はじめに
ブッシュ政権が推し進めてきたアメリカ主導の「力の秩序」が大きな破たんに直面している。世界の平和世論に挑戦して強行したイラク攻撃と占領が、出口の見えない泥沼にはまり、ブッシュ政権に対して全米の世論、マスコミ、議会で批判が沸騰している。
北朝鮮の核実験をめぐっても、実験への抗議とともに、事態の外交的平和的解決を求める声が国際的なコンセンサスとなった。同時に、核拡散の危険な現実に直面して、国際社会とともに米国内でも、核政策の根本的見直しを求め、「核兵器のない世界」への明確な行動を求める声が大きく広がっている。
巨大企業、米国など大国の政府、国際金融機関が押し付けてきた新自由主義的秩序と収奪に対する世界的な規模の批判とともに、中南米ではこの2カ月、ニカラグア、エクアドル、ベネズエラで政治・経済の主権と資源、勤労国民の生活を守る政権が相次いで成立・勝利した。
日本では、核兵器廃絶の世論、「九条の会」など憲法を守る運動、沖縄、岩国、横須賀、厚木や相模原など各地での米軍基地の再編・強化に反対する運動が大きく前進している。
これらの発展は、原水爆禁止世界大会がよびかけ続けてきたように、「核兵器のない平和で公正な世界」こそが、21世紀の発展方向であることをますます明確にしている。
この内外情勢の発展と日本原水協が果たしてきた役割を確信とし、2007年、日本原水協は、核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶、被爆者援護連帯のメッセージをさらに力強く世界に発信し、アジアと世界の人々との共同・連帯を発展させる。また、核兵器廃絶と平和の秩序に逆行する日本政府の危険な動きへの批判を強め、憲法9条と非核三原則が輝く日本へ、非核平和の国民世論を発展させるために全力をあげる。
破たんする「力の秩序」、前進する核兵器廃絶と平和の力
1) 昨年11月7日の米中間選挙で、共和党が上下両院の両方で大敗して以来、ブッシュ政権のイラク政策に対する国民、マスコミ、議会などでの批判はさらに勢いを増している。1月27日に首都ワシントンをはじめ、全米の主要都市で計画されている反戦行動は、2003年3月のイラク攻撃開始以来最大規模の行動になった。
イラクの情勢は、民間人の死者が攻撃開始以来6万人近くに達し、米兵の死者が3020名、負傷者が22,834名にのぼる(1月15日、国防省発表)など、悪化し続けている。12月初めに発表されたジェームズ・ベーカー元国務長官、リー・ハミルトン元下院議員(民主党)による「イラク研究グループ」の報告も「イラク情勢は重大であり、悪化し続けている」、「成功を保証する道は存在しない」と述べ、ブッシュ大統領自身も「イラクの情勢はアメリカにとっても自身にとっても受け入れ得ないもの」(1月10日演説)と認めざるを得なくなっている。
にもかかわらず、ブッシュ大統領は、同じ1月10日の演説で、さらに2万人を超える陸軍・海兵隊の増派をよびかけ、23日の一般教書演説でも戦争継続、イラク増派と92000の米軍増強を打ち出した。だが、増派がただちに上院委員会で否決されるなど、イラクの事態はいまや、アメリカ国民にとっても「受け入れ得ない」ものとなっている。
日本国民にとっても、自衛隊を撤退させ、米軍の殺りくへの日本政府の加担をやめさせ、国連憲章に基づく正義と平和の秩序を守らせることはいよいよ緊急かつ重要な課題となっている。
2) 世界の流れを特徴付けるこの間のもうひとつの重要な動きは、北朝鮮の核開発をめぐる国際社会の対応である。
10月9日に北朝鮮が強行した核実験は、1992年の南北合意、1994年の米朝「枠組み」合意、2000年6月の南北共同宣言、2002年9月の日朝平壌宣言、2005年9月の六カ国協議声明など、これまで北朝鮮自身も加わって協議された朝鮮半島非核化のすべての合意に反するものであり、どのような口実をもってしても正当化できるものではない。
これにたいして、国際社会は一致して北朝鮮の核開発に抗議し、核開発計画の停止を要求した。同時に重要なことは、国際社会がさまざまな相違を越え、事態の外交的平和的解決で一致し、六カ国協議の再開へと動いたことである。国連安保理事会の審議では、日米が軍事的制裁の可能性も排除しない厳しい表現を主張したが、採択された決議1718号は、制裁内容を憲章41条の非軍事的措置に限定し、「全関係国による外交努力の強化」を求めるものとなった。また、懸念されていた北朝鮮に出入りする船舶の積荷検査の「協調行動」でも、「自国の権限と法律に従い、また国際法にそって」と、国際法の制約が課された。
これらの合意は、なによりも事態の平和解決を求めるアジアと世界の平和世論を反映するものである。北朝鮮の核への固執、日米が核「抑止」と同盟体制強化で歩調を合わせ、憲法改悪の動きを加速させるなど、なお前途は予断を許さないが、六カ国協議再開のうごきも進んでいる。
この事態を正しく解決し、北東アジアの平和と非核化を推進していくためにも、アジアと世界の反核平和運動と連帯し、日本で憲法9条と非核三原則を守る世論と運動を強めることが決定的に重要である。
3) 核兵器廃絶と核不拡散の危険をめぐって、あらためて核保有国、とりわけブッシュ政権に対して、核兵器廃絶への行動を求める声が世界的に強まっている。
次回NPT再検討会議の第一回準備委員会を前に、昨年12月におこなわれた国連総会での軍縮関連決議では、核兵器廃絶の「明確な約束」の実行を求める新アジェンダ連合の決議が157対7の大差で可決されたのをはじめ、核兵器廃絶にいたる交渉開始を求めたいわゆる「マレーシア」案も125対27、核軍縮と廃絶を求める非同盟諸国の包括的な「核軍縮」決議も115対48と、それぞれ新たな前進を示した。
注目すべきことは、膨大な自国の核戦力をさらに強化し、あくまで力ずくで他国を抑え付けようとするブッシュ政権の戦略に米国内でも新たな批判が急激に広がっていることである。1月4日にはキッシンジャー元大統領補佐官など4人の国務長官、国防長官などの経験者までが、そうした力一辺倒のやり方の危険を指摘し、ブッシュ政権に対して「核兵器のない世界という目標を共同の事業に変えるために集中的に努力」することを第一の目標として要求した。
こうした動きは、核兵器廃絶を「全人類の死活にかかわる最も重要かつ緊急」(「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」)の課題として、よびかけてきた日本原水協の役割に確信を与えるものである。戦争と「力の秩序」に反対し、平和の秩序を確立する諸国民の運動とともに、世界の反核運動と連帯して、核兵器廃絶のイニシアチブを発揮することがいよいよ重要である。
逆流を打ち破り、非核三原則と憲法9条を輝かす非核平和の日本を
国際政治が、北朝鮮に核開発を断念させ、同時に問題の平和解決に動いているなかで、安保理事会の議長を務めていた日本で中川昭一自民党政調会長や麻生外相は、日本の核保有論議を肯定する発言をくり返した。こうした態度は、世界で唯一の被爆国として国連でも核兵器全面禁止にイニシアチブを発揮すべき立場にある日本の閣僚や政治家としての資質ばかりか、北朝鮮の核開発を批判する道義的資格さえ疑わせるものである。
しかも自民党政権は、北朝鮮の無分別な行動を最大限に利用してブッシュ政権譲りの「脅威論」を煽り、「抑止力」、「核の傘」などの名でアメリカの核戦略に無批判に協力し、米軍の作戦範囲を地球的規模に広げる在日米軍基地の再編・強化や米軍の作戦体制との自衛隊の一体化、横須賀の原子力空母の母港化、さらには有事法制から教育基本法の改悪、防衛庁の省昇格と自衛隊の海外派兵の本格化、そして憲法改悪へとひた走っている。
また、北朝鮮への対応を口実に、アメリカの先制攻撃戦争を補完する「ミサイル防衛」を加速させ、迎撃ミサイルの前倒し配備、在日米軍への迎撃ミサイル配備の要請、さらには憲法改悪以前にも米国をねらう弾道ミサイルの日本での迎撃など、従来、政府自体が憲法に抵触するとしてきた行動さえ正当化しようとしている。これらの動きはきわめて重大で危険な動きである。また、核積載艦船の領海通過も「緊急事態の場合はやむをえない」(久間防衛庁長官-当時)という久間発言に見られるように、非核三原則を公然と骨抜きにする動きも起こっている。
「日本とNATOは…ともに行動すべき」、「自衛隊の海外活動もためらわない」などという、1月12日の安倍首相のNATO本部での発言もこうした背景の下でおこなわれたものである。
だが、こうした動きは、紛争の平和的解決と平和、核兵器の廃絶を求める世界の大勢にたいする逆行であり、なんの未来もないものである。武力攻撃と核脅迫の政策を進めてきた当の米国でさえブッシュ政権が国民から見放されようとしている。北朝鮮の核実験直後の国会審議で、安倍首相が「非核三原則を守る」「軍事衝突にならないよう全力を挙げる」と言明せざるをえなかったのも、こうした内外の流れを考慮せざるを得なかったからである。
北朝鮮の核開発問題をめぐっても、アジアの平和と日本の安全のためには、なによりも被爆の体験と戦争放棄の憲法9条を持つ国として徹底した非核平和の外交を展開すべきであり、そうしてこそ時代の流れに沿い、アジア諸国民の信頼を得ることができる。
2007年の活動全体を通じ、日本原水協が核兵器廃絶の役割とともに、アジアと世界の平和の流れと連帯し、非核の「国是」と憲法9条を担う国民的運動として、全国の草の根から世論を強め、共同を広げることがいよいよ重要になっている。そのために、2007年度の運動として、以下の諸活動をおこなう。
2007年度の活動計画
Ⅰ 核兵器全面禁止のための内外での行動と連帯
1) 2010年NPT再検討会議のための第一回準備委員会(4月30日~5月11日、ウィーン)、世界大会、2007年国連総会の軍縮審議(10月)にむけてひき続き「すみやかな核兵器の廃絶のために」の署名を発展させる。核兵器全面禁止への具体的行動を求め書簡や声明の発表、要請代表団の派遣などに取り組む。10月、第2回目の「すみやか」署名国連提出行動をおこなう。
国際平和ビューロー、婦人国際平和自由連盟、各国の反核平和運動などと協議し、核兵器廃絶を共通目標とした、協調行動を追求する。
2) 日本政府にたいし、新アジェンダ連合、非同盟運動などと協力して、国連総会、NPT再検討プロセス、ジュネーブ軍縮会議などで核兵器全面禁止実現のイニシアチブを発揮するよう要求し、国民世論を高める。
3) 「すみやか」署名を促進する。毎月の6・9行動を全国すべての地域原水協・加盟団体が取り組む行動とするよう全力を挙げる。3・1ビキニデー、平和行進、8月の世界大会、10月の国連提出行動を節目とし、とりわけ平和行進では、通過するすべての市区町村であらかじめ首長、議会議長、議員、教育委員、町内会長など地域的影響を持つ人たちに賛同と協力を申し入れ、署名行動を全国の草の根に定着させる。ポスター、ビラや演説サンプルなどを新たに製作し、普及する。
4) 核兵器廃絶、朝鮮半島の非核化、アジアでの核兵器廃絶と平和のための連帯の発展などをめざして、北東アジアの反核平和運動の協力・連帯・交流を強化する。
韓国の反核平和運動との連帯を強め、反核平和大会(5月下旬予定)や平和行進などへの参加やその他の交流を促進する。また、韓国被爆者への支援と交流を発展させる。
中国人民平和軍縮協会の招請に応え、6月を目処に意見交換と交流のための代表団を派遣する。
Ⅱ 憲法9条と非核三原則をまもる平和で安全な日本をめざして
1) 憲法9条と非核三原則に基づく非核平和の外交を要求する。北朝鮮の核問題を、六カ国協議の枠内で、外交的平和的手段によって解決することを強く要求する。北朝鮮問題を利用した日本核武装論や「核の傘」への依存、核持ち込みの正当化や非核三原則のじゅうりんの動きを厳しく批判し、核持ち込みを認める密約をすべて公表・破棄することを要求する。
日本政府が、核兵器廃絶の提唱と核兵器をもたず、つくらず、持ち込ませずの非核三原則の厳守を内容とする「非核日本宣言」をおこない、国連と192の加盟国政府に対して通告することを申し入れ、自治体や内外の広範な人々・団体に賛同をよびかける。これは日本政府が「国是」や国連総会への提案として推進することを公約していることであり、この提唱は、思想信条、政治的立場の違いや国境を越えて誰もが支持できるものである。
2) 横須賀の原子力空母母港化反対をはじめ、地球的な先制攻撃体制をさらに強める在日米軍の再編・強化、米軍と自衛隊の作戦一体化、核積載艦船の民間港への入港などに抗議し、全国の自治体・住民の運動との連帯を強める。非核「神戸方式」の成果を国民に知らせ、全国に広める。
アメリカの先制攻撃戦略の一部を担う「ミサイル防衛」計画の中止、すでに配備した迎撃ミサイルの撤去と新たな配備の中止を要求する。
3) イラクからの航空自衛隊の即時撤退を要求し、いっさいの自衛隊派兵計画やイラク派兵法の延長に反対する。
4) 全国の自治体で、これまで採択されてきた「非核宣言」にもとづく非核平和行政の具体化を求め、この間の市町村合併で新たな宣言が必要とされているところでは、「非核宣言」や核兵器廃絶、非核三原則とともに憲法9条をも擁護する「非核平和宣言」などを推進する。
国民保護法のもとでの核攻撃を想定した避難訓練などの強要に反対する。自治体にも、このような訓練の押し付けを拒否し、国に核兵器廃絶の外交努力を迫るよう働きかける。
5) 憲法改悪を許さず、9条をまもる広範な国民運動で積極的役割を果たす。
Ⅲ 被爆の実相の普及、原爆症認定訴訟支援、被爆者との連帯の強化
1) 世界各国にひき続き被爆の実相を訴え、核兵器廃絶・被爆者支援の国際連帯を強める。
韓国での交流の際に、日韓の反核運動・被爆者運動が共同で被爆の実相の普及・原爆展などに取り組むことを追求する。10月の国連軍縮週間に、新アジェンダ連合国・非同盟運動次期議長国のエジプトで、同国政府の後援も得て原爆展を開催する。現在、ローマで開催が準備されている原爆展をはじめ、世界各地での原爆展開催を支援する。
全国で、被爆組写真の普及や「原爆と人間展」を活用した被爆の実相の普及を促進する。6・9行動での展示などとともに、8月6日、9日には、全国の自治体にも「原爆展」の開催や原水協と被爆者による取り組みへの支援をよびかける。
2) 全国でたたかわれている原爆症認定集団訴訟(2月3日現在22都道府県16地裁2高裁)は、原爆症認定を求めるとともに、それを通じて核兵器廃絶の死活的重要性を訴える重要なたたかいである。被爆者の認定申請、集団訴訟への支援を強め、原爆の被害をことさらに小さく見せる政府の不当性を告発し、原爆症認定行政をただちに、抜本的改善するよう要求する。現在、訴訟が行われている都道府県はもとより、すべての都道府県・地域で原告の訴えを中心に被爆者の声を広め、署名、募金、傍聴、認定制度・援護行政の抜本的改善を求める自治体への意見書採択の働きかけなどの取り組みを圧倒的に強化する。厚労省に対する要請行動や交渉を強める。
3) 日本原水協の基本三目標のひとつである「被爆者援護連帯」の活動を、すべての加盟団体、すべての地域原水協の日常的取り組みとするよう全力をあげる。
被爆者健診、年末をはじめとするお見舞い活動とともに、被爆者団体そのものの支援を含め、日常的な連絡とそれぞれの実情に応じたきめの細かい支援が必要になっている。また、被爆体験とたたかいの継承が被爆者の最大の願いであることを銘記し、毎年の世界大会で取り組まれている青年の被爆者訪問と「継承」の取り組みを支援し、それぞれの都道府県でも具体化する。
原爆症認定訴訟の支援をふくめ、重要性が増している「被爆者援護2000万円募金」を、すべての構成団体が日常的に必ず取り組む運動として大きく前進させる。
4) ウラン採鉱、核兵器の開発、製造、実験などによる核被害者との連帯をひき続き強める。劣化ウランなど核物質の軍事利用に反対し、被害の調査と救済、使用禁止を求める。六カ所村の再処理、MOX燃料計画、廃棄物の埋め立て処理計画など危険な原子力行政に反対し、住民の運動との連帯を強める。
Ⅳ 3・1ビキニデー、国民平和大行進、原水爆禁止2007年世界大会、第三回「世界青年のつどい」の成功のために
1) 世界に核兵器廃絶の声を発信し続けるとともに、緊張する北東アジア情勢の下で憲法9条と非核三原則をまもる日本の平和世論を強め、韓国、中国をはじめ北東アジアの諸国民の運動との協力と連帯を発展させることは、当面の重要課題である。
2007年3・1ビキニデーは、そのための最初の全国的行動として、アメリカ、中国、韓国、フィリピンの代表を招いておこなう、国際交流フォーラム(27日、グランシップ静岡)、日本原水協全国集会(28日、グランシップ静岡)、3・1ビキニデー集会(1日、焼津)のすべてを大きく成功させなければならない。
また、被爆60年を起点に開始された「核兵器をなくそう-世界青年のつどい」の運動が、全国でさらに本格的な発展を遂げるよう、3・1ビキニデーと並行しておこなわれる「青年フォーラム」への参加をすべての加盟団体、都道府県と地域の原水協によびかける。
2) 50回目を迎えた2007年国民平和大行進は、①戦争体制づくりか非核平和の道かが問われる二つの選挙のなかでおこなわれる行進であり、②唯一全国を網羅する行進として、草の根から国民的共同を実現すべき使命を持ち、③その圧倒的な成功を地域原水協の結成へと結実させるべき、歴史的に重要な行進である。行進が、文字通り国民の誰もが参加でき、すべての市区町村を網羅する行進として成功するよう、すべての地域原水協や行進実行委員会に準備をよびかける。
行進が、核兵器廃絶と非核平和の日本への声をひろげ、それを願うすべての人々が参加・賛同する行動となるよう、協議や支持賛同、参加のよびかけを新たな視野で広げる。昨年開始した青年独自の出発集会プログラムや行進隊列の編成など、若い世代の自主性を活かした取り組みをすべてのコースで実現し、市民と若者がさらに参加しやすい行進をつくりあげる。
3) 原水爆禁止2007年世界大会は、8月3日から5日まで国際会議(広島)、5日から6日まで世界大会-広島、7日から9日まで世界大会-長崎の日程で開催される。
この大会を、核兵器廃絶実現へと情勢を切り開く大会、政府、自治体などの公的機関、NGOの共同を世界的な規模で広げる大会、全国の草の根から非核・平和の要求を結集する大会、核兵器のない平和で公正な未来へと若者の希望を結集する大会として成功させるために全力をあげる。
また、加盟団体はもちろん、原水協がつながりを持つすべての団体、階層の人々、北東アジアをはじめ世界の反核平和運動によびかけ、三度目を迎える「核兵器をなくそう-世界青年のつどい」がさらに大きな規模で、未来への希望と若い世代の世界的な連帯の場として、さらに大きな発展を遂げるよう、すべての原水協が、最大限の援助をおこなう。
4) 原水爆禁止運動の統一的発展を願う広範な人々との対話、協力、共同にひき続き、意識的に取り組み、発展させる。
Ⅴ 日本原水協の組織強化、都道府県・地域原水協の確立強化
1) 日本原水協を構成する団体・個人の知恵と意見、経験が、原水協活動にさらに活き活きと反映され、いっそう豊かな発展をはかる。事務局と加盟中央団体、都道府県原水協、個人役員とのつながりをさらに密なものとし、全国理事会をはじめ一つひとつの機関会議への出席や民主的運営を重視する。
国民的な情宣活動、被爆者援護連帯、都道府県・地域原水協の強化など、それぞれの分野の活動を担当する部が掌握し、率先して推進できるよう各部の体制と運営、事務局との連携を改善強化する。
2) すべての都道府県で、世界大会や平和行進、「世界青年のつどい」にとりくむ青年のグループやネットワークを育てる活動を具体化する。青年の自主的動きを尊重しつつ、青年むけの学習会や討論会、原水協学校などを企画する。全国のとりくみや教訓の普及を重視する。
3) 都道府県原水協の組織・財政強化の全国的取り組みをおこなう。
○ 加盟中央団体と協力し、それぞれの地方・地域組織が該当する都道府県・地域の原水協に加盟して活動するよう、縦横から働きかける。また、それぞれの都道府県で、経験豊かな個人や専門家などを個人役員、専門委員、ボランティアなど多様な形態で結集する努力を強める。
○ 機関会議を重視し、現在と将来の活動を支える財政事業問題を正面から議論する。専従、半専従の人件費や各種社会保障をふくめ、1年間の活動に必要な予算額を明確にし、それにふさわしい世界大会への代表派遣と原水協募金、大会資材やちひろカレンダーの普及をすべての加盟団体・個人の力でやり遂げ、財政を確立する。
4) 日本原水協、都道府県原水協の活動を支える共通の基礎として、地域原水協の確立・強化、活性化に全国で取り組む。
団体とともに、これまで世界大会や平和行進を支えてきた多くの草の根活動家を、個人会員や個人理事として地域原水協に迎える努力を強める。まもなく取り組みが開始される国民平和大行進は、すべての地域原水協が加盟団体・個人を結集し、行動する重要な機会である。非核平和の課題が重要になっているいま、地域の非核平和要求を結集し、住民・自治体との連帯を広げる機会として行進を成功させ、その力を地域原水協の確立・強化へと結実させる。すべての個人会員と日本原水協を結ぶ絆として「原水協通信」の普及を強める。
5) 3・1ビキニデー、国民平和大行進、世界大会などの参加者数、ちひろカレンダーの普及など、年間を通じたこれらの活動の指標で、どの分野でも前年(前回)を下回らない取り組みをおこなう。
目前に二つの選挙が迫っているいま、日本が憲法9条、非核三原則の輝く国へと前進できるかどうかに世界の注目が集まっている。その期待に応え、さらに輝かしい2007年世界大会を迎えられるよう、全国のすべての草の根から核兵器廃絶と非核・平和の日本のための行動に立ち上がろう。