署名伝達式での日本原水協代表理事のあいさつ(要旨)

10月5日に行われた国連要請代表団への署名伝達式での日本原水協代表理事5氏のあいさつ(要旨)を発言順に紹介します。

笠井貴美代(新日本婦人の会会長)

 1962年の10月19日に創立された新婦人は、今月の19日に50年の記念日を迎えます。当時、安保闘争の高まりの中で、核戦争だけは二度とやってはならないということで、私たちの会則の第一に、「核戦争から子どもと女性の命を守ります」と掲げました。新婦人は出発の時から、この人類的大義というか、国際的な被爆国の日本の女性運動の使命を担い、50年間歩んできたと思います。そしてその運動がいよいよ核兵器禁止条約の交渉開始をただちにせよというところまできたかと思いますと、私たちもその運動の一端を担えたことを心から誇りに思います。

国分 稔(全国商工団体連合会会長)

この運動は1954年ビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸が被曝したということで、私たちの先輩である杉並区の魚屋さんが本当に頑張り、1カ月で杉並の人口の約半分の署名を集めたという記録が残っておりますし、全国では3000万を超える署名で第1回原水爆禁止世界大会を成功させ、署名の威力というものが示されたと思います。それからずっと毎年運動を継続しているわけで、私たちもそういう運動の一端を担ってきたことを誇りにしています。今後もみなさんと一緒に頑張っていきたいと思っています。私たち業者は平和でないと商売が続かないということで、商売繁盛の基本は平和です。ぜひそういうことを胸に押さえて今後も続けていきたいと思います。

 大黒作治(全国労働組合総連合議長)

インターネットで新署名に託されたメッセージを見ました。例えば、3人の子どもがいるお母さんから「今まで無関心でいました。福島の事故が起きて核が身近な恐怖であることがわかりました。できる範囲からみんなのできることを持ち寄れば、世界が変わる日が来るかもしれない。そう信じたい。できることから初めていきたいと思います」というようなメッセージがたくさん寄せられているのを読んで、改めて私たちも核廃絶に向けて全力を挙げなければならないと思います。

3・11以降、日本の国民の意識は原発問題と結びつけて、核の問題と核廃絶に対する願いとを結んで大きな流れになろうとしているというのは確認するまでもないことです。ますます私たちが本当に多くの国民のみなさんに核廃絶を願う気持ちと合わせて改憲を許さないという行動にも大きく広げていきたいなと思っています。

 藤末 衛(全日本民主医療機関連合会会長)

私たち民医連がこの福島の問題、原発事故の問題にとりくんでくる中で、長らく続けてきた被爆者医療、原爆症認定訴訟の問題など、継続の力を実感しています。そういう意味では本当に原点ですね。この核兵器廃絶のとりくみをもっと裾野を広げていくことが非常に大事だと確認し、改めて全国すべての県連で核兵器、そして原発問題にかかわる委員会を恒常的に設置することを決めました。各地で地に足を付けた運動を作りながら、このアピールをみなさんに持って行っていただく中での足場にしていきたいと思います。

 高草木 博(日本原水協代表理事)

原水爆禁止世界大会が始まってから57年。「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」という署名で初めて世界的に核兵器全面禁止を訴えてから27年です。やはりあの頃から見ると、国連などはすごく距離が遠い存在でした。しかし、いまや国連事務総長が「みなさんはパートナーだ」という状況になっています。

どんなに複雑な課題があっても、その中で人類の生存を守るという任務を忘れないというところにみなさんがいて、そういう点ではいろんな草の根の苦労や、自分の仕事があって難しい中で、時として仲間がいなくても、自分のやるべきことは忘れないで頑張って署名を集めているみなさんの努力と国際政治のトップが今通じ合っていると思います。これが世界人口の70億人の中に座った時に、本当に世界は核兵器のない世界へと動くと思います。

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