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2004年10月12日 御茶ノ水、平和と労働会館2階会議室

フォーラム  「いま、核兵器の廃絶を―NPT再検討会議にむけて」

発言要旨(抄訳:同時通訳を起こしたものです)

駐日エジプト大使 の発言(抄訳)

 まず本日お招きいただきましてありがとうございました。たいへんに重要な機会であると思っています。私は本日このようにご招待をいただき、自ら来ようと思って期待をして参った次第です。

 エジプトと日本との関係、まず二つのことが歴史的に特記すべきことがあると思います。この二つの出来事によってエジプトの対日観ができたといってもいいと思います。

 まず1904年と1905年の日露戦争です。はじめて東洋の日本という小国が西側のロシアという国に勝ったわけであります。戦勝国となった。エジプトにとってこれはマスコミでも新聞でも大々的にとりあげられました。これは大きな希望だと皆考えたわけです。この東洋の国日本が植民地主義を終わらせてくれるのではないかと期待を与えてくれたわけです。いってみれば、もちろんこれですべてが決まったわけではありませんけれども、日本が伝統の文化、アイデンティティーを維持しつつ、このように世界に名をあげたということが一つ大きかったわけです。
それからもう一つの歴史の出来事、広島と長崎です。原爆投下です。世界どこの国もそうだったと思いますが、エジプトでもどうしてこんなことになってしまうのか、たいへん衝撃を受けました。私は長崎にも行ったことがあります。私も長崎でその様子をいろいろ見て衝撃を受けました。これはやはり永遠に消えることはないこの歴史的な出来事であると思います。広島と長崎によって、やはりくりかえしてはならないという決意を人類は固めることになったと思います。そういった意味で、日本のみなさん、広島と長崎のみなさんが、これだけの痛みに耐えて立ち上がったということを感謝したいと思います。そして世界もこれだけの苦しみをした国はなかったわけですが、しかしこれだけ復興を見事に遂げた国もやはり他にはないといえます。

 さて、こんにちわれわれは、核兵器の拡散を防止するために何をしたらいいのかという課題をかかえています。このようなフォーラム、これも一つのいい例だと思いますが、やはりこの問題を常に提起し続けることが重要です。忘れてはならないのです。8月に大きな会議があり、エジプトの外務次官も参加しました。そして、私どもも同じメッセージを共有していることが確認されたと思います。そしてやはり本日もこのようにフォーラムに集まることができました。エジプトの立場、これはメキシコの立場ともたいへん近いものがあるんですが、お伝えしたいと思います。メキシコの大使の方から新聞の記事のコピーが配られましたが、これは、7ヵ国、エジプト、メキシコ、ブラジルなどを含めた外務大臣が新アジェンダ連合の国々が共同で書いたものですが、9月27日に出たものです。

 このなかで重要な点についてお話ししたいと思います。この7ヵ国外相のメッセージの第一のポイントとして、不拡散はもちろん重要だけれども、それだけでは足りないということです。この核軍縮には両方の面がある。そして一方だけではだめだということです。この両方がコインの両面のようにそろってなければいけないということです。そうでなければ新たな形の核兵器が、新たな口実、新たな使途のもとに広まってしまう危険があります。NPTもうまくいかないとさらに拡散が広がってしまう危険があると指摘されています。

 それから、もう一つの点ですが、NPTはバラバラでいいとこ取りをして守ってはいけないということです。これは5大国それから非核保有国が皆結束して、全部を維持しなければいけないのです。ですから非核保有国は核開発をしない、そのかわりに核保有国は軍縮の努力をするという両面があるわけです。これについては皆さんもご存知だと思いますので、95年と2000年のNPTの会議のことには触れませんけれども、残念ながらそれ以来非常に進歩は遅々としています。核兵器が非核保有国に対して先制使用されるといったような概念まで膾炙されるようになってしまっています。

 それからもうひとつ三つ目の重要な点ですが、核保有国が今後も核兵器を安全保障の手段として維持し続ける限り、他の国々もやはり同じように核保有をしたいという衝動に駆られざるをえないわけです。最近の動きを見てもそれは明らかだと思います。

 そして三つか四つくらいの解決策をここではあげています。第一はすべての締約国がNPTの条約を遵守する。そして、条約の普遍化をはかるということです。そして核拡散をさらに防ぐ。そして核保有国がこのコミットメントを維持し、誠実に核軍縮を希求することです。核兵器が新たな使途を、そして新たなタイプの核兵器開発をすすめるというようなことはすぐにとめなければならない。それからまたCTBTの発効を喫緊の課題としてすすめなければいけないということです。それから三番目、カットオフ条約の交渉をすぐに開始しなければなりません。濃縮ウラン、プルトニウム、これらの生産を禁止しなければいけない。それには検証の措置もとらなければなりません。

 二年前にエジプトの政府がある文書を出しました。2002年4月のことですけれども、新アジェンダ連合を代表したものです。メキシコもブラジルも入っています。ニュージーランド、スウェーデン、アイルランド、南アフリカがメンバーですが、代表してメキシコがこの文書を出しました。これは具体的なやり方をロードマップとして示したものです。長い文書ですから読むことはいたしません。しかし、たとえば多国籍のアプローチを取って国際社会皆が平和と安定の維持のために努力しなければいけないということが盛り込まれています。そして、核軍縮は不可逆的なプロセスでなければならないということも入っています。それからこの核兵器を永久に保持し続けるという姿勢は、NPTに反するものであるということも入っています。それから中東においても核不拡散はたいへん重要です。中東における唯一の核保有国イスラエルです。エジプトのムバラク大統領が1990年にこの地域における非大量破壊兵器地帯の設置を提案しました。例外なくあらゆる大量破壊兵器の保持を禁止しようと構想です。中東で核を持っているのは現在イスラエルだけです。ところがこの国が対応ができていない。イラクについてはもうご存知でしょう。戦争もあった。そしてイランについても今いろいろ交渉がすすんでいる、リビアは核兵器を放棄した、大量破壊兵器を放棄した。しかし国際社会は真剣にイスラエルの核兵器の問題をいまだ対応していないのです。もちろんいろんな技術的な問題もありますし、透明性とか、信頼醸成、条約を正式に定めること、またアカウンタビリティー(説明責任)、こういった技術的な側面もいろいろあります。そして準備委員会でアカウンタビリティーの問題に対応しなければいけないということももちろん、いろんな細かい問題としてあります。しかし率直にひとつここで申し上げておきたいことがあります。いろんな議論があるけれどもとにかく行動がほとんど伴われていないといえないでしょうか。どうしてでしょうか。やはりとにかく前進したい、ほんとうに真剣にとどこと思ったら、大きな問題に対応する必要がある国際法、そして法の支配ということをがんばらなければならない。日本を尊重している国、日本は法治国である、だからわれわれは日本を尊重している。しかし世界は今法治の状況になっていないわけです。核兵器を廃絶するためにはどうしたらいいのかというとき、まず国際システムという国連で対応したいわけです。二重基準が続く限り、この国はこの法律を守らせる、この国は守らせないというようなことでいいでしょうか。例えばイランについてもおわかりでしょう。いま国際システムは信頼性を欠いていると思います。ですから国連に対する信頼を回復し、そして正当性に対する信頼を回復しなければ、前進は無理であると思います。ですからメキシコの大使の方もおそらくおっしゃると思いますから、(聞こえない)、やはり政治的な意思が必要です。そして国際的な正当性を確保しなければいけない。国連改革とか安保理改革とかいろんな議論があります。それも重要です。でも安保理をただ拡充するだけでなく、増やすだけでなく、十分に機能させることもあわせてやらなければならないと思います。いま歴史的に考えても、正当性という問題にいまこそ対応しなければならないと思います。そしてダブルスタンダードに立ち向かっていかなければならないと思います。そして、将来の国際システムがすべての国々にとって受け入れられ、正義が実現するようにはどうしたらいいのかということを対応しなければいけない。正義なくして進歩なし、正義なくして透明性なくして前進ないと思います。どういうふうに前進したらよいか皆さんと意見の交換をしたいと思います。

駐日メキシコ大使(抄訳)

 日本原水協にたいしましてお招きいただきましたことに対しお礼をもうしあげます。メキシコ大使といたしまして、この会議に出席することをたいへん重要に思っています。メキシコ政府を代表してたいへん光栄に存じています。3国の政府の代表が、軍縮についてお話しができる、そして核兵器の全面的廃絶についてお話しができるということをたいへん光栄に存じます。

 ではまずメキシコが非常に多国間主義に関して大きな努力をしていることについて申し上げたいと思います。核兵器が1940年代後半から世界に現れて以来、こうした兵器は廃絶すべきだという立場をとっています。1960年代、このわれわれの政府およびメキシコの国民はまず最初に、非核兵器地帯をラテンアメリカ地帯そしてカリブ海において成立させました。これはこのエリアだけではありませんが、ここにおきましてラテンアメリカおよびカリブ海諸国においては非常に人口が密集した地帯です。ですからトラテラルコが条約の一つとなりますけれども、トラテラルコ、これも非核兵器地帯の条約のひとつです。また1982年ですけれども、この地帯での外交官、メキシコの外交官は、ノーベル平和賞を受賞しました。これは継続的にさまざまな努力を、核兵器の全面廃絶に対してしたことによるものです。

また、つい最近のことになりますが、さまざまな締結国、エジプト、ブラジル、ニュージーランド、スウェーデンといった国々と協力し、さまざまな協力をして、新アジェンダ連合を2000年に確立しました。核兵器廃絶をめざした連合です。ですから、われわれメキシコにとり、この40年間常に核兵器廃絶に携わってきたわけです。ほんの2、3週間ほど前ですが、各国の首相級レベル、ブラジルもそうですけれども、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデンといった各国首脳が集まり、この手紙を発行することを決定しました。これは、ヘラルドトリビューンからの社説です。こちら英語で書かれており、これが簡略に書かれています。この7ヵ国に関しての手紙ですけれども、これは例えば各国の外相が集まり、例えばラテンアメリカ、ヨーロッパ、それから東南アジア、そしてアフリカ、南北の各国から集まっていますけれども、これらがいわゆる中間国といわれる国々が集まり、同じアジェンダを追求するものです。つまり全面的な核兵器の廃絶というものです。この7ヵ国の主眼は非常に明らかなことです。つまり最大限の努力をして核拡散をとめていかなければならない。不拡散はわれわれにとって最も重要な努力項目です。国際的なレベルの努力が必要であるこういうことは、疑いなく、つまり不拡散条約は普遍化されるべきであり、またすべての国々によって敬われるべきです。まだ条約に参加していな国がありますが、ぜひこのNPTに参加してもらいたいと思います。そしてこのNPTの普遍化を望みたいと思います。

 そして、これはわれわれにとって非常に重要なものですが、同時にわれわれとして軍縮のためにもわれわれは手を取り合って協力していかなければならない。つまり、同じコインの裏表ということになります。拡散を防止するということと同時に、現実的な具体的なステップを、非核兵器化のため、つまり核軍縮のためにとっていくという、この二つのコイン両方をいっしょにとっていかなければいけません。メキシコとしてはこれが共通の最も重要な全人類に対しての21世紀の課題であると感じています。そして確信しているのは核兵器のない世界の到来です。さまざまなアプローチがとられ、核兵器の全面不使用の新しいアプローチがとられています。例えばその使用を合法化したり、さまざまな新しい兵器を開発しようという動きもありますが、これは警告に値する行為です。また、広島および長崎での非人道的な災害がありました。悲惨なできごとがありました。これは非常に破壊的なものであり、直後にも中間的にも長期的にもこの兵器による被害がおよんでいます。メキシコは世界の人びとに脅威を与えると考えていますし、こうした兵器は完全に廃絶しなければいけません。また、全面廃棄によってこそ世界の安全保障は強化され、二度とつくられないという保証こそが必要なのです。また、核不拡散のためには国際コミュニティーにおける協力というものがまず大事です。また原子力エネルギー阻止に関して、平和利用をおしすすめ、また核兵器の廃絶に関して運動をしていかなくてはいけません。また、不拡散条約こそが、その不拡散の努力に対しての試金石になると考えています。また、みなさまがたすべての国々が準拠することをおしすすめていきたいと思っています。

 2005年になりますけれども、不拡散条約に関しての実相に関して、新しいチャンスが得られました。この軍縮に関しての6条に関してですけれども、これは明確な約束に対しての実行要求です。これは2000年に核保有国によっておこなわれたものです。つまり核兵器を全面廃絶してこそ核軍縮につながるということです。2005年にわれわれはこれに注目し、何が必要かということに関して注目していきたいと思います。すでに約束はなされているわけですから、これ以上う約束する必要はありません。あと必要なのは実行そして行動のみです。そして不拡散は非常に重要ですが、まだ十分ではありません。核の不拡散および軍縮、一つのコインの表裏で、どちらも同時に追求していかなければなりません。そして、核兵器の軍拡交渉は新しいタイプになっています。そして最終的にはより核弾頭が増えていくということになります。ですからこの核兵器を規制して不拡散条約の管理をするということが非常に重要となるわけです。またテロリストグループなど国家以外の組織による新しい脅威が生まれています。そして国際安全保障、つまりテロリズムによる国際安全保障に対しての脅威がいっそう核に対しての脅威を与えているということです。こうした兵器も現在までは大きな使い方をしたことはありませんけれども、テロリズムによる積極的なアプローチがとられることにより、いっそう核兵器の武器の存在に対しての脅威が高まっているといえます。

 2005年においてのNPT再検討会議は、これにおいて重要な役割を果たすと考えます。メキシコ、また他の国々もそうですが、われわれとしてはこの透明性を希求し、またコミットメントを希求していきたいと思います。その準拠、条約に準拠を部分的に求めるものではありません。NPTのフレームワークや国際コミュニティーはすでにメカニズムをつくりだしています。そして各国に対してその準拠に対して、ある一定のレベルのをもって完全な準拠を求めるものです。しかし軍縮に関してそれは十分におこなわれていません。メキシコとしてはすべての国々がこの意識を共有し、NPT再検討会議にむけて、一貫した意識を持つべきだと思っています。そして非核兵器地帯の拡大を主張します。そして、核兵器の選択も含んだ先制攻撃という考え方に対しても反対するものです。そしてNPT条約は普遍化されるべきです。すべての国々がこの軍縮に関して声をあげるべきです。そして核兵器の軍縮を真摯に追求すべきでしょう。核兵器に関する新しい計画、例えば使用もしくは使用するという脅威に関しては、すぐに否定されなければいけません。これはバラバラにNPTをおこなっても意味はありません。これは法的な拘束力のあるものです。つまり、5ヵ国の核保有国、中国、フランス、ロシア、イギリスそしてアメリカ、および非核保有国に関してどちらも拘束する法的な項目です。そして最終的には全世界からの核兵器全面廃絶を考えなければいけません。しかしこれは国だけの責任ではありません。つまりわれわれ全員が核の脅威にさらされているのです。ですから国際コミュニティーとして全体として市民社会も含んで、そして実際に協力してこの問題にとりくんでいかなければいけません。国際的な平和および安全保障は、グローバルなことで、全員が責任をもつ興味のものです。これはみんなが責任を共有しているわけです。そしてわれわれはそれを促進するべきそこの運動に参画していかなければいけません。われわれは平和を存続する義務があり、そして核軍縮に対しての責任が全員共有しているわけです。ご清聴いただきありがとうございました。

 

 

 

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