評判を得ました。

日本は今年、1000隻を超える日本の漁船が出漁していたビキニ環礁で水爆が炸裂してから70周年を迎えましたが、爆心地に最も近かった第五福竜丸の乗組員23人は特に大きな被害を受けました。この世界会議で、私はトラカイ・ロータリーと原水協の協力についてプレゼンテーションをおこないました。大会のホワイエには、私たちの共同事業に関する大きな写真ブースが設けられ、数千人の大会参加者の関心を集めました。数千人の聴衆が見守るなか、本会議では、原水協の安井正和事務局長と高草木博代表理事に、感謝の印として「トラカイ・ロータリークラブ」と書かれた国旗のタスキが掛けられました。

これもまた、世界の平和の追求、相互理解の追求における誠実な国際協力の一例です。戦争の後にも日々はつづくし、戦争のない日もやってきます。平和こそが、人類が進歩する唯一の道なのです。

ゲディミナス・リムデイカ (2002-2003年度トラカイ・ロータリークラブ会長)

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