徳島県原水協は10日、文学書道館で県原水協の総会を開きました。
山本正美さん(労連)と阿部寿夫さん(生協労組)が議長。服部敏彦代表理事が開会挨拶に立ち「被爆62年、家族全てを失った被爆者、地獄を生き残ってもガンに苦しむ人々。全国・アジア・世界の人々に訴え風化と闘っている被爆者の皆さんがいる」と述べ、「1996年に原爆ドームが文化遺産となり、新たな被爆都市をつくらない運動が広がっています。原爆には勝者はいない」こと、「原爆症認定訴訟で敗訴の厚労省が、やるべきことをやらずに被爆者救済を拒否している。運動を強めて改めさせましょう」と強調しました。
日本原水協、非核の政府を求める徳島の会、とくしま生協からのメッセージを議長が読み上げて紹介。
神野美昭事務局長が経過報告と方針案を提案。河野智之常任理事(教職員の会)が決算報告と予算案を提案。伊藤功会計監査(民商)が監査報告。楠藤義朝徳島民医連事務局長が「国民投票法案反対アピール案」を提案しました。
討論では、新婦人県県本部の祖父江圭子さんから「『平和アンケート』に235名の回答があり、核兵器は『必要』1%、『いらない』96%、憲法9条『知らない』14%、『知っている』85%、核兵器は『なくせる』36%、『いいえ』32%だった」と紹介がありました。そして、「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名を成人式や月例「6・9」行動に大学前で実施。「一人ひとりがピースチャレンジャーになろうと励ましあい、憲法60年にタペストリーを完成させることにしています」と発言しました。
中内輝彦代表理事は、年金者組合の「9の日」署名(憲法・核廃絶)にふれ、「中年のおばさんに“9条って何え”と聞かれた」「吉野川市でも、車の人が“9条って何な”と聞いたとの報告」「運動を広げないといけない」と発言しました。
生協労組の豊田門郎さんは、「毎年四国の生協が共同で、平和の思いをリレー。今年は7月7日に徳島市東新町などで、賑やかなピースアクションパレードを実施します」と発言しました。
改憲のための「国民投票法案」の徹底審議・廃案を求めるアピール
「戦争する国」を狙う「国民投票法案」に強く抗議し反対します
日本国憲法のかかげる平和、人権、民主主義の理念は、国民に広く定着しており、とりわけ第9条は現在も将来においても日本にはもちろん、そして世界の宝です。
政府与党は、この日本国憲法を改定するため「国民投票法案」を国会に提出し、民主党とも修正協議をすすめ、今国会で成立させようとしています。しかし、どのように「修正」しようとも、第9条の改憲を直接の目的とした法案であることは明らかです。
修正案の中身は
① 国民の承認を「投票総数」(賛成・反対の合計)の2分の1以上としており、これは「有効投票」の2分の1以上ということで、少ない賛成で改憲が成立することになる。
②テレビ・ラジオなどの有料意見広告については、投票前14日間は規制をしているが、それ以前は原則自由とするなど、政党の資金力の多寡によって国民の投票意思を歪める危険性がある。
③本来自由であるべき国民の投票運動を公務員や教育者に限って規制する。
など多くの問題点が指摘されています。
「国民投票法案」は、憲法第96条に基づく憲法改正の手続き法であり、その主体は主権者国民にあります。国民の意思を正等に反映しない法案を国民的な議論もないなかで拙速に成立を急ぐことは、国会の歴史に汚点を残す大問題と言わなければなりません。現在審議中の「国民投票法案」は、徹底審議の上、きっぱりと廃案にされるべきです。
政府は8日に設定されていた衆議院憲法調査特別委員会の開催を断念しました。この結果、少なくとも15日の公聴会は開かれないことが確実となりました。安倍首相の支持率低落傾向を憲法改悪のための「改憲手続き法制定」で反動的、ファッショ的に打開しようとする国会運営は、国民的な反撃の前に一定の痛打を受ける結果となりました。
しかし、たたかいはこれからです。引き続き徳島県原水協は「日本の平和を脅かす、改憲のための国民投票法案に断固反対」の立場で、徳島県をはじめとする全国のあらゆる個人・団体とも手を結び、平和憲法9条を守るために奮闘していきます。
そのためにも、政府の狙う「国民投票法案」の本質を広く県民に知らせるとともに『改憲のための「国民投票法案」の廃案を求める請願書』への署名運動をあらゆるつながりを生かし、一気に展開させていきましょう。
本日の原水爆禁止徳島県協議会総会で以上アピールを決議します。
2007年3月10日
原水爆禁止徳島県協議会 総会