原水爆禁止2003年世界大会
長崎・開会総会(8月7日)

政府代表の発言


駐日バングラデシュ参事官
マフブブ・ウズ・ザマン


大会参加者のみなさん、

  原水爆禁止世界大会でお話しできることを光栄に思います。また、この機会をおかりして、核兵器のない世界をめざす国際的な取組みへの連帯を表明するものです。

  「いまこそ核兵器も戦争もない平和な世界を、核兵器の使用、開発を許さず、すべての核兵器廃絶を、戦争と先制攻撃の政策反対、世界平和のルールを守ろう」という今年の世界大会のテーマは、現在の世界情勢にてらして、たいへん適切で有意義なテーマです。

  私は、ここで核不拡散につながり、この分野での私たちの努力を強化するいくつかの点をあげてみたいと考えています。

  1. 国家による基準と原則の遵守:発効しているかどうかにかかわらず、核兵器、化学兵器および生物兵器の拡散防止とこれら兵器の削減のための国際基準があり、また核実験禁止についても国際基準があります。先制不使用、消極的安全保障、ミサイル配備制限、ミサイル防衛制限、分裂物質の生産、信頼醸成措置、核軍縮などは各国、地域、国際レベルでの平和、安全保障、安定に大きく貢献するものです。

  2. 不拡散条約体制の維持・強化: NPTは困難とともに限界もありますが、いま活用できる唯一の選択肢であり、したがって、きわめて重要です。NPTT体制を崩壊させないためには、この体制がもっている価値を再確認し強化し、不拡散体制が政治的にも安全保障の見地からもすべての国にとっての最良の選択肢として確保する共同の努力が必要です。

  3. CTBT の批准:核兵器保有国が包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准し、軍備管理交渉をいっそう活発化させることは、軍縮と核不拡散の過程に重要かつ積極的な効果をもたらすでしょう。

  4. 核保有国・非核保有国の責務の向上: 核物質・核技術の移転などの面で核保有国が、その義務をはたすこと (ミサイル技術移転規制体制は、この点で先導的役割をはたしうる) をつうじて、また、非核保有国もその責任の一端をになって、このシナリオは大きく改善されうるものです。

  5. 国連のもとでの集団的平和・安全保障努力の向上: 国際の平和と安全をまもり、核軍縮をすすめるうえで国連はひきつづき、もっとも実現可能なメカニズムであります。安全保障と軍縮問題をあつかう国連総会第一委員会と国連軍縮委員会の役割は、強化し、改善し、いっそう強固にしていき、そこでの勧告や結論は実行されるようにしなければなりま せん。

  6. 軍拡競争の停止と資金の社会的経済的事業への転用のための努力: 人類は、軍拡競争に終止符を打ち、資金を社会的経済的事業および持続可能な発展に振り向けるために集団的な努力をしていく必要があります。絶対的貧困の半減を2015年までに達成するというミレニアム発展の目標は、集団的な確固とした努力をつうじて、また、発展を達成するにふさわしい資金の配分をつうじてこそ達成できるのであります。
  1945年の8月、広島、長崎でホロコーストが起こりました。原子爆弾が広島と長崎にもたらした死と破壊、恐怖は、私たちの心から消えません。私たちは共同の努力を行ない、戦争を再び起こしてはなりません。私たちの平和な生活は、戦争の被害者による犠牲のうえになりたっていることを忘れてはなりません。広島の原爆記念碑を、人類が核の時代を生き残らねばならない永遠の希望のシンボルにしましょう。

実行委員会に対し、大会の成功とご親切に感謝いたします。ありがとうございました。


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