【原爆症認定】被爆実態に即した公正平等な被爆者行政を 日本被団協、厚労大臣と定期協議

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、原爆症認定集団訴訟全国原告団、同全国弁護団と根本匠厚生労働大臣との定期協議(6回目)が12月20日、厚生働省内で行われました。

日本被団協は、「原爆症認定制度のあり方に関する提言」の実行、および「一連の高裁判決を踏まえた原爆症認定基準に関する当面の要求」を早急に実現することを求めました。

日本被団協の木戸季市事務局長は、「被爆者の実態に即した公正平等な被爆者行政を行ってほしい」と強調し、「当面の要求」として、「がん・非がんの区別なく、疾病、被爆距離、入市時間・地域を一本化したもので、現行法の改正を必要としない。大臣の決断で実行できる要求です」と説明しました。

ノーモア・ヒバクシャ訴訟の高裁判決で14日勝訴した山本英典さん(ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団長)は、厚労大臣に上告しないよう直接求めるとともに、「全国で30名余の原告がたたかっている。救済をしてほしい」と訴えました。

広島で被爆した山田玲子さん(東京都原爆被害者協議会副会長)、長崎で被爆した横山照子さん(日本被団協代表理事)がそれぞれ被爆体験を語りながら、「一発の原爆が無差別に大量の市民を殺し、その放射能が長年にわたって市民を苦しめ続けている」とし、国の責任ある判断と対処を求めました。

根本厚労大臣は、「裁判は、それぞれの申請時にはわからなかったことが判明する中で個別に判断が求められた。その内容が基準に該当するのであれば、認定してきた。認定基準の見直しは困難。改善できることは改善したい」と述べるにとどまりました。被爆者らは「当面の要求」に基づきながら、その実現を繰り返し求めましたが、答えませんでした。また、厚労大臣は山本さんの判決についての上告断念の要請についても「現在検討中で、コメントは差し控えたい」と述べ、傍聴者からは思わず失望の声が聴かれました。

その他、日本被団協の児玉三智子事務局次長からは、非核三原則の法制化と核兵器禁止条約への署名・批准などを、鹿児島県原爆被爆者協議会副会長で被爆二世の会会長の大山正一さん(日本被団協全国理事)からは、被爆二世を対象として健康診断の充実などを、それぞれ要望しました。

(日本原水協事務局次長・佐竹康行)

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