神戸市内在住の被爆者にもちを贈り、温かい気持ちで新年を迎えてもらおうと、兵庫県原水協と神戸宗教者平和協議会などは12月27日、兵庫区永沢町四の妙法華院で、第39回被爆者援護・連帯もちつき大会を開きました。
県原水協などは毎月広島と長崎に原爆が落とされた6と9の日にちなみ、街頭で集めた募金ともちを被爆者へのお見舞いとして配ります。
もちつき大会には、神戸市の原爆被害者の会に所属する被爆者らも参加。約150キロのもち米を蒸し、核兵器廃絶の思いを込めながら2つの石臼でつき上げました。約1700個の丸もちは、通りかかった人にも「つきたてのおもちを食べていってください」と声をかけ、核兵器廃絶署名ともちつきへの参加をよびかけました。
飛び入り参加した会社員の女性(25)=同区=は「被爆者のことはテレビで見ました。核兵器がなくなるといいですね。無駄なものです」と話していました。
長崎で被爆し、家族も亡くした中村ミキノさん(81)=神戸市垂水区海岸通=は「一瞬にしてあたりが真っ暗になった爆心地は、生き地獄だった。あの光景を知らない若い人も多くなったが、唯一の被爆国として世界に平和を訴える新年になってほしい」。
広島で被爆した矢島喜代子さん(81)=神戸市東灘区本山北町=も「若い人に体験を聞いてもらい、原爆の恐ろしさを伝えたい」と話しました。