今日は、核兵器廃絶を訴え、オルダーマストンにある核兵器工場及び核兵器研究所のある施設を、人間のクサリで包囲する日です。
11時半過ぎ、泊まった教会を出て、核兵器工場へマイクロバスで向かいました。工場の防護フェンス沿いの道に入ると、続々と参加者が集まっています。私たち日本の行進団の中から、「いる!いる!」と、歓声が上がりました。
核兵器工場を包囲した人間の鎖
金網のフェンスには、核兵器廃絶や戦争反対を訴える横断幕やステッカーを貼っています。軍事基地のフェンスに反戦の横断幕を貼るなど、日本では体験がありません。すぐはずされるか、逮捕ものです。イギリスでも、貼紙禁止令はあるそうですが、今日の包囲行動には、許可が出たそうです。「信じられない」。各参加者たちは、持ち場のグループごとに貼りめぐらし、アピールしています。軍事基地のフェンスに「平和」の花が咲いたようです。
イギリスは、国民の反政府抗議行動に対し、日本政府の対応とは違うようです。昨日、メインゲートで核兵器工場の施設責任者に対し、日本の平和行進団が訴えた核兵器廃絶の要請行動には、担当官がゲートの外に出てきて、片山明吉団長(長崎県原水協事務局長)からの要請状を受け取りました。そして、広島の被爆者佐藤良生さん(神奈川県在住)の訴えも聞き、折鶴を受け取りました。
核兵器工場の担当官(左)に折り鶴を渡す被爆者の佐藤良生さん(右)=核兵器工場メーンゲート前、3月23日
核兵器工場包囲行動の開会集会は、12時から始まりました。各ゲートごとなどで集会を開いているようです。「人間の鎖」達成の合図は、午後2時でした。一斉に楽器などの鳴り物と、大きな歓声がこだましました。
日本の行進団は、国連に核兵器廃絶を要請する署名をお願いしたり、「平和」と書いたウチワや、折り鶴をデザインした「NO!NUKES」と書いたバッチを配布しました。周りの人が寄ってきて、積極的に署名するなど、会話がはずみました。署名の集計は、135筆です。
イギリスの参加者たちは、仮装したり、化粧したり、歌って踊り、怒りを表す抗議行動と共に、楽しんでいるようにも見えました。日本の行進団も輪に加わり、「原爆ゆるすまじ」を歌いました。
包囲は、約5㎞のフェンス沿いに5千人が参加し、「人間の鎖」が完成しました。
日本の平和行進団が「原爆ゆるすまじ」を歌う