アメリカ合衆国大統領 バラク・オバマ殿
未臨界核実験の強行に抗議し、
核兵器のない世界のための誠実な努力を要求する
7月19日、米国エネルギー省(核安全保障局)が、昨年12月と今年2月の2回に渡り、未臨界核実験を強行していたことが明らかになりました。貴国政府は昨年9月15日に未臨界核実験をおこない、11月および今年3月にも世界に隠れて新たな形態での核実験を強行しました。被爆国日本国民の願いを踏みにじる行為に強く抗議するものです。
貴国政府は、未臨界実験の目的について、保有する核兵器の信頼性と実効性を維持するためと主張しています。しかし核兵器の実験は、たとえそれが核爆発を伴わないものであっても、核兵器の保有や配備を継続し、使用に備えるものであり、2009年4月、あなた自身がプラハで約束した「核兵器のない世界を追求する」との目標に逆行するものです。
2010年5月、NPT再検討会議は「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことで合意し、すべての国の政府にそのための「枠組み」をつくる「特別の努力」を義務付けました。
核兵器のない世界の実現は、核兵器を禁止してこそ可能になります。貴国政府がいっさいの核実験、核開発計画を放棄し、核兵器全面禁止条約の実現のためにただちに努力を始めるよう、強く要求するものです。
2011年7月20日
原水爆禁止日本協議会