基地・日米軍事同盟強化反対のたたかい

セッション2 東アジアの軍事主義拡大と反戦平和運動での日本平和委員会代表・田中優行さんお発言を紹介します。
基地・日米軍事同盟強化反対のたたかい
2007・5・26 日本平和委員会 田中優行
はじめに、沖縄県名護市辺野古への新米軍基地建設反対の運動の先頭にたってきた地元の住民組織「命を守る会」代表金城祐治さんが、先日19日に亡くなられました。戦争でなく、平和な世界を求める皆さんとご冥福を祈りたいと思います。
いま日本では、「アジアと世界のための日米同盟」の名のもとで、日米軍事同盟を世界規模で侵略的に強化する道をおしすすめています。それは、無法な戦争をすすめ世界から孤立するブッシュ政権と「価値観」や「戦略目標」を「共有」し、世界的な規模でアメリカの戦争に加担する“血の同盟”をつくろうとする、時代錯誤の道です。このために、在日米軍基地を世界規模の出撃・司令基地としていっそう強化し、同時に、自衛隊が世界規模でアメリカの戦争に参加できる体制をつくろうとしています。これが、いますすめられている「米軍再編」=「日米同盟の変革と再編」です。


しかし、米軍基地再編強化に反対する自治体・住民ぐるみのたたかいでも、日米政府の総がかりの圧力のもとで一部の自治体が容認に転ずるなどの複雑な事態が生まれていますが、住民の反対世論と運動の中で、ひきつづき22自治体(政府統計)が反対の立場を崩していないことは重要です。
■ 沖縄・名護市辺野古沿岸域への新米軍基地建設をめぐっては、政府は容認派の知事や市長と合意をつくって早期に着工することをめざし、「事前調査」を強行しています。しかし、◇「県外移設」を求める多数の県民世論、◇最新鋭侵攻機オスプレイ配備計画など、実際には「負担軽減」どころか増強以外の何ものでもないこと、◇日本自然保護協会も世界自然保護基金日本委員会も反対していることに示されるように、深刻な自然破壊の計画であること、◇「現計画には反対」「普天間基地の3年以内の閉鎖」という知事公約との矛盾など、問題は山積し、市民・県民のたたかいが続けられています。
■ 岩国基地への空母艦載機移転計画に対しては、昨年3月の住民投票で岩国市民の過半数が反対の意思を示し、市長もこの上に立って反対を貫いています。これに対し政府は市庁舎への補助金35億円を打ち切る暴挙を行い、市議会で受け入れを求める決議が賛成多数で可決されるなど、自治体・住民への激しい攻撃がかけられています。しかし市長は市民と共に反対の立場を貫いています。広島西部の自治体も引き続き反対しています。
■ 横須賀基地に08年8月に原子力空母を配備する日米政府の計画を横須賀市長が受け入れたのに対し、7・9横須賀集会に3万人を結集し、市民は有権者の1割を超す住民投票条例請求署名を集めました。市議会の多数派はこれを却下しましたが、NPOの調査でも配備反対が65%、住民投票は必要が74%という世論結果が示され、市民の共同した運動がひろがっています。
■ 座間市・相模原市への米陸軍第1軍団司令部の移転に先立ち、米軍は先遣部隊を6月にも配備すると表明しています。しかし、両市とも引き続き反対しています。
北朝鮮核開発をめぐる「6者協議」や「東アジア共同体」めざす動きに見られるように、軍事同盟ではなく平和の地域関係をつくることこそ、平和を実現する道であることは明らかです。日本と、韓国、東アジアの平和運動の交流と連帯を訴え、発言とします。

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