【熊本】熊本地裁判決への控訴に抗議

日本原水協は8月11日、7月30日に勝訴した原爆症認定熊本訴訟への日本政府による控訴に対して以下の抗議文を安倍首相、柳沢厚労省宛に送りました。
抗議文
 厚労省は8月10日、さきに熊本地裁が下した原爆症認定集団訴訟の判決にたいして控訴しました。この間、安倍首相は広島・長崎の平和記念式典に出席し、原爆症認定行政に関して見直しを行うとのべたが、あれは一体何だったのでしょうか?
 この訴訟は、昨年来、大阪、広島、名古屋、仙台、東京そして今回の熊本と、すでに6回にわたって判決が下されており、どの判決も放射線被害を過小評価する国の基準とその機械的な適用をきびしくいましめ、被爆状況や健康状況など全体的、総合的に判断することを求めています。
 厚労省の発表は、「認定の在り方」はそれとして「見直しを行う」などと言っていますが、見直しが必要と認めるのなら、ただちに控訴は取り下げるべきです。すでに平均年齢が74歳を越え、被爆に起因するさまざまな苦しみをもつ被爆者に対し、「検討期間」を口実にしてなお裁判を長引かせるその冷淡さこそ、厳しく批判されているのです。
 私たちは、今回の控訴に強く抗議するとともに、あらためてこの間の地裁判決をすべて受け入れ、控訴を取り下げること、さらに被爆と健康の実態に即し、かつ国家補償の精神に立った原爆症認定行政へとただちに改善の努力をはじめるよう強く要求するものです。
2007年8月11日
原水爆禁止日本協議会
内閣総理大臣 安倍晋三殿
厚生労働大臣 柳沢伯夫殿

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