参加者の皆さん、友人のみなさん、
きょう私たちが、世界の各地から長崎に集まり、日本人民と一緒に平和を擁護し、戦争に反対し、核兵器の全面禁止という私たちの共通の願いを表明することは有意義なことだと思います。
まず、私は、中国人民平和軍縮協会を代表し、この世界大会への支持を表明したいと思います。この機会に私は、平和を愛する13億の中国人民が、みなさんとともにあることを申し上げたいと思います。
原水爆はかつて、日本人民に重大な被害をおよぼし、しばしば、世界の人民の幸せと安定を脅かしています。中国はかつて、核による威嚇と脅迫をもっとも多く受けた国であるため、やむをえず自国の核兵器を持ちました。
しかし、中国は核兵器を保有した最初の日から、中国がいかなる時期、いかなる情勢においても最初に核兵器を使わない、また、核兵器を核のな国や地域に対して、使用しない、あるいは威嚇に使用することはしないと表明してきました。中国はこのことを世界に約束し、厳格に順守している唯一の国であります。
中国は、自国の領土以外に核兵器を配備したことがなく、また、核兵器開発も一貫して抑制してきました。
中国が実施した核実験の回数も、保有する核兵器の数も、限られたものです。この場で、全世界から核兵器が完全になくなるまで、中国は、この誓約を引き続き厳格にまもることを改めて表明します。
みなさん、
核兵器の全面禁止を実現するには、平和的な国際環境が必要です。20世紀の2度の世界大戦の惨禍を経て、平和の思想は、世界の人民の心の中に深く根をおろし、世界の平和をまもる力も発展し、強くなりました。
人類社会は、21世紀にはいっています。世界には平和が必要で、人民には協力が、国家には発展が必要であり、社会には進歩が必要になっており、これは時代の流れとなりました。
20世紀の最後の20年間、中国は、まざましい経済発展と社会発展をとげました。
経済は4倍近く成長し、人民の生活水準も著しく向上しました。現在、中国は、中国共産党の指導のもとで、いくらか、ゆとりのある社会を全面的に建設し、社会主義の現代化を推進しています。中国の建設は、平和的な国際環境が必要であり、中国の発展は各国の共同の発展と切り離すことのできないものであると、私たちは信じています。
中国はつねに、世界の平和の中堅の力であり、また、各国の共同発展を促す力であります。中国が発展することは、世界の平和と発展にたいして、さらに積極的な影響を与えます。
みなさん、
私たちは平和と発展を議論すると同時に、この世界はまだ不安定で、平和と発展に影響をおよぼす不確実要素が増えていることに注意を払わなければなりません。
覇権主義、テロリズムは、世界の平和と安定を脅かし、民族間の矛盾、宗教間の矛盾、国境・領土紛争によって引き起こされる局地紛争が相次いで発生しています。南北間の格差はいちだんと大きくなり、平和の事業は数々の厳しい挑戦に直面しています。
歴史は、軍事同盟をもとに、軍備の強化を手段とする古い安全意識は、国際の安全保障に役立つものではなく、世界の恒久平和を実現できないので、「相互信頼、互恵、平等、協力」を中核とする、新しい安全意識を確立しなければならないことを教えています。各国は政治的には互いに尊重しあい、話し合い、経済的には、互いに促進しあい、ともに発展すべきであり、文化的には互いに学びあい、ともに繁栄し、安全保障の面では互いに信頼しあい、ともに、それを擁護すべきであります。平等で対話と協議および交渉を通じてこそ、紛争を解決し、平和を擁護する正しい手段です。
みなさん、
日本は中国の隣国であります。中国は「遠い親戚より、近くの他人」ということわざがあります。私たちは、日本を含む周辺諸国との関係を処するにあたって、引き続き、善隣友好を強化し、善意をもって隣国との関係にあたり、隣国を仲間と見なす方針を堅持します。
昨年、日中両国は、国交正常化30周年を祝いました。今年は、中日平和友好条約調印25周年にあたります。日中両国の政府と人民の努力のもとで、中日善隣友好関係を強固にし、発展させました。とりわけ、中日両国の経済・貿易関係は持続的で、急速に発展してきました。今年、わが国では、SARSという伝染病が突然発生しました。SARSとたたかわなければならないという、きびしい情勢に直面しましたが、小泉首相は日本政府を代表して、中国人民に援助を提供しました。中国はSARSとたたかって、勝利をおさめました。この勝利は、日本人民の貢献によるものでもあります。私たちは勝利を祝う時、日本人民の深い友情を忘れてはならないと思っています。
世界の平和の偉大な力は世界の民衆の手にあります。平和の事業を推進するものとして、私たちは、世界の平和を擁護し、共同の発展を促進するうえで、重要な責任を負っています。その責任は重大で、長い道のりがあります。私たちは、世界中の人々と、共に手を携えて、戦争と核兵器の脅威を遠ざける平和で、美しい、新しい世界をつくるために努力したいと思います。
ご清聴ありがとうございました。