核兵器禁止条約の批准50か国にあたっての談話
1、本日、核兵器禁止条約の発効に必要な批准国が50か国となった。条約は90日後の2021年1月22日に発効する。条約の発効により核兵器は違法化され、国際社会の規範として核兵器の使用を含むあらゆる活動が禁止される。核兵器禁止条約は核兵器廃絶への重要な一歩である。これは、核兵器の禁止・廃絶を求めてきた被爆者や世界と日本の運動、諸国政府とその共同の努力の大きな成果である。
2、核兵器禁止条約の成立と発効は、国際政治の主人公が少数の大国ではなく、多数の国ぐにの政府と草の根の市民社会であることを示している。核保有国と核依存国はなお、核兵器=安全の保障という虚構にしがみついているが、核兵器禁止条約の発効によってその道理のなさはいっそう明らかとならざるを得ない。核保有国や「核の傘」依存国で活動する世界の反核平和運動、市民運動に、禁止条約への自国の参加を求める連帯した行動の強化をよびかける。
核兵器禁止条約の発効を力に、核兵器の完全廃絶を迫る国際世論の発展へ、被爆国の運動として先頭にたって奮闘する。
3、日本政府は、唯一の戦争被爆国として、世界の努力の先頭に立つべきである。「橋渡し」などと言いながら、実際には米国の核兵器に依存し続ける態度は、被爆者からも世界からも失望を買っている。日本政府に対して核兵器禁止条約を直ちに署名・批准するよう要求する。
「日本の禁止条約への参加」の一点で、さまざまな意見や立場の違いをこえて、国民的行動を前進させるために全力を尽くす決意を表明する。
2020年10月25日 原水爆禁止日本協議会
事務局長 安井正和