【愛知】「相談ロールプレイ」でシミュレーション―「被爆者支援のための学習会」を開催

 愛知県原水協被爆者連帯部は9月23日、名古屋市東区内にある愛知民主会館2階会議室で「被爆者支援のための学習会」を開催しました。今回のテーマは、今秋の愛知県原水爆被災者の会(愛友会)主催の「被爆者相談会」へのサポート活動です。学習会には、愛友会の役員3人が参加しました。

 はじめに愛友会副理事長の堀三郎さんが認定申請の現状と会の相談活動の様子などを報告。勝訴してきた司法の水準と厚労省との間での乖離の深刻な現状や、9月21日に厚労省が情報開示した却下被爆者の問題は深刻で、愛知でも80~90%が却下されていること、さらに、少なくない被爆者が申請してから随分経つのに音沙汰がないことなど、まさに待ったなしの課題となっています。

 メイン企画である、被爆者相談会の実体験講座「相談ロールプレイ」は、水野秋恵さん(春日井市在住被爆者、愛友会事務局次長)と大村義則さん(県原水協代表委員、被爆2世)にお願いしました。水野さんは実際に相談を受けた被爆者を例にして、次のように大村さんに相談しました。

▲「相談ロールプレイ」を行う大村さん(左から2人目)と水野さん(同3人目)

大村 こんにちは。

水野 こんにちは。

大村 まず、お名前、お住まい、年齢、被爆地など教えていただけますか。

水野 はい、名前は○○、住まいは江南市、年齢は74歳、被爆地は長崎で1・8キロメートルです。

大村 今回はどんな相談でお見えになりましたか?

水野 書類を出したいので。

大村 手帳申請ですか?認定の申請ですか?

水野 認定を受けたくて来ました。

大村 そうですか。被爆した当時の様子を教えてください。

水野 はい、7歳の時、家が壊れて柱の下敷きになったため、手足にしびれがあり、首にも異常があり、仕事ができなくなったんです。原爆のせいだと思います。

大村 病歴はどうですか。

水野 子宮筋腫、ぜんそく、高血圧などいろいろあります。…

学習の努力と一体に援護連帯活動を展開

 ○○さんは申請後却下され、異議申請をしていましたが、今年3月に棄却通知が来てとても落胆していました。直接相談を受けていた水野さんは、納得できなければ訴訟するか、もしくは仕事が出来ない生活状態なら生活保護を申請するか、提案をしました。結局、○○さんの場合は、訴訟をせず、生活保護の申請援助を行い、現在支給されるようになりました。

 こうしたやりとりの後、参加者で意見交換をしました。実際に相談会に参加し、被爆者を前にしたときに、何を聞き出し、どうこたえたらいいのか、簡単なマニュアルをつくることにしました。また、相談会はあくまで入口であり、その後の相談活動に活かすためには、住所連絡先をきちんと聞き、可能なら非会員には愛友会に加入していただくように進めることを確認しました。4回ある相談会には、被爆者支援サポーターとして、3人程度は組織することも確認し、参加者のうち、のべ6人が参加することを表明しました。

 今後、学習会は講座形式にすることを目標に、当面、学習の努力と一体に相談会への参加を強めながら、計画される全自治体要請行動(被爆者行脚)の提案にも積極的にこたえつつ、とりくみを強めることを全体で確認しあい閉会しました。

(愛知県原水協事務局長・佐竹康行)

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