開会総会
2004原水爆禁止世界大会
ジョセフ・ガースン
アメリカ合衆国
みなさん、こんにちは。この世界大会にまた参加して、被爆者のみなさんのお話しや内外の平和運動の経験を聞くことができとても嬉しく思います。
ブッシュ大統領とチェイニー副大統領が政権を牛耳ってからすぐ、私は、暗黒の時代にわれわれは突入している、と警告しました。みなさん、私は間違っていたと思いますか?彼らが権力の座についてからというもの、アフガニスタンを侵略して中央アジアと中東に自分たちの軍隊を置いて植民地化しました。ブッシュ大統領は、弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)を放棄するし、包括的核実験禁止条約(CTBT条約)を批判するし、核不拡散条約(NPT条約)第6条を無視すると宣言し、核兵器開発と核実験再開にむけた準備を加速させています。さらに、彼は核戦争をも辞さないと脅しをかけているのです。
本土防衛省、「愛国法」、先週ボストンで行われた民主党大会で出された警察国家戦略、アブグレイブ刑務所であった組織的な拷問行為など、アメリカの民主主義は危機に瀕しています。
ブッシュ大統領とチェイニー副大統領が推進する地球規模の軍事十字軍は、アメリカのエリート集団の妄想的野心から芽生えたものだと思います。ブッシュの父親がまだ大統領だったときから始まっているのです。彼は、「言うがままになるような」新しい世界秩序を手に入れようとしました。次に大統領になったクリントンもまたあらゆる領域での支配を目指しました。そして、9/11が起こる前からブッシュとチェイニーは、今後数十年にわたり、アメリカが世界の軍事・経済・政治の優勢であり続けるため「21世紀に向けた戦略態勢」をゴリ押ししようともくろんでいます。地理的に再植民地化だけでなく、時間をも植民地化しようとするものです。つまり、21世紀すべてを、です。
アメリカは、悪の枢軸と言われる国々だけでなく、これから台頭するであろう中国やヨーロッパといった対抗相手を出現させないため、一方的な攻撃を謳う国家安全保障戦略を打ち出しました。その戦略態勢は、核態勢見直し、アフガニンスタンとイラクへの侵攻、在外米軍基地の地球規模ネットワークの再編、そして、北朝鮮とイランに対する威嚇という形であらわれました。
十字軍、ヨーロッパの殖民者、ドイツや日本の軍国主義者たちのように、このキャンペーンは破綻するでしょう。問題は、これから先いったいいくらの命が犠牲にされ粉々に砕かれ、そしていったい何が残るのかということです。イラク占領は「偽の解放者たち」に抵抗するイラク人を結束させました。ちょうど30年前のベトナムのように「偽の主権委譲」は失敗するでしょう。ブッシュの軍国主義と核の脅威はイランや北朝鮮といった国々を核兵器開発に走らせるだけです。アメリカとアメリカの圧力で連合国になった国々に対するイスラムの怒りを煽るだけです。
新聞で報道されているように、アメリカの大統領選は「タカ派vsタカ派の争い」なのです。仮に、ブッシュが再選しても、われわれはリチャード・フォークが言うところの「ファシストの帝国」に一歩近づくだけです。ケリーが勝利したとしても、いくらかましなファシストなだけで、所詮、クリントン主義を再建するだけなのです。つまり、封じ込めと関与、雨と鞭というキッシンジャーの理論をよみがえらせることでしかないのです。もちろん、テロの根本的な理由を取り除くための取り組みなどしないのです。しかし、私たちしだいで最悪のものを避けられるのです。
被爆者、世界の平和運動、そして世界の社会フォーラムが私たちに押してくれることは、もう一つの世界は可能だ、ということです。「私たちは歩きながら道を作る」。この数年で希望を作り出せました。第二のスーパーパワーです。それは国際世論です。ベトナム戦争、80年代前半の核軍縮運動以来、世界の平和運動がこれほどまで力強くなったことはありません。世界はアメリカを孤立させ、また多くのアメリカ人も米軍がイラクから撤退するよう求めています。
核廃絶の市長たちのキャンペーンを力強く推進しなければなりません。もし想像力と参加で教育して組織するならばNPT再検討会議を核兵器を砕き、核の全廃達成という私たちの意志へと向ける場にできるでしょう。核廃絶への新しい世代を勇気付けられるでしょう。
友人の皆さん、深い暗黒の時代にいます。私たちは、イラク戦争、ブッシュの軍事十字軍、それらを終わらせることができる第二のスーパーパワーを築きました。時間はありません。しかし、私たちは、まだ、核兵器を廃絶することがでるのです。
No More Hiroshimas! No More Nagasakis!. No More Iraqs! Together for Peace!
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