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マレーシア:ハミドン・アリ国連大使
(前略)
我々代表団は、非同盟運動(NAM)を代表するインドネシア代表団による先程の発言と、東南アジア諸国連合(ASEAN)を代表するミャンマー代表団によるこの後の発言に完全に連携している。
我々代表団は、2005年の軍縮と国際安全保障における状況に落胆している。去年の委員会での活動の成果を踏まえ、今年この分野での前進に向けたより明るい展望という前向きな見通しは、これまでのところ退行的結果である。5月のNPT再検討会議において、NPT締約国は、どの重要課題についても合意することができなかった。我々は、2005年世界サミットに向けて、軍縮と不拡散に関する合意を一段落も生み出すことができなかった我々は未だに、テロリストの手に渡る大量破壊兵器がもたらす脅威に共同で対処するための最も効果的な措置を模索している。小型・軽量兵器の違法取引による壊滅的な状況は緩和されていない。軍縮会議は行き詰まっており、軍縮委員会は今年もまた、協議事項の合意に至っていない。にもかかわらず、我々代表団は、生物兵器禁止条約、包括的核実験禁止条約、非核地帯、小型・軽量兵器、対人地雷に関する昨年の重要な発展と確実な前進に満足している。
NAMの現議長国として、マレーシアは、軍縮と国際安全保障の分野で、NAMが長年掲げてきた原則的立場を堅持している。非同盟運動はひき続き、大量破壊兵器、とりわけ核兵器の完全廃絶をめざす運動の先頭にたつものである。2003年2月にクアラルンプールで開かれた第13回非同盟諸国首脳会議、2003年9月、2004年10月、2005年9月にニューヨークで開かれた年1回の閣僚会議、2004年8月にダーバンで開かれた第14回NAM閣僚会議、今年6月のドーハでの特別会議において、NAMの指導者によって強調された、これらの問題に関する決定と宣言は、今度ともマレーシアとNAM諸国のロードマップとなる。
これら6つ全てのNAM閣僚会議は、大量破壊兵器、通常兵器、関連問題が及ぼす多岐に渡る悪影響について言及する一方、一国主義や一方的な打開策の実施という手段が高まりつつあることに対して懸念を表明し、またこの問題において、国連憲章に基づく多国間主義や多国間で合意された解決策が軍縮と国際安全保障問題の多様性に対象する唯一の持続可能な方法であると強調し断言したということを、我々代表団は強調するものである。
NAMの閣僚達はまた、軍縮と核不拡散は相互に強化しあうようなやり方で同時に追求されなければならないという立場を信念を持って守り続けている。私達が集う今日、軍縮よりも核拡散に真摯に重きが置かれている。NPT条約の履行におけるバランスの欠如は、地球規模の軍縮の枠組みの重要成分であるNPT体制を解体する恐れがある。
我々代表団は、第1回国連軍縮特別委員会が、実効的な国際管理のもとでの全面完全軍縮は、多国間の軍縮努力の最終目標である強調していることを再度述べたい。この目標は、達成されたには程遠い。国連加盟国は、核兵器は人類と人類文明の存続にとって最大の脅威であることを一致して認めた。今日でも、ほぼ30年前に出されたこの結論を全ての国が全面的に認めている。大量破壊兵器の拡散が国際平和と安全にとって脅威であるということについて、いかなる疑いもあってはならない。しかしさらに重要なのは、人類と地球の存続にとっての脅威とは、そもそもこれらの兵器が存在していることを我々が忘れないことである。
我々は縦横に核不拡散に対する懸念を抱いている。我々は核テロを恐れている。核兵器が存在し続ける限り、我々は悪夢を見続け、人類社会は核兵器廃絶を訴え続けている。同時に、我々は、原子力を含む核技術の平和的利用の固有の権利を守りたいと考えている。我々はこれら共通の懸念に対処し、恐怖を和らげ、現在と未来の我々の悪夢を減らという集団的な責任を共有している。
核保有国による核軍縮へ向けた最近の動きを認識する一方、我々代表団はこの点における前進の遅さを深く猶予している。グローバル化され相互に連結された世界でありながら、核保有国は、核兵器の妥当性を信じ続けている。核保有国とNPTの外にいる国は、保有する核兵器を開発・近代化し続け、国際社会の平和と安全を脅かしている。我々はすべて、この狂気の終結を求め、全ての核兵器と核実験の廃絶・禁止と核抑止ドクトリンを拒否しなければならない。不履行問題は、核軍縮と核不拡散の両方に当てはまるということを心に留めなければならない。これに関連して、NPT条約第6条の核保有国による実行は不可欠である。2000年のNPT再検討会議が核軍縮にむかうために明らかにした13の実行措置は、達成可能な核軍縮の枠組みを提示している。
大量破壊兵器の検証と検証の執行の問題について、マレーシアは、国際原子力機構(IAEA)など既存の多国間条約機構を強化する必要性があることで、多くの国と意見が一致している。建設的な成果を得るために、そこから生じるいかなる問題も、共同、対話、交渉を通じてこれら機構の枠組みの中で解決されるべきである。国連安全保障理事会のような他の機構を通じた方法に訴えることは、非生産的であると我々は考える。これらの機構が、当事者全員の利益を考慮し、公平で、バランスがとれ、非差別的なやり方で機能できるようになるには、そのために必要な政治的意思の存在が決定的である。マレーシアは軍縮に関する国際条約の全ての条項を全ての締約国が順守することこそが、多国間軍縮と拡散防止への唯一の持続可能なアプローチであると考える。
包括的核実験禁止条約(CTBT)の普遍化は重要である。この条約が発行されるまで、全ての核保有国は、現在の核実験のモラトリウムを維持していかなければならない。マレーシアは、近い将来におけるCTBTの発行のために、必要な措置を講じるものである。
マレーシアは、全世界、とりわけ中東地域に非核地帯を創立するための努力を支持している。マレーシアは、今後とも我々の切望する東南アジア非核兵器地帯の承認の実現にむけて、他のASEAN諸国と共同していく。この点において、今年4月28日にトラテロコでの非核地帯条約加盟国会議で採択された宣言を歓迎しつつ、我々は、この文書が示す措置が確実に非核地帯体制を強化する土台として機能し、核軍縮と核不拡散のプロセスに貢献し、とりわけ非核の世界という普遍的な目標を達成するための共同の方法を検討すると確信している。
小型・軽量兵器の違法な取引から生じる問題と脅威は、軽率に扱われるべきではない。これらの問題は、かつて紛争のあった、あるいは紛争が未だに猛威をふるっている国や地域だけに限定されるものではなく、われわれ全員の真の関心事でなければならない。これに関して、いくつかの現在進行中の取り組みは極めて重要である。マレーシアは、小型・軽量兵器の違法な取引をあらゆる側面において防止し、たたかい、根絶する行動計画の実施に引き続き尽力する。我々は、時宜にかなった信頼できる方法で、各国が違法な小型・軽量兵器を識別し追跡することを可能にする国際文書の重要性を認識しており、この文書は国連総会において採択されるべきである。我々はまた小型・軽量兵器の違法な中買業を防止し、たたかい、根絶するための国際協力を強化するためさらなる措置を講じる必要性を認識している。
今年我々、実質的な作業の実施に至らなかった軍縮会議の引き続く失敗を目の当たりにした。我々は、軍縮会議が早急に大量破壊兵器の廃絶を強調する新たな軍備管理軍縮条約の交渉において重要な役割を再び担うことを願う。
同様に、実質的な会期の計画の合意に至らなかった軍縮委員会の失敗は多国間軍縮のイニシアチブにおけるもうひとつの後退である。我々は、これらの発展に落胆した。この2つの重要な軍縮機構は、プロセスを前向きに発展させるため障害を乗り越えなければならない。よって我々は、第一委員会には、実質的な問題に関する前進をはかる緊急性を再確認し、全ての加盟国が安全保障問題に対処するための特別なイニシアチブを認識する義務があると考える。
従来通り、マレーシアは後日この委員会において、核兵器の脅威と使用の違法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見の追加文書と南極問題と呼ばれる2つの決議案を紹介するものである。この2つの重要な決議案への支持の確保を目的として、全ての加盟国と連動していくことが、我々代表団と、この決議案の共同提案者である他の代表団の望みである。
最後に我々は、5年前のミレニアムサミットにおいて指導者たちは、とりわけ、大量破壊兵器、特に核兵器の廃絶のために努力し、核の危険を除去する方法を特定するための国際会議の召集など、この目的を達成するため全ての選択肢を確保するとの決意を表明したことを、思い起こすものである。明らかに彼らの決意は果たされていない。この点において、我々代表団は、全ての加盟国にたいし、軍縮と国際安全保障の分野における我々の集団的共同に関する新たな発想と新鮮な展望を探求し続けることを望む。実際に、国際社会の平和と安全は、大量破壊兵器、特に核兵器に関する軍縮分野での重要な進展無くして完全に維持されるものではない。国際社会はすでに、軍縮プロセスを発展させるために必要な手段を前進させている。必要なことは、各国の完全な支持と政治的意思によって、軍縮条約を基盤にした既存の機構を強化することである。政治的意思なくして、軍縮、不拡散、軍備管理に関する問題の国際的な真の解決をはかることはできない。全面完全軍縮を達成するという共通の目的のため、自らを再構築する時がきている。
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