第五福竜丸展示館は今年6月10日で開館30年目を迎えます。
アメリカの水爆実験で被災した第五福竜丸は、廃船処分後夢の島に棄てられていたところを市民による保存運動がよびかけられ、1976年都立の展示館に保存展示されました。
保存がよびかけられた1969年3月に放送されたNHKドキュメンタリー作品『廃船』は、当時の船の姿を記録した貴重な映像であるとともに、原水爆禁止に寄せる人々の思いを伝え考えさせられます。
このたび、NHKの協力を得て上映し、この作品のカメラマンと現職プロデューサーのお話を聞きます。
また、当時の資料をもとに特別展が開催されます。
日時 6月10日(土) 午後1時半~4時
場所 学士会館(神保町) 203号室
参加無料ゲスト
葛城哲郎(カメラマン・『廃船』の撮影・編集・大阪芸術大学非常勤講師)
桜井 均(NHKエグゼクティブ・プロデューサー。教養番組、ドキュメンタリーなどを手がける。著書『テレビは戦争をどう描いてきたか(岩波書店)ほか
工藤爽子(編集者・資料収集等で『廃船』製作をサポート)
*なお午後5時より記念レセプションが同会場で開かれます。
『廃船』(1969年3月22日放送 80分)
ディレクター/工藤敏樹(※) 撮影/葛城哲郎 音声/玉造仁一・栗山忠三 効果・選曲/福島雄一郎 語り/中西龍
東京・夢の島の一角に一隻の廃船がつながれていた。東京水産大学(当時)の練習船「はやぶさ丸」、前身「第五福竜丸」だった。「安全航海記」(66年放送)から取材を継続し、この船の流転と乗組員一人ひとりのその後を徹底して追いかけた執念のドキュメンタリー。この番組を契機に始まった乗組員大石又七さんとの交際はその後も途切れることなく、後に大石さんの著書『死の灰を背負って』(1991年 新潮社)につながった。(『工藤敏樹の本Ⅱ』より)
※工藤敏樹 1933年東京生まれ。1958年NHK入局。数々のドキュメンタリー番組を手がける。代表的な番組に『開眼』(1967年・ABU賞受賞)、『富谷國民学校』(1969年・芸術祭大賞)など。『安全航海記』(1966年)取材の中で廃船となった第五福竜丸(当時・はやぶさ丸)の存在を知り、『廃船』へと発展する。妻爽子さんは当時の新聞報道等を丹念に収集・スクラップし、敏樹氏を支えた。
特別展のご案内
「写真でたどる第五福竜丸展示館の30年展」
6月10日より
都立第五福竜丸展示館(夢の島公園内)
<おもな内容>廃船 船体沈没 保存の声おこる 保存運動 展示館建設から現在まで。
原水爆のない未来へ向けて「第五福竜丸 航海中」をテーマに写真パネルで歴史をたどります。
問い合わせ・申し込み先
財団法人 第五福竜丸平和協会
東京都江東区夢の島3-2
TEL 03(3521)8494
FAX 03(3521)2900
E‐mail fukuryumaru@msa.biglobe.ne.jp