日本原水協代表団会議への報告
2015年4月27日
日本原水協事務局長 安井正和
NPT・ニューヨーク行動日本原水協代表団にご参加のみなさん、お疲れ様です。代表団会議への報告をおこないます。
日本原水協の代表団がニューヨーク入りして今日で4日目を迎えました。昨夜遅くにFコースのみなさんが無事到着し、今、この場所には日本原水協代表団全員が勢ぞろいしました。中央団体と都道府県代表、事務局と通訳を合わせて1058人が参加しています。
最初に、参加された団員のみなさん、そして送り出していただいた多くの団体・地域原水協のみなさんに心から敬意を表します。
そして、この後に予定しているシンポジウムにご参加いただくパネリストの方々に、心からの感謝を申し上げます。
私たち日本原水協は、ことし被爆70年を、核兵器廃絶実現の決定的な転換点とするために、核兵器全面禁止の世論結集に全力をあげることを2月の全国理事会で固く決意し、当面する最大の行動として、このNPT・ニューヨーク行動を位置付けて全力をつくしてきました。
この間の核兵器廃絶をめぐる動きを見ても、核兵器全面禁止・廃絶の世界的流れと、これまでの合意に背を向け、「核抑止力」論に固執する核大国との対立が浮き彫りとなっています。核大国の横暴を許さず、新たな前進をきりひらくために、今回のNPT再検討会議は、核兵器全面禁止・廃絶の世論結集のきわめて重要な焦点です。
私たち代表団は、今回のNPT再検討会議で、NPTに責任を負っているすべての国の政府に、2010年NPT再検討会議の合意の履行、核兵器禁止条約の交渉開始に踏み出すよう求め行動すること。そのために、「核兵器全面禁止のアピール」署名に託された核兵器全面禁止の願いをNPT再検討会議に伝え、反映するために署名の現物を代表団員によって可能な限りニューヨークに運び、国連本部前(ハマーショルド広場)に積み上げ、すべての署名を目録としてNPT再検討会議議長と国連代表に提出(4月26日)する。これを任務の第1に据えました。
それが、昨日の私たちの行動でした。アンゲラ・ケイン国連上級代表と今回のNPT再検討会議のタウス・フェルーキ議長に633万6205筆の署名を提出することができました。
ニュースに紹介しましたように、集会で高草木博代表理事は目録の一部を読み上げ、アンゲラ・ケインさんとタウス・フェルーキ議長に、「署名の趣旨である核兵器禁止条約の交渉開始を必ず全加盟国に伝えてほしい。世界の良心に照らしてお願いする」と強く訴えました。
署名目録を受け取ったケイン上級代表は「署名を届けてくれたことに感謝します。とても心強いです。核軍縮は正しいことです。そして、可能なことなのです」と述べ、フェルーキ議長は、「正しい目的に向かって正しいやり方で活動している。核軍縮は政府だけですることではありません。市民一人ひとりの行動があってこそ実現できます。署名は自分自身の意志を表明することができるものです」と、私たちの努力を高く評価しました。
本日、午前10時半に第9回NPT再検討会議が開会しました。昨日の私たちの行動は、会議に反映するのか、固唾をのんで注目しました。
5年前の会議では、前日に署名を受け取ったカバクチュラン議長は、開会総会の冒頭、「私は昨日、署名を受け取りました」と語り、核兵器廃絶にむけた「市民社会の熱意に私たちは応えなければならない」と発言し、私たちに大きな励ましを与えました。
開会総会を傍聴した担当常任理事の川田忠明さんのfacebookから、開会総会の様子を知りました。国連事務次長が潘基文事務総長のメッセージを読み上げ、その中に私たちの署名について、しっかりと触れられました。全文は翻訳ができ次第、みなさんに配布します。川田さんの情報では、潘基文事務総長は、「市民社会は核軍縮において、我々を導く役割をもっている。フェルーキ会議議長がこの会議成功のために集められた様々な署名を受け取った。それらの署名は我々に、市民社会が力強い希望と期待を持っていることを教えている。軍縮のチャンピオンに感謝を表明したい」「被爆者のメッセージは、あらゆる人々に訴える。彼らの瞳を見つめよ。核兵器が何をもたらすかを我々は知るだろう」
みなさん、私たちがこの4年間、粘り強く、集めた署名は、世界189か国の政府代表に伝えられました。
「核抑止力」論にしがみつく勢力を世論と運動で追いつめ、被爆70年を核兵器廃絶の転換点とするために、市民社会の役割、中でも被爆国日本の私たちの運動の役割のきわめて大きいことを、昨日の行動を通じて私はますます実感しました。
本日はじまったNPT再検討会議の議論の中心は何か、私たち市民社会の役割はどこにあるのか、この後のシンポジウムで学び討論しあい、次の行動へと足を踏み出しましょう。
NPT・ニューヨーク行動のとりくみの後には、原水爆禁止2015年世界大会の成功とそれをめざす諸行動が控えています。残された団の行動の一つひとつを成功させ、その成果を次の行動へと前進させましょう。以上で団会議への報告とします。