4月27日のNPT(核不拡散条約)再検討会議を目前に市民社会の代表が集い、核兵器全面禁止を求めて「核のない平和で公正で持続可能な世界をめざす国際平和地球会議」の開会総会が4月24日開かれました。会場となったクーパーユニオン大学のグレートホールは、かつてリンカーンが選挙演説をおこなった歴史的な場所です。
“どれだけの市民社会の声を届けるかは非常に重要です”
アンゲラ・ケイン国連上級代表
18:30の開会冒頭に登場したのは、原水爆禁止世界大会でおなじみのアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表。ケイン上級代表は、「今回のNPT再検討会議は、64の行動計画に合意した2010年の会議の時とは状況が違い、前回よりもっと困難がある」と述べ、「市民社会の中からどれだけの人たちが自分たちの声を届けにくるのかが非常に重要だ」と強調しました。そして、「前日に潘基文国連事務総長に会ってメッセージを託されたことを紹介し、「核保有国は義務を果たすべきであり、核兵器の人道的影響を考慮すべきです。みなさんの活躍を期待します」とのメッセージを伝えました(※メッセージは後日紹介します)。
谷口稜曄さん、セツコ・サーローさんの訴えに参加者がスタンディングオベーション!
2015年のノーベル平和賞授賞候補に推薦されている谷口稜曄さん、セツコ・サーローさんが訴えました。
この会議を核兵器全面禁止実現の確かな一歩にしましょう。
私たち被爆者は、あの日から70年、「核戦争起こすな、核兵器なくせ」「ふたたび被爆者をつくるな」「ヒロシマ・ナガサキを世界のどこにも繰り返させるな」と声を限りに訴え続けてきました。
みなさん、この写真は半年後の1946年1月に撮影されたものです。3年7か月の闘病生活の間、1年9か月うつ伏せの状態で、身動きひとつできなかったので、胸に床ずれができて骨まで腐りました。
この会議を核兵器全面禁止実現の確かな一歩にしましょう。
国際社会の全員を代表し、すべての核兵器を禁止してください。
NPT再検討会議の2日目に被爆者としてスピーチするサーローさんは、スピーチそのものを参加者の前でおこないました。
サーローさんは、オーストリア政府が核兵器の法的なギャップを埋めるよう呼びかけていることに対して、アメリカが賛成しないように働きかけ、日本政府も言葉と行動に矛盾する態度を取っていることを、まるで「腕をねじるようなやり方で、恥ずべきこと」と述べました。
また、NPT第6条が、すべての国に核軍縮・廃絶の交渉義務を誠実に追求し、完結させる義務を負っているにもかかわらず45年も経っていることを批判し、「国際社会の全員を代表して、核兵器を禁止してください。今すぐ廃絶してください」と訴えました。