長野県議会本会議は3月2日、日本政府と衆参両院議長宛に「核兵器禁止条約への署名と批准を求める意見書」を30対24の賛成多数で可決しました。
意見書は「信州・新風・未来(社民・民進系)」と日本共産党の共同提案で提出されたもので、本会議では各議員の記名投票で採決がおこなわれました。賛成討論に立った共産党の藤岡義英議員は、長野県原爆被害者の会の藤森俊希会長の国連会議での発言や核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)ノーベル平和賞授賞式への参列などの活躍ぶりを紹介し、県議会の「非核平和県民宣言」にも触れながら「本日が県議会として核兵器廃絶への大きな一歩の歴史的な日になることを願う」と発言しました。
核兵器禁止条約への署名と批准を求める意見書
地方自治法第99条の規定により、下記のとおり意見書を提出します。
記
核兵器禁止条約は、昨年7月、国連本部での交渉会議において、約3分の2の加盟国の賛成によって採択され、核兵器を国連憲章や国際人道法等に反するものと明確に規定している。
また、この条約では、被爆者と核実験被害者の受け入れ難い苦痛やその被害への援助・支援の責任についても触れているほか、核兵器廃絶を推進する担い手として被爆者を明記していることは、核兵器のない世界を求めてきた日本と世界の世論に誠実に応えるものであり、歴史的な前進といえる。
このような中、日本が、核保有国と歩調を合わせ核兵器禁止条約へ参加しないことに対しては、被爆者をはじめ、国内外から失望や批判の声が広がっており、唯一の戦争被爆国である我が国には、率先して核兵器禁止条約に参加し、核保有国と非保有国との橋渡しを行うことが求められる。
よって、本県議会は、国会及び政府において、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界を実現するために、核兵器禁止条約への署名と批准の手続きをすすめるよう強く要請する。