第62回国連総会第一委員会での核軍縮諸決議の採択状況
(速報その2)
2007年11月1日
日本原水協事務局 国際部
新アジェンダ連合案
文書番号:A/C.1/62/L.9
核兵器のない世界へ:核軍縮の約束履行の促進
共同提案国:ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデン:決議案
国連総会は、
2006年12月に採択した61/65決議を想起し、
核兵器が使用される可能性が人類にもたらしている危険に重大な懸念を表明し、
核軍縮と核不拡散が、両方の分野において緊急の不可逆的進展を必要とする強化し合うプロセスであることを再確認し、
核兵器不拡散条約(NPT)締約国による1995年再検討・延長会議の諸決定および中東に関する決議、ならびにNPT2000年再検討会議の最終文書を想起し、
NPT第6条の下でなされた誓約に従って、核軍縮につながる、自国核兵器の完全廃絶達成という核保有国による明確な約束も想起し、
2010年NPT再検討会議に向けた準備プロセスが成功し成果を挙げるよう、成しうるすべての取り組みを進めるよう締約国に強く求め、
1. 2007年4月30日から5月11日にウィーンで開かれた2010年NPT再検討会議に向けた第一回準備委員会を歓迎し、NPTの強化ならびにNPTの完全実施と普遍性の達成に寄与すべきである2010年再検討会議につながる準備プロセスが建設的であり成功を収めることを期待する。
2. 核軍縮と核不拡散を達成するに当たってのNPTの中心的役割とNPTの普遍性を引き続き強調し、すべての締約国に対し、自国の義務を順守するよう呼びかける。
3. 2000年NPT再検討会議の結論が、核軍縮に向けた体系的かつ漸進的な合意プロセスを打ち出したものであることを再確認する。
4. 核兵器国に対し、2000年再検討会議で合意された核軍縮にむけた具体的措置の履行を促進し、そうすることによりすべての人々にとってより安全な世界に寄与するよう再度呼びかける。
5. すべての国に対し、核軍縮ならびに核不拡散に関して行われたすべての誓約を全面的に順守し、核軍縮と核不拡散の大義を危険にさらしたり、新たな核軍拡競争につながりかねないいかなる行動も取らないよう呼びかける。
6. すべての締約国に対し、NPT普遍性の達成に向け努力を惜しまぬよう再度呼びかけると共に、まだ締約国でないインド、イスラエル、パキスタンに対し、非核兵器国として迅速かつ無条件にNPTに加盟するよう強く求める。
7. 朝鮮民主主義人民共和国に対し、NPT脱退声明を撤回するよう強く求める。
8. 核軍縮と核不拡散の達成にあたり、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効が極めて重要であることを認識し、2007年9月17日と18日にウィーンで開かれた、第5回CTBT発効促進に関する会議において全会一致で採択された、CTBT発効促進のための「最終宣言および措置」に注目する。
9. 第63回総会の暫定議題に、「核兵器のない世界へ:核軍縮の約束履行の促進」と題する項目を加え、その会期において本決議の履行状況を検討することを決定する。
第一委員会での票決:
決議案全体についての票決【賛成 151:反対 5:棄権 13】
賛成:(省略)
反対:朝鮮民主主義人民共和国、フランス、インド、イスラエル、アメリカ
棄権:アルバニア、オーストラリア、ブータン、ギリシャ、ハンガリー、ラトビア、ミクロネシア、パキスタン、ポーランド、ルーマニア、ロシア連邦、スロベニア、イギリス
欠席:ベニン、カーボヴェルデ、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国、ドミニカ、赤道ギニア、フィジー、ガンビア、ギニアビサウ、キリバス、マーシャル諸島、モナコ、パラオ、ルワンダ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サントメ・プリンシペ、セーシェル、ソマリア、トンガ、トリニダード・トバゴ、トルクメニスタン、ツバル
実効項目第6項のみについての票決【賛成 155:反対 4:棄権 2】
賛成:(省略)
反対:インド、イスラエル、パキスタン、アメリカ
棄権:ブータン、フランス
欠席:ベニン、カーボヴェルデ、中央アフリカ、チャド、コートジボワール、朝鮮民主主義人民共和国、コンゴ民主共和国、ドミニカ、赤道ギニア、フィジー、ガンビア、ギニアビサウ、キリバス、マダガスカル、マーシャル諸島、モーリタニア、モーリシャス、ミクロネシア、モナコ、モザンビーク、パラオ、ルワンダ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サントメ・プリンシペ、セーシェル、ソマリア、トンガ、トリニダード・トバゴ、トルクメニスタン、ツバル、イギリス
非同盟案
文書番号:A/C.1/62/L.40
核軍縮
共同提案国:アルジェリア、バングラデシュ、ブータン、ブルネイ・ダルサラーム、ブルキナファソ、カンボジア、中央アフリカ、コンゴ、キューバ、ギニア、ハイチ、インドネシア、イラン(イスラム共和国)、ヨルダン、ケニア、ラオス、マダガスカル、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ナミビア、ネパール、フィリピン、サモア、サウジアラビア、シエラレオーネ、スリランカ、スリナム、タイ、ウガンダ、ベネズエラ、ベトナム、ジンバブエ:決議案
国連総会は、
核の脅威の段階的削減に関する1994年12月15日の49/75E決議、および、核軍縮に関する1995年12月12日の50/70P決議、1996年12月10日の51/45O決議、1997年12月9日の52/38L決議、1998年12月4日の53/77X決議、1999年12月1日の54/54P決議、2000年11月20日の55/33T決議、2001年11月29日の56/24R決議、2002年11月22日の57/79決議、2003年12月8日の58/56決議、2004年12月3日の59/77決議、2005年12月8日の60/70決議、および2006年12月6日の61/78決議を想起し、
核兵器の完全廃絶および核兵器のない世界の確立という目標に対する国際社会の誓約を再確認し、
1972年の「細菌兵器(生物兵器)および毒素兵器の開発、生産および貯蔵の禁止ならびに廃棄に関する条約」と1993年の「化学兵器の開発、生産、貯蔵および使用の禁止ならびに廃棄に関する条約」がすでに、生物および化学兵器のそれぞれの完全禁止に関する法体制を確立していることに留意し、かつ核兵器の開発、実験、製造、貯蔵、一時的委譲、使用、使用の威嚇の禁止および核兵器の廃棄に関する核兵器条約の達成と、そのような国際条約の早期締結を決意し、
いま、核兵器のない世界を確立する条件が存在することを認識し、この目標達成への具体的な実行措置をとる必要性を強調し、
軍縮に焦点をあてた最初の特別会期であった「国連第10回特別総会」(SSD-I)の最終文書の第50段落が、核兵器体制の質的向上と開発の停止に向けた合意、ならびに、可能な限り早期における最終的かつ完全廃絶につながる、核兵器とその運搬手段の漸進的かつ均衡のとれた削減にむけた、可能なところはどこからでも、合意された期限つきの包括的かつ段階的計画に関する合意を、緊急に協議するようよびかけたことに留意し、
「核兵器の不拡散に関する条約」(NPT)は核不拡散と核軍縮のかなめ石であるとの、同条約締約国の確信、ならびに、1995年のNPT再検討延長締約国会議により採択された、同条約の再検討プロセスの強化に関する決定、核不拡散と軍縮のための原則と目標に関する決定、同条約の延長に関する決定、中東に関する決議の重要性を再確認し、
2000年NPT再検討締約国会議の最終文書において合意された、核兵器の完全廃絶につながる核軍縮の目標を達成する系統的かつ漸進的努力のための13項目措置の重要性を強調し、
「国連総会第10回特別総会」の最終文書において、また国際社会によって、核軍縮に最優先課題があたえられたことを再度表明し、
包括的核実験禁止条約の早期発効を再度よびかけ、
また、ベラルーシ、カザフスタン、ロシア連邦、ウクライナ、アメリカ合衆国が締約国である、戦略攻撃兵器の削減および制限に関する条約(START I)の発効に賞賛をもって留意し、
ロシア連邦とアメリカ合衆国の間に締結された戦略攻撃核削減条約(モスクワ条約)の発効を、両国の配備戦略核兵器削減にむけた重要な措置として、賞賛をもって留意し、その一方で両国の核兵器の不可逆的でさらなる大幅削減をよびかけ、
さらに、核軍備の制限にむけた核保有国による一方的措置にも賞賛をもって留意し、このような措置をさらに講ずるよう同諸国を激励し、同時に、核軍縮に向けた進展の速度が遅いこと、および核兵器国による自国の核兵器の完全廃絶達成に進展がないことに深い憂慮を再度表明し、
核軍縮に関する2カ国間、数カ国間、多国間交渉が相互補完的なものであり、この点において2カ国間交渉はけっして多国間交渉にとって代われないことを認識し、
軍縮会議(CD)および国連総会において、非核保有国に対する核兵器の使用もしくは使用の威嚇の禁止を保証する国際条約をつくることが支持されたこと、また、軍縮会議におけるこのような国際条約についての合意の早期達成にむけた多国間の努力に注目し、
核兵器による威嚇もしくは使用の適法性に関する国際司法裁判所の1996年7月8日の勧告的意見を想起し、全判事が一致して、「厳格かつ効果的な国際管理のもと、あらゆる分野にわたり核軍縮につながる交渉を誠実におこない完了させる義務が存在する」と再確認したことを歓迎し、
2006年5月29から30日、マレーシアのプトラジャヤで開かれた非同盟諸国運動調整ビューロー閣僚会議の最終文書の第64段落に留意し、
2006年9月11日から16日にハバナで開かれた、第14回非同盟諸国・政府首脳会議・最終文書の第70段落とその他関連する提言が、軍縮会議に対し、可能な限り早くかつ最優先課題として、核軍縮に関する特別委員会を設立し、特定の期限内での核兵器の完全廃絶にむけた段階的計画についての協議を開始するようよびかけたことに留意し、
核軍縮の問題を実質的な議題のひとつとして議論するために、1998年9月8日の52/492号の決定で、国連総会が軍縮委員会に付託した特定の権限を再確認し、
国連ミレニアム宣言の中で各国政府首脳が、大量破壊兵器、とりわけ核兵器の廃絶にむけ奮闘し、また、核の危険をなくす方法を明らかにする国際会議開催の可能性もふくむ、この目標の達成にむけたすべての選択肢を維持すると決意したことを想起し、
国連憲章にのっとり、各国は国際間の紛争解決にあたり、核兵器の使用あるいは使用の威嚇をすべきではないことを再確認し、
テロ行為において大量破壊兵器とりわけ核兵器が使用される危険と、これを取り締まり克服するための具体的な国際的努力が緊急に必要であることを承知し、
1. いま、すべての核保有国が、核兵器を廃絶するために有効な軍縮措置をとる時期が熟していることを認識する。
2. 核軍縮と核不拡散は実質的に相互に関連・補完するものであって、このふたつのプロセスが一致して進められなければならないこと、また、核軍縮の系統的かつ漸進的プロセスが真に必要とされていることを再確認する。
3. 関係地域の諸国により自発的に達成された合意または協定にもとづく、世界各地にあらたな非核兵器地帯を設立する努力を歓迎、激励する。これは、核兵器のさらなる地理的拡散を制限する効果的な措置であり、核軍縮の目標に寄与するものである。
4. 核兵器がいつか使われうる危険性を最小限にし、核兵器完全廃絶のプロセスを促進するため、戦略ドクトリンと安全保障政策における核兵器の役割を減じさせる必要が真に存在することを認識する。
5. 核保有国に対し、核弾頭およびそれらの運搬システム手段の質的改良、開発、製造、貯蔵をただちに停止するよう強く求める。
6. また、核保有国に対し、暫定措置として、自国核兵器の警戒態勢解除と不活性化を即時おこなうこと、また、自国の核兵器システムの作戦上の地位をさらに引き下げるためにその他の具体的措置を講ずることを強く求める。
7. 核保有国に対し、核兵器の完全廃絶を達成するため、核の脅威を段階的に減じ、効果的な核軍縮措置を実施するよう、再度よびかける。
8. 核保有国に対し、核兵器の完全廃絶が達成されるまでのあいだ、核兵器の先制不使用という共同の約束について法的拘束力をもつ国際協定に合意するようよびかけるとともに、すべての国に対し、非核保有国に対し核兵器の使用も使用の威嚇もおこなわないという安全保障確約に関する法的拘束力をもつ国際協定を締結するようよびかける。
9. 核保有国に対し、核軍縮の効果的措置として、核兵器のさらなる大幅削減に関する数カ国間交渉を、適切な段階において、核保有国のあいだで開始するよう強く求める。
10. 核軍縮ならびに、核およびその他関連する軍備管理・削減措置のプロセスに不可逆性の原則を適用する重要性を強調する。
11.2000年4月24日から5月19日までニューヨークで開かれた、2000年NPT再検討会議の最終文書において、同条約6条ですべての締約国が誓約している核軍縮につながる自国核兵器の完全廃絶を達成するという、核保有国による明確な約束の重要性、ならびに、核兵器の使用または使用の威嚇を防ぐ唯一の保証は核兵器の完全廃絶であると締約国が再確認したことの重要性を強調する。
12.2000年再検討会議の最終文書にふくまれた、核軍縮にむけた13の措置の全面的かつ効果的な実行をよびかける。
13.核保有国に対し、一方的な努力にもとづき、また、核兵器削減と軍縮プロセスの不可欠な部分として、非戦略核兵器をさらに削減することを強く求める。
14.軍縮会議(CD)において、特別コーディネーター報告(CD/1299)と同報告の委任事項にもとづき、核兵器用またはその他の核爆発装置用分裂性物質の製造を禁止する、非差別的で、多国間の、国際的にかつ効果的に検証可能な条約の交渉をただちに開始するようよびかける。
15.軍縮会議(CD)に対し、5年以内の完了を目的に、そのような条約に関する協議をただちに開始することをふくむ作業計画に合意することを強く求める。
16.非核保有国に対する適切な安全の保証に関する国際的な法律あるいは協定の締結をよびかける。
17.包括的核実験禁止条約の早期発効とその厳格な順守もよびかける。
18.2005年の核不拡散条約再検討会議が実質的な成果を出せず、2005年国連首脳会議の成果文書が核軍縮と核不拡散に言及することができなかったことに遺憾を表明する。
19.また、軍縮会議(CD)が2007年会期において、国連総会61/78決議でよびかけられた核軍縮に関する特別委員会を設立できなかったことに遺憾を表明する。
20.軍縮会議(CD)に対し、優先事項として、2008年の早期に核軍縮をあつかう特別委員会を設立し、核兵器の最終的完全廃絶につながる核軍縮の段階的計画に関する協議を開始するよう、再度よびかける。
21.核軍縮の具体的措置を明らかにし、それらに取り組むために、核軍縮すべての分野に関する国際会議を早期に開催するようよびかける。
22. 事務総長に対し、本決議の実行についての報告を第63回総会に提出するよう要請する。
23.第63回総会の暫定議題に、「核軍縮」と題する項目を入れることを決定する。
第一委員会での票決【賛成 113:反対 45:棄権 17】
賛成:(省略)
反対:アルバニア、アンドラ、オーストラリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、カナダ、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、グルジア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、ミクロネシア、モルドバ、モナコ、モンテネグロ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サンマリノ、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、マケドニア、トルコ、ウクライナ、イギリス、アメリカ
棄権:アルメニア、オーストリア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、インド、アイルランド、日本、カザフスタン、キルギスタン、マルタ、モーリシャス、パキスタン、韓国、ロシア連邦、スウェーデン、タジキスタン、ウズベキスタン
欠席:カーボヴェルデ、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ルワンダ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サントメ・プリンシペ、セーシェル、トンガ、トリニダード・トバゴ、トルクメニスタン、ツバル
マレーシア案
文書番号:A/C.1/62/L.36
核兵器の威嚇または使用の適法性に関する国際司法裁判所勧告的意見の後追い
共同提案国:アルジェリア、ボリビア、ブルネイ・ダルサラーム、ブルキナ・ファソ、チリ、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、グアテマラ、インド、インドネシア、イラン(イスラム共和国)、クウェート、ラオス、リビア、マレーシア、メキシコ、ミャンマー、ネパール、パキスタン、ペルー、フィリピン、カタール、シンガポール、シリア、タイ、ベトナム
総会は、
1994年12月15日の49/75K決議、1996年12月10日の51/45M決議、1997年12月9日の52/38O決議、1998年12月4日の53/77W決議、1999年12月1日の54/54Q決議、2000年11月20日の55/33X決議、2001年11月29日の56/24S決議、2002年11月22日の57/85決議、2003年12月8日の58/46決議、2004年12月3日の59/83決議、2005年12月8日の60/76決議、および2006年12月6日の61/83決議を想起し、
核兵器が存在しつづけていることは全人類に対する脅威であり、核兵器が使用されれば地上すべての生命に破滅的な影響をもたらすことを確信し、核による破局に対する唯一の防衛は、核兵器の完全廃絶と、確実にそれらが二度と製造されないことであることを認識し、
核兵器の完全廃絶と核兵器のない世界の創造という目標に対する国際社会の誓約を再確認し、
核兵器の不拡散に関する条約(NPT)第6条のもと締約国が負う厳粛な義務、とりわけ、核軍拡競争の早期停止ならびに核軍縮に関する効力ある措置について、誠実に交渉を遂行するという義務を心に留め、
1995年のNPT締約国再検討延長会議で採択された核不拡散・軍縮にむけた原則と目標を想起し、
2000年のNPT締約国再検討会議で採択された、核軍縮につながる自国核兵器の完全廃絶を達成するという核保有国による明確な約束を強調し、
1996年9月10日の50/245決議で、包括的核実験禁止条約が採択されたことを想起し、また、この条約に調印・批准する国が増加していることに満足の意を表明し、
南極条約とトラテロルコ、ラロトンガ、バンコク、ペリンダバ、セミパラチンスク各条約およびモンゴルの非核兵器国としての地位が、これらの条約が対象とする南半球全体およびそれに隣接する諸地域を徐々に核兵器から解放していることを、満足をもって認識し、
核に関する現存するすべての軍縮、軍備管理、削減措置を強化することの重要性を強調し、
核兵器による威嚇または核兵器の使用を非核保有国に対しおこなわないことを保証するための、多国間で協議され、法的拘束力をもつ協定の必要性を認識し、
唯一の多国間軍縮協議の場としての軍縮会議(CD)の中心的役割を再確認し、2007年度のCD会期において軍縮協議、とりわけ核軍縮の協議において進展がなかったことを遺憾とし、
CDが、特定された期限内での核兵器完全廃絶にむけた段階的プログラムについて協議を開始する必要性があることを強調し、
2005年のNPT再検討会議が実際的な問題の合意に失敗したことに遺憾の意を表明し、
2000年NPT再検討会議において合意された、同条約第6条を実行するための13項目の措置の実行において進展がないことに深い懸念を表明し、
核兵器の開発、製造、実験、配備、貯蔵、威嚇または使用を、法的拘束力を持って禁止し、効力ある国際管理のもと核兵器を解体するという目標を達成することを強く望み、
1996年7月8日に出された、核兵器の威嚇または使用の適法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見を想起し、
61/83決議の実行に関する事務総長による報告の関連部分に留意し、
1. 厳格かつ効果的な国際的管理のもと、あらゆる分野にわたる核軍縮につながる交渉を誠実におこない完了させる義務が存在する、という国際司法裁判所の全会一致の結論を、再度強調する。
2. すべての国に対し、核兵器の開発、製造、実験、配備、貯蔵、委譲、威嚇または使用を禁止し、核兵器の廃絶を規定する核兵器条約の早期締結につながる多国間交渉を開始することにより、この義務を即時果たすよう、再びよびかける。
3. すべての国に対し、この決議と核軍縮の実行にあたり講じてきた努力と措置を事務総長に報告することを要請し、また、事務総長に対し、この報告を第63回総会に知らせるよう要請する。
4. 第63回総会の暫定議案に、「核兵器の威嚇または使用の適法性に関する国際司法裁判所勧告的意見の後追い」と題する項目を含めることを決定する。
第一委員会での票決:【賛成 121:反対 25:棄権 29】
賛成:(省略)
反対:ベルギー、ブルガリア、チェコ共和国、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ロシア連邦、スロバキア、スロベニア、スペイン、トルコ、イギリス、アメリカ
棄権:アルバニア、アンドラ、アルメニア、オーストラリア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カナダ、クロアチア、キプロス、エストニア、フィンランド、グルジア、インドネシア、日本、カザフスタン、キルギスタン、リヒテンシュタイン、ミクロネシア、モルドバ、モンテネグロ、韓国、ルーマニア、セルビア、スイス、タジキスタン、マケドニア、ウクライナ、ウズベキスタン
欠席:カーボヴェルデ、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、モナコ、ナウル、パラオ、ルワンダ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サントメ・プリンシペ、セーシェル、トンガ、トリニダード・トバゴ、ツバル
日本案
文書番号:A/C.1/62/L.30
核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意
共同提案国:オーストラリア、オーストリア、チリ、ドミニカ共和国、エリトリア、フィンランド、ドイツ、グアテマラ、日本、リトアニア、ルクセンブルク、ネパール、オランダ、スペイン、スイス、ウクライナ:決議案
総会は、
核兵器のない平和で安全な世界を実現するために、すべての国が核兵器の全面的廃絶に向け、更なる実際的及び実効的措置をとる必要性を想起し、かかる措置をとる決意を新たにし、
軍縮の過程における各国の努力の究極的目標は、厳重かつ効果的な国際管理の下におかれた全面完全軍縮であることを認識し、
2006年12月6日の決議61/74を想起し、
核戦争及び核テロリズムを回避するためにあらゆる努力を払うべきことを確信し、
核兵器不拡散条約(NPT)が国際的な核軍縮不拡散体制の礎として、決定的に重要であることを再確認するとともに、日本の広島・長崎の被爆60周年である2005年のNPT運用検討会議における実質的な事項に関する合意の欠如及び同年9月の国連総会首脳会合成果文書における核軍縮及び不拡散に関する言及が削除されたことに遺憾の意を表明し、
1995年NPT運用検討・延長会議の決定及び決議、並びに2000年NPT運用検討会議最終文書を想起し、
国際の平和及び安全の増進と核軍縮の促進とは、相互に強化し合うことを認識し、
核軍縮における更なる進展は、国際的な核不拡散体制を強化し、国際の平和と安全の確保に資することを再確認し、
拡散ネットワークが引き起こすものも含め、大量破壊兵器、特に核兵器の拡散により増大しつつある危険に関する深い懸念を表明し、
北朝鮮が2006年10月9日に実施を発表した核実験に関する安全保障理事会決議1718号(2006)の重要性を認識し、同時に六カ国協議で得られた最近の進展を歓迎し、
1. NPTの全締約国が、同条約上の義務を履行することの重要性を再確認する。
2. 効果的なNPTの運用検討プロセスの重要性を強調し、2007年の準備委員会第一回会合をもって2010年再検討プロセスが成功裏に開始されたことを歓迎し、NPTの全締約国に対して、2008年の準備委員会第二回会合が建設的に開催されることを確保すべく協働するよう要請する。
3. NPTの普遍性の重要性を再確認するとともに、同条約の未締約国に対し、遅滞なくかつ無条件に同条約に非核兵器国として加入することを要請し、また、同条約に加入するまでの間、同条約の目的を損なう行動を抑制し、同条約を支持する実際的な措置をとるよう要請する。
4. NPT締約国が同条約第6条の下で同意する核軍縮につながる、すべての種類の核兵器のなお一層の削減を含む更なる措置を慫慂するとともに、核兵器廃絶に向けた取組みの過程において、不可逆性及び検証可能性、並びに国際の安定及びすべての国にとって損なわれない安全保障を促進する方法で向上した透明性を適用することの重要性を強調する。
5. ロシア及び米国を含む核兵器国による核兵器削減の着実な進展を歓迎しつつ、ロシア及び米国が更なる核軍縮への一歩となるべき戦略攻撃能力削減条約(モスクワ条約)を完全に実施し、同条約を超える核兵器削減に着手することを慫慂する。
6. 核兵器関連物質の削減を目的とした国際的協調の枠組みにおける努力を引き続き追求するよう各国に慫慂する。
7. 核兵器国が国際の安定と安全を促進する方法で核兵器システムの運用状態を一層低減させるよう要請する。
8. 国際の安定を促進し、かつすべての国にとっての安全保障が損なわれないとの原則に基づく方法で、核兵器が使用される危険性を最小化し、核兵器の全面的廃絶の過程を促進するために、安全保障政策における核兵器の役割を低減させる必要性を強調する。
9. CTBTの早期発効のために、同条約の未署名・批准国に対し早期に署名・批准するよう要請し、同条約が発効するまでの間、核実験爆発の既存のモラトリアムを維持することの重要性を強調し、CTBTの遵守を確保するために求められる国際監視システムを含むCTBT検証体制の継続的な開発の重要性を再確認する。
10. ジュネーブ軍縮会議における本年の進展を考慮して、同会議に対し、その実質的作業を最大限かつ速やかに再開するよう要請する。
11. 兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)交渉の即時開始と早期妥結の重要性を強調し、すべての核兵器国及びNPT非締約国に対し、同条約発効までの間、兵器及びその他の核爆発装置用核分裂性物質生産モラトリアムを宣言することを要請する。
12. すべての国家に対し、核兵器及びその他の大量破壊兵器並びにその運搬手段の拡散を防止し抑制するための努力を倍加することを要請する。
13. 1997年5月15日に国際原子力機関(IAEA)特別理事会により承認された、IAEAと各国との間の保障措置適用のための協定のモデル追加議定書(IAEA追加議定書)の普遍化及び、(2004年)4月28日採択の安保理決議1540号を含め関連する安保理決議の完全実施を含む不拡散の更なる取組の重要性を再確認する。
14. 第57会期において国連総会に提出された、軍縮・不拡散教育に関する国連事務総長報告書の勧告を全ての国が適宜実施すること、及びこのために各国が行っている努力についての情報を自発的に共有することを慫慂する。
15. 核不拡散・核軍縮を促進する上で、市民社会が果たす建設的役割を奨励する。
第一委員会での票決【賛成 165:反対 3:棄権 10】
賛成:(省略)
反対:アメリカ、朝鮮民主主義人民共和国、インド
棄権:ブータン、中国、キューバ、エジプト、フランス、イラン、イスラエル、ミャンマー、ニカラグア、パキスタン
欠席:カーボヴェルデ、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ルワンダ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サントメ・プリンシペ、セーシェル、トンガ、トリニダード・トバゴ、ツバル
|