東京電力福島第1原発事故の発生から、4年と8か月が経ちました。しかし、いまだに福島では約10万人あまりの人たちがふるさとを奪われ、県内外での避難生活を余儀なくされています。
福島第1原発事故は収束しておらず、原因究明すらできていない一方で、九州電力は川内(せんだい)原発1号機を8月に、2号機を10月に再稼働させました。一昨年の9月にすべての原発が停止してから2年余り、原発なしで国内の電力をまかなえることが事実で証明されています。原発再稼働を強行する根拠はまったくありません。それにもかかわらず、関西電力は高浜原発3・4号機を12月下旬に再稼働させようとしています。
高浜原発3・4号機の再稼働については、今年4月、福井地裁が差し止めを命じる画期的な仮処分決定を出しました。その後関西電力が仮処分決定を不服として異議を申し立て、11月13日に審理が終結しました。決定がいつ出されるかは決まっていません。
高浜原発3号機はプルサーマル運転をおこなった原発で、4号機はプルサーマルを計画中の原発です。プルサーマル発電は、ウラン燃料で運転する原子炉で基本構造を変えないままウランにプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使うもので、いくつもの危険性が指摘されています。しかもプルサーマルに関する基準は福島原発事故以前の旧基準のままで新規制基準に含まれておらず、新たな規制も審査もおこなわれていないままです。広域避難計画もない、新たな規制も審査もない危険な高浜原発の再稼働を絶対に認めるわけにはいきません。
もし高浜原発など福井県の原発で福島原発事故のような事故が起きれば、放射能汚染により広範な地域の人々の命や健康、くらしが脅かされることになります。近畿地方の水瓶である琵琶湖が汚染されれば、死活問題となります。
原発問題住民運動福井県連絡会は12月5日、福井市西公園で「高浜原発3・4号機の再稼働を本気で止める!全国集会」を開催します。全国から積極的に参加しましょう。