NPT・ニューヨーク行動に参加する広島の被爆者の忍岡妙子さんは、自分に何ができるのかを考え、国内外のできるだけ多くの人々に被爆の実相と核の現状を伝えながら、核兵器禁止署名を広げることだと決意しました。周りの人々に署名を訴えることはもちろん、修学旅行生への碑めぐりボランティアガイドが一段落した2014年11月中旬からほぼ毎日、原爆ドームのそばに立ちました。
忍岡さんは平和公園を訪れた人に「ボランティア・ガイドをしています。よかったらヒロシマについて話します」とよびかけ、原爆瓦に触ってもらい、また資料を見せながら1日に数回語り、「核兵器全面禁止のアピール」署名をよびかけました。話を聴いた人は必ずと言っていいほど署名に応じてくれます。3月5日現在で9200筆になりました。
署名をしてくれた人たちは、北海道から沖縄までまさに日本国中。外国人も最多はオーストラリアですが、ヨーロッパやアメリカはもとより、グアテマラ、ホンジュラス、モーリシャス、コートジボアール、セネガルなど、署名活動をしなければ会えなかったような人とも、核兵器禁止で一致の握手ができました。
忍岡さんは「これから4月末まで、ニューヨークの街頭で署名の傍ら、被爆者の物語ができるように資料の準備と練習を積まねばと思っています。支援してくださっている多くの人たちの心も一緒に国連に届け、核兵器禁止の力になれたらと願っています」と語ります。
忍岡さんを送り出す広島県被団協は目標の2万筆を突破し、2月28日時点で26,476筆に到達、広島県原水協の加盟団体の中でトップを走っています。同様に行動に参加する山岡美智子さんは、原爆ドーム周辺で人々に署名の趣旨を、外国人には英語で話しかけ、時折、両親の被爆体験を、原爆孤児の話をしながら署名をすすめています。
広島を訪れる外国人はヒロシマへの予備知識をもっており、ほとんどの人が積極的に応えてくれます。署名の3分の2が外国人です。その他の被爆者のみなさんも、仕事の合間をぬって、町内会や平和公園に足を運び、一人ひとりと話し署名をすすめ、ひろげています。
(「被団協」広島県被団協より)