現行法改正へ 東友会が第3回学習会

 現行原爆被爆者援護法を、国家補償の立場を明確にする法律に変えようと、東友会は9月16日、連続学習会の第3回学習会を開きました。

 講師は、日本被団協の田中熙巳事務局長。会場の平和と労働センターには、新潟、静岡、神奈川、千葉などから駆けつけた人もあり、67人が参加しました。

▲講演する田中事務局長

 

 田中氏は、現行法の前文で定義されている原爆被害は放射線被害だけで、爆風、熱線の複合被害であることが隠されている、これを被爆の実態に書き改めることが、「受忍」論を打ち破る第1歩になるといって、法改正の「田中私案」を示しました。

 「私案」には、死没者への償い、原爆の惨禍を世界のどこにもくり返させない日本国の決意などが折り込まれています。

 被爆者手当を新設し、疾病の重篤度に応じて医療加算をする、疾病の重篤度は政令で定め、医療審査会の審査を必要でないようにするなども、盛り込まれています。

▲熱心に聞き入る参加者

 

 「田中私案」に対する質疑、「被爆2世対策を」などの意見が出され、最後に参加者の女性が「被爆者の国家補償要求は、戦争被害みんなへの補償を求めるものだということが分かった」と発言。これを結びの言葉として閉会しました。

 日本被団協では、10月4日までに、全国の意見を集約し、10月14日に法改正検討委員会での検討を経て、10月21日からの全国都道府県代表者会議で成案を発表したい予定です。(東友会副会長・山本英典)

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