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原水協通信

毎月発行している日本原水協の機関誌です。国内外の反核平和運動についての情報が満載です。 日本原水協のウェブサイト→ http://www.antiatom.org/

「核兵器の全面禁止を!」

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【平和行進】宮崎ー長崎コースがえびの市役所から出発

平和行進スタート

原水爆禁止2015年国民平和大行進・宮崎―長崎コースが6月24日、スタートしました。

宮崎県えびの市役所で開かれた出発集会は、団長の橋村さんのあいさつから始まり、村岡市長のあいさつ、愛知県から参加した竹中さんとNPT・ニューヨーク行動宮崎県代表団の温水武男さんの発言、えびの市議会議長からの激励の言葉などがありました。

▲平和行進団長の橋村さん

▲村岡隆明えびの市長

▲愛知県から参加した竹中さん

▲NPT・ニューヨーク行動宮崎県代表団長の温水さん

▲本石長永えびの市議会議長(左)から激励を受ける橋村団長

▲出発集会参加者

小雨模様のなか参加者は37人でした。

(矢野弘子)

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【香川】平和行進中はサプライズがいっぱい!下校中の小学生が横断幕を持って一緒に行進

下校中の小学生が横断幕を持って歩く(ぼかし)

▲本日のサプライズは高松旧市内に入り、小学生の下校時に行進幕を持って一緒に行進をしてくれました。その距離は数百メートルと自宅への曲がり角まで続きました。

6月15日

東かがわ市は徳島県から引き継いで最初の自治体です。この日藤井秀城東かがわ市長・田中貞夫同市議会議長のペナントを頂きました。そして、藤井市長・田中議長が激励の挨拶。藤井市長は、国会での「戦争立法」を意識して平和行進の大切さを強調し、同時に暑い中での行進に体調を気遣った挨拶でした。また見送りには竹田具治教育長も参加されました。

行進中、対向車の運転手からの手振り、停留所でのバス待ちの方が「がんばって」の声もかかります。その声がかかるたびに、疲れた足が元気に前へ出るように感じます。今日の終結地点では、道の向こう側から「がんばったのー」との大きな激励がありました。

6月16日

小雨の中の行進。道端の田んぼには大きくなった稲が雨に打たれています。三つの峠を越えての行進となりました。雨の行進にとって「元気の素」はなによりも、行きかう車からの「手振り」と「会釈」です。二つの元気の素で何とかさぬき市に到着。

最後にサプライズが待っていました。終結地点の「さぬき市」の庁舎前を歩いていたさぬき市の27歳の男性が、我々の隊列を見て話しかけてきました。平和行進で四国から広島・長崎を目指しているというと「僕にできることはないか?」と言うので署名をお願いすると快諾。行進中の署名筆数は累計18筆になりました。

6月17日

さぬき市の出発式に菊池等副市長が挨拶。昨日の雨の中の行進を労い、平和行進が核廃絶の願いの推進力として、暑い中ではあるが頑張ってもらいたいと激励。

高松市内に入り、昼の牟礼支所で正垣支所長代理が暑い中体調を気遣い、平和行進に敬意を表明。さらに高松市役所到着時、市長代理として松下市民政策局次長から激励挨拶を受けました。市としても平和活動として、来年新設する施設に「平和記念室」を再整備することを強調しました。これに対しお礼の挨拶は、樫昭二代表理事からNPT再検討会議の結果報告と世界大会の意義について解説し、この行進が「核廃絶」の推進力となることを強調しました。

6月18日

雨の中の行進となりました。長尾街道を一路南へ元気よく行進しました。総勢13人の行進となりました。

▲雨の中での行進

木太町の休憩所付近から歩いて近寄ってきた女性が本日のサプライズでした。その方は主人が福島県出身で仕事の都合で香川県にいるとのことです。平和行進のアナウンスで「福島原発事故」の訴えを聞き、かけつけたとの話でした。「大震災の後、ショックで落ち着かない日々を送った」と訴え署名をして頂き激励。

▲休憩所に駆けつけた女性との対話

終結集会では、植松恵美子三木町副町長から激励の挨拶を頂きました。植松副町長は国会での情勢を念頭に、平和行進の意義を評価し、体調を気遣い激励の挨拶としました。また、町職員の皆さんも大勢迎えていただきました。三木町からの「お接待」として、ペットボトル(お茶)と医療生協平井支部の志渡支部長さんと子どもクリニック川田事務長さんからも和菓子を頂きました。

6月19日

毎年好評の直島コース、今年は雨の中の行進となりました。直島は核兵器廃絶署名人口1割達成の数少ない自治体でもあります。この島の由来がそもそも崇徳上皇が讃岐に流されたときに島民の純真素朴を賞して「直島」と命名されたとか。平和行進の代表者が庁舎に立ち寄り、濵中満町長等との懇談ではNPT再検討会議が話題になりました。私たちの活動もよく研究されている印象を受けました。やっぱり「直島」でしょうか。ペナントも快諾、参加者は43人でした。お疲れ様!

▲濵中町長らとにこやかに懇談

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【動画あり】「オールオキナワ」の声を「オールジャパン」に!沖縄県名護市から長崎に向け平和行進が出発

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▲手を振りアピールしながら出発する行進団

2015年原水爆禁止国民平和大行進<沖縄―長崎コース>は6月14日、名護市大浦の道の駅「わんさか大浦パーク」からスタートしました。

▲佐事安夫沖縄県原水協事務局長

180人が集まった出発集会では、佐事安夫沖縄県原水協事務局長が司会を担当。激励・連帯あいさつでは、訪米団長として翁長雄志沖縄県知事とともに米軍新基地建設反対を訴えてきた渡久地修日本共産党沖縄県議会議員が「忌まわしい沖縄戦、広島・長崎に原爆が落とされてから70年。沖縄県民のたたかいは大きく広がり、昨年の選挙では『オールオキナワ』という形で実を結び、前進してきた。島ぐるみのたたかいは全国・世界に広がり始めている。先日も翁長知事とともにホノルル、ワシントンを訪問し、合計55回の懇談、面談、対談をおこなって絶対に新たな米軍基地をつくらせないという思いをアメリカ政府関係者に伝えてきた。多くの方から共感が寄せられた。核兵器廃絶の運動も長年の一歩一歩が世界を動かしている。強権的な戦争する国づくりを進めていく安倍政権打倒のたたかいと合流させていこう」と訴えました。

▲渡久地県議

「日本原水協から事務局長が参加するのは史上初めてのこと」と紹介された安井正和日本原水協事務局長は、「日本がふたたび戦争をする国になるのか、それを止めるのか、重要なたたかいになっている。1958年の第1回行進の際に原子兵器撤去、祖国復帰を掲げて若い方が名護から那覇まで歩いた。草の根からの世論を大きく広げよう。1ヶ月半後に迫った原水爆禁止世界大会にオールオキナワのたたかいをオールジャパンのたたかいにして、広島・長崎に今世紀最大の代表団を送ってほしい。明日翁長雄志県知事と稲嶺進名護市長に手紙を届けて世界大会への参加を要請する。一緒に頑張ろう」と訴えました。

▲安井事務局長

稲嶺進名護市長から、「昭和57年4月に名護市非核平和都市宣言を決議し、平成24年度には平和首長会議にも加盟した。北東アジア非核地帯を求める 国際署名にも賛同している。名護市に住む私たちは普天間飛行場移設問題に関して、辺野古の海にも陸にも新しい基地はつくらせないとの信念を貫く決意であ り、自然豊かな大浦湾の海が見えるわんさか大浦パークから平和行進が出発されることはたいへん意義深いこと」とのメッセージが寄せられ、仲里克次日本共産 党名護市議会議員が代読しました。

▲仲里名護市議

沖縄から長崎まで53日間歩き通す東京・板橋原水協の山内金久さんは、「一昨日、平和丸に乗せてもらい、大浦湾でフロートを越えて海上保安官と対峙した。いま、オール沖縄の声はオールジャパンに広がっている。私は脱原発の金曜官邸前行動には110回参加してきた。戦争する国にはさせない、憲法改悪はとんでもない、原発なくせ、そして沖縄県民の民意に応えて辺野古の基地は絶対に許さない、この4つの思いをしっかりと胸に秘め、私の趣味のトランペットに『原爆を許すまじ』『青い空は』に加えて今年は『沖縄を返せ』『一坪たりとも渡すまい』の音色に込めて長崎まで59日間元気に歩きたい」と決意表明し、「原爆を許すまじ」、「沖縄を返せ」をトランペットでメドレー演奏しました。

▲山内さん

▲トランペットを吹く山内さん

1週間歩く16人の県内通し行進団を代表して団長を務める沖縄県民医連の代表があいさつし、それぞれから自己紹介がおこなわれました。

▲団長

やんばる統一連の吉田務代表は、「日本原水協代表団の一員としてNPT・ニューヨーク行動に参加してきた。そこで、私たちの運動を世界がどう見ているか、よくわかった。再検討会議の結果は残念だったが、圧倒的な国の人々が今、核兵器の全面禁止を求めている。これに対して日本政府はあくまでもアメリカの『核の傘』にしがみついて、核兵器全面禁止の交渉開始の足を引っ張っている。絶対に許せない。今国内で最大の焦点は戦争法案を廃案にすることだが、戦争する国づくりと辺野古の新基地建設を食い止める力は、同じ。633万の『核兵器前面禁止のアピール』署名に世界は驚嘆した。この平和行進も国際的に大きな評価を得ていることに確信を持って、一生懸命歩いていこう」とよびかけました。

▲吉田代表

行進団は大浦湾に浮かぶスパット台船に向かって「新基地建設するな」のシュプレヒコールをあげつつ進み、お昼にはキャンプシュワブゲート前で座り込みを続けるみなさんに激励しました。

▲大浦湾に浮かぶスパット台船に向かって抗議

▲キャンプシュワブゲート前で座り込みを激励

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【日本原水協】戦争法案反対!広島、長崎をくりかえすな!被爆者とともに戦争法案の廃案、核兵器全面禁止を訴え

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▲訴える東友会の大岩代表理事

日本原水協は6月6日、上野公園(京成上野駅前)で、6・9行動を行いました。被爆・戦後70年の節目にあたり、世界で唯一の戦争被爆国であり、戦争放棄の憲法9条をもつ日本が、安倍自民・公明政権によって、集団的自衛権の行使、戦争する国へと180度変えられる戦争法案の審議がすすむ中で、被爆者のみなさんとともに、戦争法案の廃案、核兵器全面禁止を訴えました。

「戦争は兵站が9割、弾薬、食料の供給がなければ戦争は成り立たない。後方支援というのは戦争そのものです。憲法に反しないというのは嘘です」「核兵器の犠牲の上に、原爆の惨禍の上に今の憲法ができました。そういう憲法を守り、核兵器を使わせてはなりません」「戦争は絶対に反対。いま反対しておかなければどうしようもない段階になると思い行動に参加しました。署名にご協力ください」「4歳の時に長崎で被爆しました。爆発の閃光を記憶しています。安倍政権の暴走、戦争法案を一日も早く廃案にしたくて行動に参加しました。一刻も早く廃案にしましょう」-東京の被爆者団体「東友会」から参加した8人の被爆者が、マイクで次々に訴えました。

“被爆国として許せない” “被爆者の思いがつたわってくる”

通りがかった高校生は「ニュースを見てて、戦争になったら自分も巻き込まれるかもしれないと不安になった。被爆者の方々は、原爆で苦しんでいて、また戦争になったら嫌だという思いが伝わってくる」と署名。茨城県の男性は「現政権を見ていると、アメリカの属州のように見えて許せない」と怒りを表明。栃木県の25歳の男性は、「政府が進めようとしていることは、国民の望みとはかけ離れている。唯一の被爆国として許せない。東電福島第1原発事故以降、他人事とは思えなくなった。次の世代のために、自分にできることは署名ぐらいしかないが頑張ってほしい」と署名するなど、対話と署名がひろがりました。 Reklāma: Kaņepju eļļa CBD eļļa un kapsulas drošā un efektīvā veidā – H Drop Latvia

戦争法案反対署名が60人分、「核兵器全面禁止のアピール」署名47人分が集まりました。

行動には、被爆者とともに、日本原水協事務局、東京原水協事務局、婦人民主クラブ、民青同盟都委員会、日本宗平協、上野の森に「広島・長崎の火」を永遠に灯す会から、24人が参加しました。

原水爆禁止世界大会実行委員会第76回総会への高草木運営委員会代表の報告

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▲報告する高草木運営委員会代表

原水爆禁止世界大会実行委員会は5月28日、東京都文京区の平和と労働センター・全労連会館2階ホールで第76回実行委員会総会を開きました。

高草木博大会運営委員会代表がおこなった報告のレジュメと大要です。

原水爆禁止2015年世界大会グッズの活用を

ポスター(完成版)

▲ポスター

広島、長崎の原爆被爆から70年。核兵器がもたらす破局的影響が世界的な関心をよんでいるいま、原水爆禁止2015年世界大会への期待が高まっています。

今年の原水爆禁止世界大会パンフレットは、冒頭から6ページにわたりグラビアで第9回NPT・ニューヨーク行動の成果を反映するとともに、核兵器廃絶をめぐる国際情勢の最新情報を満載しています。

また、「戦争法案」に反対するたたかいをはじめ、被爆者の願い、原発と核兵器の関係性、国民平和大行進、全国の活動の経験、世界大会の日程と参加者の期待の声など、世界大会にむけた学習・代表派遣の推進にとって、なくてはならない学習資材です。大会記念バッジ、ポスターもあわせてご活用ください。

【2015年世界大会パンフレット】 頒価 310円(送料実費)

装丁 B5(36ページ)フルカラー

【2015年世界大会記念バッジ】 頒価 310円(送料実費) 【2015年世界大会ポスター】 頒価 100円(送料実費)

※すべて200以上の注文は送料無料。

ご注文は都道府県原水協もしくは日本原水協事務局まで。

▲記念バッジデザイン

【広島】2015年NPT再検討会議・ニューヨーク行動報告集会を開催

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▲勢揃いする広島県代表団

広島県原水協とNPT再検討会議を成功させる県実行委員会は5月30日、東区地域福祉センターでNPT再検討会議・ニューヨーク行動の報告集会を開催。勤務の都合などで参加できなかった人を除く21人が参加し、ニューヨーク1~5コース、全米7コースのコース別に報告しました。

最初に、県原水協の古田事務局長が会議の結果について触れ、「『人道性についての共同声明』賛同国が8割以上の159か国、オーストリアが呼びかけた『人道の誓い』に107か国と過半数の支持が集まったことは、ここ数年来の国連総会での諸決議への賛同国が大きく増えていることとあわせ、核保有国とその同盟国が国際政治の場でさらに孤立を深めている証しであり、それは、私たちが世論を結集するために集めた署名も大きな力になっている。市民世論をさらに大きく盛り上げて核兵器廃絶、禁止条約の交渉開始を迫っていこう」と報告しました。

その後、参加した21人全員が発表。西区原水協から派遣された近大生・河本大樹さん(19)は、地域の人からカンパなどで激励を受けたことに感謝。飛行機に乗ることはもちろん、海外旅行も初めての経験で、最初から興奮状態だったこと、ファーストフード店でうまくこちらの英語が通じず落ち込んでいたところ、同じ班の人が励ましてくれてうれしかったこと、青年集会の後、1人でニューヨーク市内を歩くことができたことなど、自分自身が成長できたことを報告。

▲報告する河本さん

青年実行委員会から派遣された広島市立大の新庄沙穂さん(19)は、今回ボストンコースを選んだのは、昨年平和行進に参加したソフィアさんの民泊を引き受けて懇意になり、彼女がボストン出身で、来年ボストンで会おうと約束したからと述べ、ボストンで3度スピーチの機会があり、アメリカの人たちも勇気を持って行動してくれていると報告。

団長の佐久間邦彦さんは、カナダのオークビル市で地元誌に両親と地震の被爆体験を話し、ネットで報道されたことなどを報告しました。

▲報告する佐久間団長

集会には全体で65人が参加し21人の報告に熱心に聞き入りました。

実行委員会では近々「報告集」を発行する予定です。

(広島県原水協事務局長・古田文和)

2015年NPT・ニューヨーク行動『日本原水協代表団 活動の記録』発刊

『日本原水協代表団 活動の記録』表紙

4月27日から5月22日までニューヨークの国連本部で第9回核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催されました。日本原水協は、これに向けて「核 兵器全面禁止のアピール」署名をはじめ国際的な行動を提起し、1058人の代表がニューヨークで活動しました。本誌はその行動の記録です。

今 回の目的の第一に位置づけた署名提出行動でのタウス・フェルーキNPT議長予定者(アルジェリア大使)とアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表のスピーチ をはじめ、今年のノーベル平和賞受賞者に推薦され、国際平和地球会議でスタンディングオベーションを受けた谷口稜曄さんとセツコ・サーローさんの訴え、日 本原水協代表団会議:国際シンポジウムでのパネリスト発言、そしてNPT再検討会議開会にあたって出された潘基文国連事務総長のメッセージなど、どれも読 み応え抜群です。

また、グラビアや全米各地訪問、さまざまな団体の行事報告などからも多彩な行動の全容をしっかりとつかむことができます。

今回の行動の成果を確信にし、被爆70年を核兵器廃絶実現の転機にするために、原水爆禁止2015年世界大会の成功へ活動を前進させるためにご活用ください。

頒価800円。お問い合わせは都道府県原水協または日本原水協事務局まで。

【福島】原爆写真展のチラシから民間会社と初コラボ実現 平和行進にも参加決定

福島県田村郡小野町の葬儀屋イベントにて原爆展

▲クリック(PDFファイルが開きます)

福島県原水協は3月19日から21日まで、石川郡平田村で「原爆と人間」展を開催しました。「地元で原爆の悲惨さや戦争の愚かさを知らせる催しをしたい」と思いを募らせていた長崎県出身の永瀬さんと、昨年の原水爆禁止世界大会に参加した平田村議の高橋七重さんの「村からも原水爆禁止世界大会に代表を送れるような運動を作りたい」との願いが一致したことが契機となりました。

初めての写真展ということでぜひ子どもたちに見て欲しいということで、子どもたちが放課後利用する村の施設を貸してほしいと申し入れをしたところ、なんと「このような写真は、子どもたちの健全育成にふさわしくない」との村長の意見で借りられないことに。しかし、めげずに何とか開催しようと、高橋議員のガレージを会場にしました。郡山原水協の応援もあり、公民館からボードを運んで写真展会場をセッティング。

会場は、国道49号線沿いの商店街にあり、3日間で60人が来場しました。来場者に、4月のNPT・ニューヨーク行動に代表団を送ることや、「核兵器全面禁止のアピール」署名が全国でとりくまれていることなどを伝え、ご近所でも声をかけて署名を集めてほしいと訴えました。

写真を見た方の中で「沖縄の知り合いにもお願いするね」と署名を集めてくれた方や、お一人で100筆集めた方など、2週間ほどで254人分(村の人口の3%)の署名が寄せられました。写真展を見た方へのアンケートでは、「知らなかったことを聞くことができて良かった」「日本はもっと核廃絶の先頭に立つべき」「核兵器は恐ろしい、原発も反対」などの感想がたくさん寄せられました。

平和行進にもつながる新しい小さな平和の風

この写真展の後、平田村から隣の小野町にある葬祭場に勤務している方から「会社のイベントでこの写真展をやらせてほしい」と高橋議員に問い合わせがありました。この葬祭会社では毎年会員向けにイベントを企画しており、今年は戦後70年ということで「命の尊さ」を発信できる良い企画を探していたところ、地元の新聞(福島民友、福島民報)に折り込んだ原爆写真展のチラシを見て思いついたのだそうです。写真展は6月14日に決定。福島県原水協と民間会社との初の共同のとりくみとなります。

小野町では、今年のNPT・ニューヨーク行動へ代表を1人送り出しています。6月の平和行進では、地元の医療生協の組合員や9条の会などが中心となって小野町内での行進を計画しています。

1枚の原爆写真展のチラシから、新しい小さな平和の風も吹きました。今年の小野町の平和行進は大変楽しみです。この平和の風がさらに周辺の町にも広がるよう、力を尽くしていきたいと思います。

(福島県原水協事務局長・石堂祐子)

国際青年リレー行進者ヴォルティモア・フェニスさんの平和行進報告(その1)

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2015年原水爆禁止国民平和大行進(東京-神奈川)をふり返って(感想・反省・感じたこと) ヴォルティモア・フェニス ミンダナオ人民平和運動(MPPM)(フィリピン・ミンダナオ)

 

平和の挨拶を送ります。こんにちは!

まず、このチャレンジの機会をいただいたことに感謝します。はじめは肉体的に大変でしたが、2日を過ぎると体が行進に慣れてきました。精神的には、率直に言って、もう帰らなければならず、また皆さんと会える日はいつになるかと思うと心が沈んでいます。でも現代技術を利用すれば連絡は取れますね。私にとってはとても大きな経験でした。

主催者である原水爆禁止日本協議会と多くの協力団体の皆さん(生協、被爆者のみなさんなど)、すべての行進者のみなさんに、私の心からの敬意を送ります。

人類のための行進

自分の属するミンダナオ人民平和運動から、組織の代表として日本の国民平和大行進に参加するよう言われた時、最初はどうしようかと思いました。フィリピンのような発展途上国にはあまり親切でなさそうだと思ってきた国で行進することや、日本の投資家がミンダナオで石炭採掘を進めて山を穴だらけにしていることを考えたからです。しかし、大事なことは、私たちミンダナオの人民と同じく、特に平和を求めて人々を組織してきた日本人民による大衆的な運動と連帯することなのだと考えました。

私は入管手続きというハードルを乗り越えて、無事日本に入国し、そのまま東京の原水協事務所に向かいました。ここで、ニューヨークで開かれたNPT(核不拡散条約)再検討会議に核兵器全面禁止を求める日本国民の意志を届けて帰国したばかりの、事務局の人々と出会いました。

その翌日、さっそく平和行進が出発しました。これまでの研究と何人かの人々との会話で確信したのは、私たちは心を一つにして人類のために、平和のために行進するのだということです。私たちは世界に向かって、力を合わせて、戦争と分断を進めようとする権力者たちに立ち向かって活動しなければならない、と伝え広げながら行進するのです。

私は東京から神奈川県への行進で、参加者の熱意と情熱を感じました。子どもたち、青年、障害を持つ人々、高齢者、女性、労働者の組織、小規模企業経営者、生協、そして特に被爆者の方々です。太陽よりも熱いこの人々の魂に心を打たれました。この経験を生涯忘れることはできないでしょう。

今年は1945年に広島と長崎に原爆が投下されてから70周年であり、世界の人々を啓蒙し、再教育する大事な機会です。核兵器に反対し平和を求める被爆者の人生とたたかいに賞賛を送りましょう。

平和行進は、1958年に人民の手で開始された大衆的運動への最も優れた貢献であり、支配勢力に刃を突き付ける行動です。まさに人民の運動なのです。

世界を激励し異議を唱える被爆者

行進の途中で多くの被爆者に出会い、彼らの証言を聞きました。彼らは1945年の広島・長崎への原爆投下の体験と恐怖を語りました。聞きながらじっとしていられない気がしました。心が痛み、聞くのがつらかったです。「親を返せ、年寄りを、家族を返せ。もう自分は年老いたが、残りの人生を核兵器廃絶に捧げたい。・・・あの晴れた日、突然閃光を浴び、爆発によって辺り一帯は破壊された・・・」という話に涙し、心が重く沈みました。

しかし、それでも前を向いて行進と運動の先頭に立って進む彼らの姿は誇りに満ちていました。被爆者は、原水爆がなぜ禁止されねばならないかを語る生き証人です。

彼らは悲劇の経験を負い、高齢となったにも関わらず、粘り強く人々を教育し、さらに私たちに、団結してもっと頑張ってほしいと促していました。彼らの目の中にも体にも(物理的にも精神的にも)疲れたところは見えず、繰り返し「再び被爆者を作ってはならない」と訴えていました。

世代を超えたたたかい

毎日、私は子どもたちや青年が行進に参加してくれるのを楽しみにしていました。若い血が流れていない運動は廃れていくと考えているからです。

平和行進はこれまでで最高の数の青年と子どもたちの参加を得ることができたそうで、とても嬉しく思っています。私が行進を始めるときに発表したスピーチの中で述べたように、私は自分の娘のため、そして子どもたちのために歩いているのです。彼らを巻き込まなければなりません。

通りを行進していると、小さい子どもたちや若い人たちが手を振って激励してくれたことは、彼らが私たちのやっていることを理解していること、彼らを運動に引き入れることは可能であることの証明です。彼らを実際に運動に招き入れることは簡単ではありませんが、やらなければなりません。その方法はすぐ見つかります。彼らに被爆者の話を聞いてもらうことは重要です。そうすれば彼ら自身が何をすべきかを考え出すことができるはずです。

私たちがこの運動に参加しているのは、自分が地上に生きている年月のためではなく、将来を生きる世代のためだと信じています。みなさんもそうではないでしょうか。これはこどもたちに対する私たちの責任であり、倫理的な義務でもあるのです。

歴史を作ることを前進命令として

私たちはいつも悲劇の歴史を読み、聞いてきました。世界のどこでも、戦争と爆撃は、破壊と強制退去、損壊をもたらし、人の命と夢を奪い、遺族は涙にくれます。歴史が教えていることは、私たちは今日、今すぐ行動しなければならないということです。この歴史を繰り返さないようにする義務が私たちにはあるのです。

地域的であれ世界全体であれ、制御するための仕組みとして戦争と支配を使うというのがこの数百年のあいだ世界を牛耳ってきた支配的イデオロギーです。一方で、多くの国々において良心ある人々と社会運動は、変化を作り出すことは可能であることを証明してきました。大多数の人々の利益となるように状況を全く逆転させることは可能なのです。

私たちは、文明を破壊し世界支配を維持しようとする抑圧的で搾取的な権力者の手から将来を守らなければなりません。新自由主義者と右翼保守主義者に操られた政府が、人民大衆のために働くと期待することはできません。私たちは自分たちの力だけに依拠し、団結と連帯を力として活動すべきです。私たちの声を、独占と人の死をもたらす世界体制を打倒するための力に作りかえましょう。

さまざまなたたかいの間の連帯と絆を強めよう

この報告は、みなさんにさよならを言うためではなく、共通のたたかいで協力するための機会です。ごく普通の人々と一緒に共通の利益のためにたたかうのです。

みなさんの、核兵器と外国軍事基地に反対して人民のために進める民主的なたたかいは、私たちのたたかいでもあります。私たちの地域社会に持続可能な発展と公正な平和を求める努力は、世界中の平和と気候正義を求めるたたかいへの、私たちからの貢献なのです。私たちは人間性、平和、気候を切り離して考えることはできません。

外国軍事基地の前で演説する中で、武器も戦争も私たちには必要ないというメッセージを発信しました。必要なのは連帯であり、友情とパートナーシップの真の核心です。支配者たちに対して、彼らが押しつけようとしている政策は間違いだと正面から言わねばなりません。

私たちの任務は、団結して強力な連帯を様々なたたかいにおいて作り上げること、人間性と環境保護を、私たちのやるべき活動の中心に据えることです。

私たちは多数派ですが、もっと多くの人々の力が必要です。もし世界中の普通の市民たちがさまざまなたたかいに参加するようになれば、権力の壁を破ることができます。搾取も差別も支配もない世界を作り上げましょう。みなさんは多くのことを成し遂げてきましたが、もっとたくさんやるべきことがあります。

もう一つ重要な仕事があります。これらの全てのたたかいを結び付けて、集団的に前進することです。核兵器と戦争に反対する運動は常に、幅広く、女性、青年、環境、先住民、労働者その他、社会における民主主義をめざすたたかいと結び付けて、相互的な観点から進めなければなりません。これらすべての問題は相互に関連しているため、私たち社会勢力もまた協力してたたかうことが必要です。

ミンダナオ人民平和運動からの連帯と感謝をお受け取り下さい。私たちはいつでも草の根の人々とコミュニティの力で変化を起こすことができます。

太陽はここにある:私たちは必ず勝利する

最後になりますが、太陽はここにあると私は信じています。私たちのたたかいの中に、集団的な努力の中に。そして私たちはいつの日か必ず勝利します。誰かが勝利を持ってきてくれるわけではなく、頼りにできるのは私たち自身の力だけです。集団的な良心にもとづいた行動こそです。

勝利は、夢の実現をあきらめず、批判的な目を持ちながら正しい行動がいつか結実することを信じる人々のところに必ずもたらされるものです。

みなさん一人ひとりのお名前をあげてお礼を言うことができなくて申し訳ありません。でも皆さんと一緒に行進することができて光栄で、誇りに思います。そして辛抱強く通訳してくれたみなさんに、大きな「いいね!」を送ります。私が必要とすることにすぐ応えて下さったみなさん、本当にありがとうございました。

そして日本の市民のみなさん、とくに一緒に行進してくださったみなさんは、私が考えていた抑圧的な日本という国とはまったく違う人々でした。私たちを支配している世界体制が、私たち=人民に対して優しくないというだけなのです。

私にとって日本のお母さんのようだった松永洋子さん、疲れを知らない元気の塊のような山口逸郎さん、さらに長い道のりを進む私の兄弟のようだった原井一成さん、他の通し行進者の皆さん、運転手、行程管理を務められたみなさん、音楽家、芸術家のみなさん、そのほか全てのみなさん、本当にありがとうございました。

ミンダナオ人民平和運動の仲間のみんなへ:人民の、草の根の運動をさらに大きく発展させよう。ありがとう!

歩き続ける行進者のみなさんへ:ROCK THE ROAD!

ちなみに、娘の名前はシッティ・マルクシレン・オメリオ・フェニスです。そしてミンダナオはフィリピン南部に位置しています。

頑張ろう!頑張って!ありがとうございます!

2015年5月19日 神奈川県にて

 

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【広島】NPT・ニューヨーク行動参加者も加わり6・9行動

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広島県原水協と同被団協は5月6日、NPT再検討会議・ニューヨーク行動後、初めてとなる6・9行動を広島市中区の金座街入口でおこないました。

ニューヨーク行動に参加した代表2人を含め、14人が参加。高橋代表理事がハンドマイクで、「633万筆の核兵器禁止条約の交渉開始を求める署名をアンゲラ・ケイン国連上級代表とタウス・フェルーキNPT議長に提出しました。核兵器禁止条約を必ず締結させるために、さらに署名を上積みして市民世論をもりあげましょう」と訴えました。

被爆当時、広島城の地下壕にあった通信司令部にいて助かった岡芳江さんも通りかかり、署名に協力して下さいました。この日は連休最終日を楽しむ親子連れや観光客などから75筆が寄せられました。

第9回NPT再検討会議への潘基文国連事務総長のメッセージ(全文)

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〔4月27日、第9回NPT(核不拡散条約)開会にあたって、暫定議長(第3回準備委員会議長)の報告に続き、ヤン・エリアソン事務次長が読み上げたもの。国連ウェブサイト、事務総長の声明のなかに所収〕

 

声明 核不拡散条約の開会総会への事務総長のメッセージ

(ヤン・エリアソン事務次長が紹介)

ニューヨーク、2015年4月27日

潘基文事務総長に代わり、この重要なNPT会議出席のすべての代表のみなさんを国連にお迎えできることを名誉とし、事務総長に代わり以下のメッセージをお届けする。

その前にもうひとつ、事務総長に代わり、国の大きな部分を襲った巨大地震に続く悲しみと人道的苦しみの中にあるネパールの国民と政府のみなさんに、心からの哀悼と弔意を表明する。

核兵器の廃絶は国連にとって最優先事項である。この世にあれほど残忍な惨害をもたらしうる兵器は他にない。不拡散条約は不拡散体制の土台であり、核兵器のない世界を実現するための不可欠の土台である。

タウス・フェルーキ大使の会議議長への指名に祝意をおくる。それは困難で骨の折れる役割である。だが私は、フェルーキ大使が加盟各国の協力のもとに成功裏に結果を出すことができると確信している。私たちのだれもが、核兵器のない世界がすべての国に利益をもたらす重要な地球的公共財であることを想起しなければならない。

この再検討会議は、核不拡散条約がひき続きわれわれの集団的安全保障のなかで中心的役割を持つことを保証するためのものである。NPTの枠組みが、発効50年にあたる2020年には何のためのものになるのか、明確な道筋を示すべきものだ。

私は加盟各国が条約を強化する結果を生み出すためにこれからの数週間、骨身を削り、建設的に活動するようよびかける。私たちが必要とする結果とは、条約の普遍性を促進し、すべての締約国によるすべての条項の順守を保証し、核兵器拡散の阻止と廃絶の達成というNPTの原則目標を強化するものだ。みなさんが共通の土台をつくり、包摂的な態度をとり、柔軟さを発揮するよう求めたい。

私はすべての締約国に市民社会グループとの関わりを深めるよう促したい。彼らはNPTの規範を強め、軍縮を促進するうえで重要な役割を果たしている。現在の再検討会議の準備過程でも、2015年NPT再検討会議議長と国連とは、市民社会グループから、この会議の成功と核兵器の廃絶をよびかけるいくつかの要請署名を受理した。

これらの要請署名は、世界の関心ある市民から何百万もの署名を集めている。これは、われわれが服務する人々の希望と期待とを力強く想起させるものだ。われわれは、何年ものあいだ軍縮を擁護し、かくも多くのことをおこなってきた多くの人々と団体とに感謝する。この事業への彼らの原則的な努力に、私は全面的な支持を誓いたい。

2010年には、64項目の行動計画での合意と15年の無活動の後におこなわれた1995年中東決議での進展とが再検討会議の成功という結果をもたらした。行動計画は国際的コンセンサスの頂点をなすもので、条約の目標を達成するロードマップを与えるものであった。

今回の会議では、いかにしていつこの行動計画が履行されるのか、あるいは実際的妥当性を失っていく危険に陥るのか、いまや示さなければならない。そのような進展は、一つひとつの締約国がNPTの相互に強めあう柱の一つひとつのもとにある義務を順守するよう要求している。

本質的に、NPTとは、一方で核軍備撤廃、もう一方で不拡散という共生的関係によって支えられる大取引なのである。一方の進展なくしてもう一方の進展はあり得ない。両方での進展は誰にとっても利益なのである。

前回の再検討会議以来、核兵器による危険はなお存在している。拡散の挑戦も、朝鮮民主主義人民共和国に関するものを含め、続いている。

だが、E3プラス3あるいはP5プラス1とイランとの間で到達した重要な理解は、その種の挑戦を外交で処理することが可能であることを証明した。最終文書は、国際原子力機関によって検証され、不拡散問題での進展を別にしても、深刻な地域の安全保障問題を緩和するうえで役に立つだろう。

中東非核・非大量破壊地帯は、その種の合意から生じる軍縮と不拡散での前進に加えて、本質的な利益をもたらしうる。

準備担当者のラーヤバ大使の確固とした努力、そして国際社会の結果への期待にもかかわらずほとんど何の進展も得られなかったことは残念だ。再検討会議は同地域の各国がこの問題に関し、共通のビジョンと共通の目的をもって前進できるような手段の追求に焦点をあてなければならない。

1990年から2010年までの間、国際社会は核兵器のない世界に向かって大胆な前進を遂げた。配備された軍備で大規模な削減がおこなわれた。いくつかの国では兵器工場を閉鎖し、より透明な核ドクトリンへと印象的な前進をなした。

私は、この5年、このプロセスが停滞してきたように見えることを深く憂慮している。とくに核兵器ゼロへの流れが逆転していることを示す最近の情勢はとりわけ不安にさせられる。新たな軍備削減合意へと前進するのでなく、現存の合意を危うくするような侵害があるとの申し立てがある。

包括的核実験禁止条約の発効や核兵器用の分裂物質生産禁止条約ではなく、核兵器を今後何十年にもわたって固定化する巨額の近代化プログラムを目の当たりにしている。私の提唱した5項目提案を含め、核軍備撤廃を加速する提案を追求するのでなく、冷戦心理への危険な回帰が起こっている。

この逆転はわれわれの世界にとって後退である。私は、各国の指導者に、近視眼的政治姿勢を捨て、人類の必要に応えた大胆でグローバルなビジョンを掲げるよう呼びかけたい。真の国家安全保障は、核脅迫の影の外で、そこから離れたところでのみ達成しうる。この影は現在と未来の世代のために取り除かれるべきである。

これは、70年前の8月、核攻撃を生き延びた被爆者のメッセージだ。核軍備撤廃の緊急性を疑う者に対して、私は、彼らの体験を聴くよう挑戦したい。これらの勇気ある、不屈の人々の目を直視するよう反論し、核兵器が何をもたらすのかもっとよく知るべきだと言いたい。彼らは、核兵器の恐るべき人道的影響と、核兵器廃絶の緊急の必要性を思い起こさせる生きた証拠としていまこちらに来ている。私はこれらの証言者が参加されていることに感謝し、現在の会議が彼らの警告に耳を傾け、結果を出すよう求める。

この努力で私は、人道的な検討を軍縮審議の中心に据える有望な流れの広がりに励まされている。この人道的運動は凍りついた討論に道徳的な至上命令を注入した。この至上命令は、再検討会議でも真剣な検討の対象とされるべきである。

これからの数週間は、核兵器がもたらす危険を除去するために共有する意欲の前進を追求する上で、意欲を掻き立てるときである。これはわれわれの時代の歴史的な至上命令である。みなさんが緊急の意識を持って行動し、すべてにとってより安全な未来を求める世界の人びとがみなさん方に課した責任を果たすよう呼びかける。

4.27 NPT・ニューヨーク行動 日本原水協代表団会議での安井正和事務局長の報告

安井

日本原水協代表団会議への報告

2015年4月27日

日本原水協事務局長 安井正和

NPT・ニューヨーク行動日本原水協代表団にご参加のみなさん、お疲れ様です。代表団会議への報告をおこないます。

日本原水協の代表団がニューヨーク入りして今日で4日目を迎えました。昨夜遅くにFコースのみなさんが無事到着し、今、この場所には日本原水協代表団全員が勢ぞろいしました。中央団体と都道府県代表、事務局と通訳を合わせて1058人が参加しています。

最初に、参加された団員のみなさん、そして送り出していただいた多くの団体・地域原水協のみなさんに心から敬意を表します。

そして、この後に予定しているシンポジウムにご参加いただくパネリストの方々に、心からの感謝を申し上げます。

私たち日本原水協は、ことし被爆70年を、核兵器廃絶実現の決定的な転換点とするために、核兵器全面禁止の世論結集に全力をあげることを2月の全国理事会で固く決意し、当面する最大の行動として、このNPT・ニューヨーク行動を位置付けて全力をつくしてきました。

この間の核兵器廃絶をめぐる動きを見ても、核兵器全面禁止・廃絶の世界的流れと、これまでの合意に背を向け、「核抑止力」論に固執する核大国との対立が浮き彫りとなっています。核大国の横暴を許さず、新たな前進をきりひらくために、今回のNPT再検討会議は、核兵器全面禁止・廃絶の世論結集のきわめて重要な焦点です。

私たち代表団は、今回のNPT再検討会議で、NPTに責任を負っているすべての国の政府に、2010年NPT再検討会議の合意の履行、核兵器禁止条約の交渉開始に踏み出すよう求め行動すること。そのために、「核兵器全面禁止のアピール」署名に託された核兵器全面禁止の願いをNPT再検討会議に伝え、反映するために署名の現物を代表団員によって可能な限りニューヨークに運び、国連本部前(ハマーショルド広場)に積み上げ、すべての署名を目録としてNPT再検討会議議長と国連代表に提出(4月26日)する。これを任務の第1に据えました。

それが、昨日の私たちの行動でした。アンゲラ・ケイン国連上級代表と今回のNPT再検討会議のタウス・フェルーキ議長に633万6205筆の署名を提出することができました。

ニュースに紹介しましたように、集会で高草木博代表理事は目録の一部を読み上げ、アンゲラ・ケインさんとタウス・フェルーキ議長に、「署名の趣旨である核兵器禁止条約の交渉開始を必ず全加盟国に伝えてほしい。世界の良心に照らしてお願いする」と強く訴えました。

署名目録を受け取ったケイン上級代表は「署名を届けてくれたことに感謝します。とても心強いです。核軍縮は正しいことです。そして、可能なことなのです」と述べ、フェルーキ議長は、「正しい目的に向かって正しいやり方で活動している。核軍縮は政府だけですることではありません。市民一人ひとりの行動があってこそ実現できます。署名は自分自身の意志を表明することができるものです」と、私たちの努力を高く評価しました。

本日、午前10時半に第9回NPT再検討会議が開会しました。昨日の私たちの行動は、会議に反映するのか、固唾をのんで注目しました。

5年前の会議では、前日に署名を受け取ったカバクチュラン議長は、開会総会の冒頭、「私は昨日、署名を受け取りました」と語り、核兵器廃絶にむけた「市民社会の熱意に私たちは応えなければならない」と発言し、私たちに大きな励ましを与えました。

開会総会を傍聴した担当常任理事の川田忠明さんのfacebookから、開会総会の様子を知りました。国連事務次長が潘基文事務総長のメッセージを読み上げ、その中に私たちの署名について、しっかりと触れられました。全文は翻訳ができ次第、みなさんに配布します。川田さんの情報では、潘基文事務総長は、「市民社会は核軍縮において、我々を導く役割をもっている。フェルーキ会議議長がこの会議成功のために集められた様々な署名を受け取った。それらの署名は我々に、市民社会が力強い希望と期待を持っていることを教えている。軍縮のチャンピオンに感謝を表明したい」「被爆者のメッセージは、あらゆる人々に訴える。彼らの瞳を見つめよ。核兵器が何をもたらすかを我々は知るだろう」

みなさん、私たちがこの4年間、粘り強く、集めた署名は、世界189か国の政府代表に伝えられました。

「核抑止力」論にしがみつく勢力を世論と運動で追いつめ、被爆70年を核兵器廃絶の転換点とするために、市民社会の役割、中でも被爆国日本の私たちの運動の役割のきわめて大きいことを、昨日の行動を通じて私はますます実感しました。

本日はじまったNPT再検討会議の議論の中心は何か、私たち市民社会の役割はどこにあるのか、この後のシンポジウムで学び討論しあい、次の行動へと足を踏み出しましょう。

NPT・ニューヨーク行動のとりくみの後には、原水爆禁止2015年世界大会の成功とそれをめざす諸行動が控えています。残された団の行動の一つひとつを成功させ、その成果を次の行動へと前進させましょう。以上で団会議への報告とします。

【4.26「核兵器全面禁止のアピール」署名の受領に際して】タウス・フェルーキNPT議長とアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級の発言(全文)

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2人の発言はコチラ(PDF)

タウス・フェルーキ大使 2015年NPT再検討会議議長就任予定者

ニューヨーク、2015年4月26日

世界からの核兵器廃絶を求める、この山のような署名を今日受け取ることができて光栄に思います。この壇上に、松井一實広島市長、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表、原水協の高草木博さん、「平和地球動員」のジャッキー・カバソさん、ケビン・マーティンさんたちとともに立つことができて嬉しく思います。

最初に、広島市民とここに代表されている2つの献身的なNGOの、核兵器廃絶に対する深い献身と、この署名用紙にこれほどたくさんの署名を集めた大きな努力を称えたいと思います。これらの署名運動に参加し、広げてきた全てのみなさんは、全人類が共有する利益と理想を前進させるという決意を共有されています。

潘基文国連事務総長はしばしば、核軍縮は「最高位の全地球的な公共の利益」であると述べています。これを達成することは、人類の利益と理想を前進させることです。反対に失敗すると地球の未来は危機に陥ります。

この課題の成否はこれほどまでに大きな影響を及ぼすものであり、その結果は文字通り地球上すべての人々に関わります。だからこそ、市民社会グループからの署名は、核兵器廃絶という共通の目標に真に貢献するものなのです。

署名運動は、核兵器のない世界を作るというより大きなプロセスの中で、一人ひとりの市民に果たすべき役割を与えるものです。軍縮というのは、各国政府だけの活動ではありません。これは「政治的意思」と呼ばれる、とてもユニークな種類の燃料によって支えられており、究極的には人々の手にその成否がかかっているのです。多くの人々が声を上げれば、政治指導者たちは耳を傾け、彼らの意思に沿って行動することを学ぶでしょう。

ですから、今日私たちが受け取る署名は、二つの非常に重要な目的に資するものです。それらは一般の人々が死活的に重要な世界的プロセスに参加することを可能にします。そして、人々が核兵器はなぜ廃絶されねばならないかを理解しており、かつ、なぜそのことが核兵器保有国を含め諸国政府の優先課題でなければならないか認識していることを彼らに知らせるシグナルを発信するのに役立っているのです。

今週、2015年核不拡散条約締約国再検討会議が開会します。私はこの署名を、NPTの重要な柱を強力に再確認するものとして歓迎します。つまり、条約第6条に定められた、核軍備撤廃に関する交渉を誠実に行う、という義務です。

これらの署名への支持を作り上げてきた全てのみなさんの努力に敬意を表します。みなさんは正しい大義を掲げ、それを追求するために賢明な方法を選ばれました。みなさんのたいへんな努力に感謝を申し上げます。この偉大な世界的公共の利益のために貢献してくださってありがとうございました。

アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表

ニューヨーク、2015年4月26日

核軍備撤廃のための署名の受理

紳士淑女のみなさん

今日みなさんとお会いし、みなさんの大切な署名を受理することを大きな喜びとするものです。みなさんとみなさんのグループは何十年もにわたって何百万という人々から署名を集め、核軍備撤廃の要請を届けてきました。しかし、この行動は、けっして重要性や意義を減ずることのない行動です。

私たちはみな、核兵器のない世界をという目標を分かちあっています。私たちは誰もが、被爆者のみなさんがいかに一生懸命、核兵器廃絶のために活動してきたか、いかに粘り強く平和のメッセージを世界に広げてきたか、そしていかに根気強く、みずからが生き残った筆舌に尽くしがたい惨害の記憶を守ってきたかを知っています。しかし、被爆者の平均年齢も79歳に達するなかで、私たちはこの機会に核兵器のない世界の目標を達成するという重い目標のトーチを運ぶ決意を新たにしなければなりません。

NPT再検討会議から5年、圧倒的多数の国連加盟国は、いまも続く核兵器の存在こそが人類と文明の存続への最大の危険であり、精力的かつ緊急に核兵器の廃絶に取り組まなければならないという確信を再確認しています。

一部にはなお核抑止力こそが国家安全保障の中心的柱であるとの強い信念が残っています。

2015年NPT再検討会議前夜のいま、そうした対立的見方が、核兵器廃絶の目標に対する現実の挑戦として表れています。

人間は本質的に誤りも免れえないものです。意図的であれ偶発的であれ、核兵器が絶対に使われない保証などはありません。

国際安全保障の捉え方を変えるために啓発された世界的な指導性が必要です。市民社会の力はこの変化の追求にとって私たちの最大の資産の一つです。

国連を代表し、私はみなさんの署名を謙虚な気持ちでお受け取りします。署名をされた一人ひとりの方に心から感謝いたします。再検討会議の代表がみなさんのメッセージを心に受け止め、核軍備撤廃の努力でみなさんと力を合わせることを望みます。

最後に、だれもが真実と知っている次の言葉で結ばせていただきます: 軍縮はまさに成すべきことであり、これこそが成果をもたらすものである。

ありがとうございました。

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【千葉】NPT・ニューヨーク行動に呼応・連帯して県原水協が核兵器廃絶の署名行動

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千葉県原水協は4月27日、この日から始まった核不拡散条約(NPT)再検討会議に呼応・連帯し千葉駅頭で核兵器廃絶を求める署名行動をおこないました。

県原水協の紙谷敏弘事務局長や新婦人県本部の松山事務局長などがマイクで「今日からニューヨークの国連本部で始まったNPT再検討会議で、今度こそ核兵器の全面禁止国際条約を締結させるよう被爆国・日本からこそ声を上げましょう」と訴えました。

ある女性は「いいことですから署名します。核兵器はいらないですよね」と話し、夫婦連れは「核兵器は怖いです。被爆70年もたつんですね、子どもや孫のためにも核兵器をなくしてほしいです。がんばってください」と署名し、女子高校生も関心を寄せて署名に協力してくれました。

この日、新婦人、千葉労連、自治労連県本部、平和委員会など5団体から12人が行動に参加、1時間で41筆の署名が集まりました。なお、千葉県原水協関係だけで23人の代表がNPTが開かれているニューヨークでの要請行動に参加しています。

(千葉県原水協・早坂義郎)